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All people be HAYAKAWA'N

<<一億総ハヤカワ化計画22>>

サンリオ文庫に転んでみる
: Presented by IPPO :

 参加させて頂いている 読書共同体 企画が、この度(てもう随分先)拡充されました。
 従来の早川・創元の書評・読書感想を集める部分は 「星の会話」 として、
 そして新たにサンリオに関わる部分が 「最終都市」 として。
 めでたい。

 これを機会に私がもっているサンリオの書評でも書こうか……と思ったのですが、 改めてみると、これが、二冊しかないのですね。
 (別の出版社(早川)から再刊? されてて読んでるのを含めれば、 もう少し増えますが……)
 まあ、サンリオだし、そんなものか。
 特に「鳥の歌いまは絶え」は、結構長い間探していたけど見つからずで、 ついこの間人から譲って貰った次第。
 そういえば、最近、私は、随分沢山人から本を譲り受けています。
 思い出せるだけでも……。
 せめてもの恩返しは、やはりそれらの本について触れていく(書評していく) 事でしょうか。
 思い出せる限り、それから、なんとか読み終えている限り(笑)、 そのうちに触れていきますのでよろしくです。

 と、書いてから、幾星層。
 ダサコン4 で上京しまして、その時に古本屋巡りをして貰いました。
 (そうか、もうあれは三カ月前か。)
 その時に収穫したサンリオが「ステンレス・スティール・ラット」シリーズ。
 ようやく読み終えましたので、その御報告も。

 一部で熱烈話題中の bk1 でこれまた話題の熱いうちに 「パヴァーヌ」も購入。 作者の訃報が入ったりで、こちらもなんというか、 今読まねば、という気にさせてくれます。 私が持ってるのはサンリオ盤ではない訳ですが、 まあ、目をつむっていただいて。


鳥の歌いまは絶え ケイト・ウイルヘルム
WHERE LATE THE SWEET BIRDS SANG Kate Wilhelm
脱出を待つ者 ヴォンダ・マッキンタイア
THE EXILE WAITING Vonda N. McIntyre
辺境の惑星(早川版) アーシュラ・K・ル・グイン
PLANET OF EXILE Ursula K. Le Guin
ステンレス・スチール・ラット H・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT Harry Harrison
ステンレス・スチール・ラットの復讐 H・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT'S REVENGE Harry Harrison
ステンレス・スチール・ラット世界を救う H・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT SAVES THE WORLD Harry Harrison
ステンレス・スチール・ラット諸君を求む H・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT WANTS YOU Harry Harrison
ステンレス・スチール・ラット大統領に H・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT FOR PRESIDENT Harry Harrison
パヴァーヌ(扶桑社版) キース・ロバーツ
pavane Keith Roberts
夢の蛇(既紹介・早川版) ヴォンダ・マッキンタイア
DREAMSNAKE Vonda N. McIntyre
老いたる霊長類の星への賛歌(既紹介・早川版) ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
STAR SONGS OF AN OLD PRIMATE James Tiptree, Jr.

 まずは、私が意識をしなかった、というか、 これを機会に意識し始めた、サンリオSF文庫二冊より。


鳥の歌いまは絶え ケイト・ウイルヘルム
WHERE LATE THE SWEET BIRDS SANG Kate Wilhelm
サンリオSF文庫 7-D
1982年発行 1976
ISBN? 0197-82513-2831
カバー=エリック・ラッド Eric Ladd

 ヒューゴー賞、ジュピター賞受賞。

 この本を読む……というか、探しはじめたキーワードは、このタイトルにあった。 「2001夜物語」という、星之さんの漫画の中に同タイトルがあったのだ。
 どんな話なのか、とワクワクしながら探していて、 ダサコン3 の会場で行われた 古本オークション にてゲット。 その節は有難う御座いました。

 さて、中身だが、期待は裏切られなかった、と言っていい。
 充分に楽しませて貰った。
 ベスト10に入る、とか、そういう味とはまた違うが。
 話自身はむしろすれたSFファンにとって「ありきたり」なのだろうが。

 あとがきにもあるのだが、この作者ケイト・ウィルヘルムという人には、 どこか世界を突き放した、いや、世界ではない、人間を、かもしれない、 ソレを突き放した感触がある。
 だから、淡々と、流々と、未来を、 破滅の未来を、灰色の絵の具で描いてみせる。
 灰色なのに、あまりにも鮮やかで涼やかな世界を。水墨画の様に。

 突き放していながら、見捨てていない、いや、そうじゃない、
 愛してやまない種族、「人間」を描いた佳作。


 あらすじ。

 世界は破滅への歯車を回していた。 気候の不純が、政治が、戦争が、病気が……
 緑豊かなある谷に住む一族は、逃げずにその事実を見すえ、静かに準備を始めた。 食糧を、そして科学を蓄える。谷に学校を、病院を建て、 必須と思える産業の基盤を設ける。
 そして訪れる、”冬”……
 問題はまだある。遺伝子プールの小ささ。近親婚によらない子供の確保。
 科学者らの出した答えは”クローン”だった。
 やがて谷はクローンの世代へ……
 破滅の縁を、綱渡りで渡る、アメリカのある片田舎の谷の、数世代に渡る物語。


