愛の図書館別館4

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書名及び著者・作者
コメントおよび、推薦の弁

梟の拳
香納諒一
好きな作家の一人。初めて読んだのはただ去るがごとくだったと思う。読後何とも言えない 虚脱感と充実感を味わった事を昨日の事のように憶えている。その後タイトルを失念してしまったけど 1冊読み、次に氏の実質的デビュー作時よ夜の海に瞑れ(現夜の海に瞑れ文庫化済) に出会い(この、文庫の解説は、あの傑作不夜城の馳星周!!)この度、この梟の拳に 巡り逢う。ふくろうの拳・・・元ボクシング世界チャンピオンが、失明後、彼のトレーナーの関わる 事件の究明に挑む。盲目の彼は如何に生活者足り得るか?如何に事件を究明するのか??プロットだけでも 興味深い・・・細々とは語るまい。瞬く間の5百余頁、・・・男は黙して、ただ読むべし!! NEW98/02/25

イニシャルD’10
しげの秀一
問答無用の痛快クルママンガ!!主人公の乗る旧式のクルマの中古車価格が高騰した(してる?) というほどの、生きる伝説的マンガ(笑)おもしろいっす!!
 非力なクルマで最新式のクルマとバトル。そしてことごとく蹴散らしてしまうスーパーテクニック。 サーキットの狼の再来か?(笑)とにかく楽しめます。
 主人公の乗る86は新車発売当時も大変人気で、当時購入した同僚のクルマを運転した記憶が 蘇ってきます。まるで、バイクのエンジンのようなふけ上がり、最終減速レシオを落とした ギアがまた軽快!!LSDもいれてたから軽いドリフトもOK。惜しむらくは、パワステの 軽さと足周り、特にリヤのガスショックはいただけない・・・等々思い出します。 それにしても良いクルマでした。たかが130万円程度で買える4バルブDOHC・・・ 青春のクルマ、そして青春の時・・・懐かしい人もそうでない人も擬音にまみれて 楽しみましょう!!(笑) NEW98/02/16

クルマ運転秘術
舘内 端
これも、いつかは紹介しようと思っていたのだけれど、”イニシャルD”の新刊を購入、 と言うことで(笑)この度ご紹介を。
 クルマの運転と言うのは、ただ漫然と飛ばしまくるだけでは上手くはならない。 要所要所で考える事が大変重要であることは言うまでもない。おそらく本書は、日本で唯一 ドライビングという行為を思想化しえた書物であろう。何しろ、哲学書籍の老舗”勁草書房” からの出版なのだ!!(笑)
内容の紹介の代わりに、見出しの幾つかを記載しよう。工学としての自動車の制御理論、 ドライビング・テクニック効用論の限界、テクニックはイメージを創出する、ドライビングは 創造するもの、「私」は「なぜ」ドライブするのか、操作と動きの認識の構造、無意識を 意識する、深層の意識との遭遇と自我の消滅、秩序・力・生命・・・等々。一般的な運転技術書 では触れる事のない深部まで言及されている。興味深い書物である。
これは、 運転技術書であるとともに、人の認識の方法と行為について語られた哲学書でもある。そしてまた 希有な実用書でもある。
おそらく、イニシャルDの著者もマンガにおいて、この書物に等しい事を表現しようとしているに 違いない・・・いや、そう信じたい。荒削りではあるものの、近いところまではいけるはずだ。 NEW98/02/16

自動車のサスペンション
カヤバ工業株式会社編
自動車の重要な要素の一つとして、サスペンションというシステムがあることは ここで語るまでもないが、何とはなしにイメージとしてはわかったつもりでいるが、 もう一つ解らないもの代表ではないだろうか?
 本書では、サスペンションの日本代表の老舗”カヤバ”の技術陣がサスペンションの歴史から 代表的な構造、基礎理論、特徴と観念、操縦安定性、サスの設定、評価、保守点検に至るまで 詳しく紹介している。また、グループA&F1のサスの設計思想に至るまで語られているのだ。 強力なエンジン&ハイグリップタイヤだけでは自動車は速く快適に走ることは出来ない。 また、経験と運転技術だけではドライビングの上達も限界がある(天才でもなければ・・)  何気なしに恩恵を受けているサスペンションの本来の姿・・・。一度読んでみる事をお勧め致します。 ”イニシャルD”の新刊を購入したもので、うちの本棚から引っぱり出してきての紹介でした(笑)。  NEW98/02/16

極道記者
塩崎利雄
入魂の賭博小説!!これを読まずして何を読もう。
著者の半自伝的賭博小説!!伝説の”極道記者”。文庫化(映画化も)されるまで、長らく読むことが 出来なかった作品(だったと思う・・・)。
競馬を基本とし、麻雀、手本引、サイコロ・・・ありとあらゆる賭博に関わる事によって のみ生きることのよりどころとする。勿論、酒と女と賭博は切り離せない。
 何故に伝説的小説なのかと言うと、著者は当時現役の東スポの記者であり、競馬の記事を書きつつ 自社のそのスポーツ新聞にこの小説を連載し続けていたのである。読んで見れば、この主人公= 塩崎利雄であることは間違いない。賭博の魔性にとり憑かれた人生。そのキリキリした覚醒・・ 驚愕し、打ち震えるがいい。問答無用の賭博小説!!これを読まずして、賭博人生は語れない!? NEW98/02/07

