時間がねえ。とにかくねえ。
その割に遊んでるけど。
でも、最近じゃ虫歯治療に歯医者で待ち時間してる時か、
寝る前の睡眠誘導に30分、ぐらいしかSF読む暇がねえ。
いや、まじで。
で、も、読んでる。
遥かなる地球の歌 The Songs of Distant Earth | アーサー・C・クラーク Arthur C. Clarke |
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星界の紋章1 | 森岡浩之 |
星界の紋章2 | 森岡浩之 |
スタータイド・ライジング(上・下) STARTIDE RISING | デイヴィッド・ブリン David Brin |
遥かなる地球の歌 The Songs of Distant Earth | アーサー・C・クラーク Arthur C. Clarke |
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ち、やられたぜ。 こういう、1セクション5ページ以内、みたいな限定をつけといて、小さな、 ドラマや、シーンや、会話や、風景を積み重ねていく事で、大きなドラマを見せる、 という手法は、いつか私がやってみたかった事なんだ! この形式だと、短篇集よりも更にぶつ切りでも読めるので、 忙しい私はほんと助かったよ。 で、感想。 くう、クラーク節が目にしみるぜえ。 全体に溢れる詩情。突飛でない、現実感溢れる技術。そして、孤独と非力を かこいながら、なおも生き生きとしている人々。 あらすじ。 太陽のノヴァ化が予測され、人類は一千年の長い臨終を向かえる。 静かに滅亡を待ちながら、せめて遠い子孫だけでも、と、繁種船を送りだし、 別の恒星系で新たに芽吹く事を祈る。見事それは成功し、新たな星に 人類世界が出来た。 物語はこの、新たな星で築かれた社会の視点で始まる。 長い臨終を終えた地球は、その息をひきとる前に、今度は冷凍移民船を 打ち出していた。 地球をたって何百年。この船がこの植民星に補給の為に立ち寄った。 もう何百年をかけて、更に新たな惑星へと向かう為に…… |
星界の紋章1 | 森岡浩之 |
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インターネットをうろちょろしてて、最近出た新刊の書評、みたいなのに 時々ぶつかる。そこに出ていた紹介で、興味を持って読んだのがこれ。 ハヤカワSFでなくハヤカワJAである。でもSF。だと思う。 紹介のベクトルは大きく分けて二つ。
読後。ううん、どっちの意見も判るね。 とりあえず、すらっと読めたし、読みながらにやにやもしてたから、 面白いと言っていいと思う。田中の2番せんじとか、ありきたりとか、 そんな意見も判るけど。 私はステロタイプが好きなの! いいじゃんか。 あらすじ。 銀英伝見たいな、植民惑星たくさんの宇宙世界。 大きな勢力は、5つぐらいある。 その最大なのが、 「タイタニア」 みたいな、宇宙で暮らす事を誇りとする一族が指導者の帝国。彼等は、 遺伝子的にもちょっと改造してある一族で、宇宙航行に適応している。 帝国の辺境への侵攻さわぎ。そのなりゆきで辺境惑星の大統領の息子から、 帝国貴族に列せられる事になった主人公の青年。本国への出向の時、 伝統により軍人見習いをしていた皇帝の娘と親友になる。これがヒロイン。 その時! 帝国とその他4大勢力連合の戦いが勃発。 前哨戦当事者として、彼等は「こんなはずじゃ」といいながらまきこまれて…… で、第1巻が終わる。ちょっと何? そこで終わる? 2巻は5月、3巻は6月に出るっていうから、これは買うしかないか。 SFじたてとしては、遺伝子を多少いじって、宇宙生活に適応させている種族、 てのが、なかなか良い。頭頂に新しい感覚器官がついてて、 周囲の空間を視覚によらず認識できる、とか、脳内に新しい識域野ができてて、 弾道計算を本能的にやれる、とか。 あと、超光速航行をするんだけど、これが超空間を渡る、という手法ので、 その空間の描写とか、そこでの戦闘なんかが書いてあって、ぐー。 説得力と言うか、リアルさにはちょっと欠けるね。海外SFの、 「何故か納得してしまう嘘理論の強引パワー」が足りんかな。 |
星界の紋章2 | 森岡浩之 |