快楽主義の哲学
澁澤龍彦
澁澤さんの文庫本を本屋さんで久しぶりに見つけ(実は、この本は単稿本で持ってるのだけれど) つい読み返したくなり購入。
 澁澤さんと言えば”サド裁判”とかジャン・コクトーの翻訳で有名ですね。博識と神秘主義への 揺るぎ無い傾斜(笑)、異端、孤高、反俗(などと甘いモノではないけど)などから、 一般的に敬遠されがちなのだけれど、好きな人は何よりも好きな物書きとして挙げる人も多いです。 氏の影響を受けた”いわゆる文化人”達は、そうそうたる方々ばかりで、三島由紀夫、池田満寿夫、 横尾忠則、荒俣宏、吉行淳之介等々多すぎて書けないほどです。特に芸術に造詣も深く、絵描きさんとの 交流も多い人でした。
 惜しいことに数年前、喉頭ガンで他界されてしまいましたが、未だ人気は衰えません。
本書は、約三十年前に氏がカッパノベルズに書き下ろしたものです。当時、ノベルの書き下ろしと 言うことで、澁澤も地に落ちたとか、金に目がくらんだとか言われていたようですが、 内容はなかなか捨てがたいモノです。氏の著作の中でも毛色の変わった物であることは事実ですが、 間違いなく澁澤さんの世界を満喫出来ます。初めて読むのにはいいかも知れません。本文中の” 人生に目的などありはしない”の一言に象徴されるように”快楽主義”の一環した姿勢には脱帽です。
文庫化もかなり進んでいるので、本屋さんで出会って見ていただければ・・・ NEW98/02/07

テレビジョン
ジャン=フィリップ
・トゥーサン
5年ぶりの新作。もう十年前にもなるだろうか・・・?彼のデビュー作”浴室”に驚かされたのは・・
ストーリーは確か”ふと思い立ち、今日から浴室で暮らそうと決めた”事から始まり、淡々と 絶え間なく飄々と時間を食べて行く・・・なんとは無いのだけれど奇妙な読後感(読中間?) を与えてくれた作品だった。とぼけた味わいと、妙に確かな言葉達。状況と言葉と自分の感覚に戯れる かのように流れる時間。85年にパリの読書人達を唸らせた快作、時に作者28才
 何となく気力の無いときぼんやりしたいときなどに読んでみて頂ければ・・・
何とも言えません(笑) NEW98/02/02

新ニッポン百景95〜97
矢作俊彦
俊ちゃん伝家の宝刀、悪意と愛の垂れ流し・・・かつてここまで日本と日本国民に愛と憎悪を 注いだ作家がいただろうか?(笑)
 日本各地の現代建築、新名所、置き去りにされた建築遺物、看板・・・ありとあらゆる 日本の矛盾と幼さを現物写真と辛口の文章で一刀両断!!
 とにかく買って読んで頂きたい。下手な評論や、現代論より”論より証拠!!”と突きつけられた 物件たちの姿を見て欲しい。時に醜く、時に幼く、そして腹立たしい日本の現状。
政治不審に腹をたて、文句を言う暇があればデートが忙しくても選挙に行こうではないか!!
 でも、少しは明るい話題も・・・ガンバレニッポン!!私たちはまだ充分に楽しんでないのだから・・・・
週間ポストの名物写真コラムの集大成2冊目。名著!!(笑) NEW98/02/02

ブックライフ自由自在
荒俣 宏
長文となった為(爆)、興味のある方は こちらからどうぞ。
くどい文章なので、忍耐力と笑い飛ばす元気のある方のみ、お進み下さい。  NEW98/01/16

レディ・ジョーカー
高村 薫
んんん、やっと読了。でも、すぐにここの蔵書にはならなかった・・・何故か・・・
マークスの山及び照柿に続いての合田刑事が登場します。 これで、 高村薫さんだから○ ですね。長く待たせて頂きました・・上下2巻当然本文2段組・・至上の幸福ですねこれは!!
 事件の骨格は、あの迷宮入りした傑作グリコ・森永事件をモチーフにしたと思われます。 あの浅田次郎氏も絶賛してましたね、あの事件の完成度の高さは・・・。しかし、高村女史の 手による今回の誘拐事件もなかなかです。勿論、プロットは道具立てであって主題は別のところにあるのは 言うまでもないですが。
 人の業、宗教的命題をちりばめ、生きることの意味と無意味を問う。それらが現代社会の暗部と ともにさらけ出される。多くは語るまい・・内藤陳さん流に 言うならば、”読まずに死ねるか!!”ですね。
 今回作品は、高村さんの初期作品黄金を抱いて翔べのグレードアップ版ともいえる・・かな? 厳密にいうと違うのだけれど特有の息詰まる文体と綿密な考証には通じるものがあるはず・・。それは、 全作品に共通した事ではあるのだけれど、これだけの力技、白眉な才能を知らずして死ぬ事は 罪悪(もしくは、不幸か?)とも言えるのではないでしょうか(笑)
 世に小説のたぐいは際限なくありますが、限られた時間の中で出会える作品たちには、自ずと限りが あります。世の戯れ事の合間に、是非手に取り読んで頂きたい作家です。お勧めです!!
 これから紹介したい作品は・・・前述の浅田次郎氏、花村萬月、東直己、加納諒一、 鳴海章、稲見一良、風間一輝、谷甲州、原りょう(字が無い)、服部真澄・・・まだまだあります。
 寸暇を惜しんで、読書とPCいじりを楽しみましょう!!(笑)
 注)本文中のリンクは、北大推理研による高村さんの紹介(らしい)です。無断で張ってます(笑)  参考までにどうぞ。だけど、これ読んで読むのやめたくなるかも・・(爆) 多分リンク先には行かない方が良いのではと思います・・・既読者のみGO!!
  NEW97/01/02

”愛の図書館”今日はここまで・・

読めども読めども本はある!!知らなくていい世界も限りなくある(笑)愛を 持ってくれたし。愛の無いところには、何事も芽生えはしないのだぁ!!

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