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おっと、生協の本棚に並んでるじゃねえか。新刊か、仕方ねえな。 て訳で読みました。 うおおん、どんどんステロタイプにはまっていくぅ。 いわゆる作者の「個性」みたいなのがかなり薄いな、と思うね。 ま、読みながらにやりんぐしてたから、楽しかったとは思う。 でも、時間を書けて読む価値ありかなあ。「よくあるタイプのSF」 てのがこの本の「売り」な気がするからなあ。 ま、惰性もあるし、楽しいから、僕は読むけど。 あいかわらず、田中芳樹カラーが忍ばれる。 各キャラのエピソードの立ち方、とかもね。 で、各キャラは、よくいるような奴等です。 あらすじ。 前回はまった荒波こえて、やっとたどり着いた星。 だけども既に敵の手に落ちていたりする。 燃料も無いので不時着するが、さあて、敵の残党狩りをどう避けようか。 坊っちゃん育ちの主人公、更に輪をかけて、 地上さえ始めての王侯貴族なヒロイン。 二人の掛け合い漫才は楽しいが、そんな事で生き延びれるのか? 彼らの明日は真っ暗だあ。でも、主人公だから何とかなるのだ。 一方、お上の方では、この戦争をどう切り回すか、首脳部がごそごそと…… ああああ。次回の展開がなんか読めてしまう。 本当にあと一冊で終わるのか? 終わるだろうな。 でも、だとすると、いまいち物語に深みがないままになるだろう。 ううん、なにが足らないのか指摘できないが。 ちょっと不満の残るシリーズになってしまった。でも読むけど。 という訳であと一冊については こちら。 |
一月かけて、たった3冊。やっぱ最近忙しいのね。
これだけだと寒いので、過去に読んだ奴も紹介しよう。
何を紹介するかな……やっぱ、メジャーよりはマイナーが良いよな。よし、これだ。
スタータイド・ライジング(上・下) STARTIDE RISING | デイヴィッド・ブリン David Brin |
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ヒューゴー/ネビュラ賞 受賞。 これも、良くあるタイプのSF。そんだけ。 大学受験まで後○日、て時に高校の図書室で借りて読んでたから、 思い出深いのかも。 宇宙にはベム(異星人)が一杯で、各員宇宙の覇権を争って戦っているんだな。 おおもとには、この銀河には唯一の知的生命体、始祖となる知的種族がいて、 これが各惑星の現住生物を遺伝子改造して知性を持たせた訳で。 作られた種族は親種族に仕える、と。で、親種族の死に絶えた頃、 今度は彼等が新たな星で生物を知的種族に改造して…… そんな事が、銀河の歴史として連綿と受け継がれてきた訳だ。 始祖はもういないし、当然犬みたいな生物と猿みたいな生物は(ものの例えだよ) そりがあわん、いざ、兄弟喧嘩だ! てな感じで、戦争が起きて、こ れまた何種族もの生物が作られて死滅する、もう誰も覚えてない昔からの戦いに なっちゃってる訳。 まあ、戦争と言ってもそれなりの秩序があって、むしろ政治と言った方が いいのかな。 一触即発ではあるけれど。 「従者」種族をもってる一族は、「国」を保証される。何か不当な事(「従者」 に酷く歪めた遺伝子改造を施す、とか)があると、それを口実で他国が その国を滅ぼす正当な理由となるが、そうでない限り、戦争はしてはならない。 そんな銀河の辺境で、新しい知的種族候補の生物が見つかった。 いわずと知れた人類である。 すわ、遺伝子改造して我等が派閥の「従者」に……と意気込んだベムどもの 見たものは! その頃、人類は、イルカと猿を遺伝子改造して、知能を持たせる研究を、 まさに始めた所だったのである! こいつら「従者」を持っている。それは、「知性」をもつ証だ! 困った! こいつらは「主」の側だと言う事だ、「国」を保証せねばならない! だが、古今東西、「主」を持たずに知性を持った種族は、始祖を除いて 記録にない。 なにものだ? こいつら? 「銀河の鬼っ子」人類は、こうして、ぎりぎりセーフで奴隷にならずに すんだものの、さりとて正当に貴族として扱われず、「ふん! 出自も判らぬ 卑しい奴が!」と、危うい地位を持つ事になった訳。さあ、どう切り抜ける? この現状! てのが前ふり。ああ、つかれた。 こんな背景を元に、独創的な星とベム達を描く、冒険活劇的なお話。 もう本編書くきりょくねーなー。やめやめ。 ベムがね、笑っちゃうのよ。止まり木から艦隊を指揮する司令官 (鳥種族出身)。 敗戦の責任をとり、「次に生えてくる頭はもっと女王のお役にたちますよう」 と言いながら首切り自害する軍人(昆虫種族出身)。ほんとに生えてくるの。 人類側もいいよ。落ち着きがなく我儘なチンパンジー科学者。 鋭い方向感覚を持つ、のんきで海があったらご機嫌のイルカパイロット。 おなじ世界背景シリーズで、 「サンダイバー」 「知性化戦争」 等有。 |
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