シェナンドアの谷に鳥の歌いまは絶え、花の光いまは褪せ、 すでに夏は盛りだった。
過去の大破壊を生きのびた人々の子孫は、 かろうじて残った遺産を食いつぶしながら生きていた。 だが、人々はすでに生殖能力のポテンシャルを弱めていた。
廃虚となった砦の洞窟に研究所を作り、食糧を確保し、 科学的な調査をすすめていくこと−−それだけが生存のための唯一の回答だった。
こうして若い女性を生殖員としたクローニングによって子孫を生みだそうとしていたが、 文明はとうに人間の心と愛と個性を失い、 みずからが生み出したクローンと敵対していくというイロニックな立場に直面していた。
戦慄と生への愛、母胎の闇を透過する優しい視線と微小なるものへの鋭敏な感受性で、 クローンをテーマに今日まで書かれた最高のSFと評された脈動するメッセージである。
〜背表紙より〜

 もう一冊サンリオ。
 私が入手しているのも、読んでいるのも、おそらくこの二冊だけ、 でした最近まで。
 まあ、私は熱心な探求者、どころか、サンリオなど眼中になかった人 (知らなかった、の方が正しいかな)なのでそんなものなのかもしれませんが、 サンリオってのはレアリティの高い本なんですねえ。きっと。


脱出を待つ者 ヴォンダ・マッキンタイア
THE EXILE WAITING Vonda N. McIntyre
サンリオSF文庫 72-B
1984年発行 1975
ISBN? 0197-84309-2831
カバー=木嶋 俊

 ヴォンダ・N・マッキンタイアと言えば 「星の海のミッキー」 で俺的ブームの人。 「夢の蛇」 は、私的には可も不可もなくだったが、 某お姉さん好きの人とかには痛くお気に入られたらしい。 他にマッキンタイアの仕事と言えば、 「宇宙大作戦」で何作かを手掛けていると聞くが、 そちらにはまだ手を出していない/出す気になっていない。
 となると、マッキンタイアの話と言えば、 あとはこの本ぐらいなのではあるまいか。

 この本の評価は難しい。少女が活躍する脱走/脱出モノ、と言えば 「星の海のミッキー」かもしれない。 荒廃した世界で生き延びるとか、幼いものを保護する人間の戦いの物語、 とか言えば、これは「夢の蛇」かもしれない。
 思えば、マッキンタイアの「作風」とでも言うものは、 そういう所にあるのかもしれない。
 荒れた世界。そこからの脱出。幼いものを助けようとする姿勢。
 すなわち、これは、愛ですな、愛。

 自立を目指す女性(能力者)が一人奮闘する、というと、 これはマキャフリィなどに味が近いかも知れない。

 この話は読後の感触が薄い。暗い地下での話が物語の大半のせいか、 冷たい穴と岩の感触ばかりがリアルに思い出され、 話がどんなだったのかが出てこない。 まあ、それだけ真に迫った話なのかもしれない。 冒険活劇、に近い味があるが、実はそういう感触の物語ではないと思う。
 従属を断ちきって自立する少女の物語、その精神的葛藤の物語になるだろうか。
 彼女が正に暗い穴から抜け出す所で本は終る。 明るく楽しい世界は、これから”後”にあるのだ。
 従属を断ち切る。
 これは、主人公だけではない、登場人物全員に与えられたテーマだと思う。
 脱出を待つ者達は物語最後で脱出を迎える。


 あらすじ。

 荒廃した地球。人は銀河に散り宇宙船を駆る。うち捨てられたこの星では、 僅かな人々が、僅かに残された資源と機械をもとに地下で暮らしていた。 地表は大戦の影響を受けて放射能が残っている為だ。 そのシステムは「ファミリー」と呼ばれる部族制であり、 貴族と奴隷の仕組みを形造っており、自由は少ない。 産まれる子供の半分は奇形であり、自分等の住む所より更に地下へと捨てられる。
 この地下世界に浮浪児として生きる少女、 (こぐまの?(笑))ミーシャという彼女が主人公。
 彼女は天才レベルと言っていい頭脳と テレパスという特殊能力を持っているのだが、 底辺の生活の中では、逆にその能力こそがより苦痛を齎す時もある。
 だが、曇らない知性を持つ彼女は思う、いつかこの洞窟の外へ、 宇宙−天界−へ行こう、と。
 そんな時、この世界に季節外れの宇宙船が現れる。
 最初は交易の為、と称して。
 後には自分達のネジロを作る為にこの地下を占領する事を目的として。
 何も変わらなかった地下世界の構造が揺らぐ。彼女は脱出の決断を固める。

 宇宙船の船長はサブワン=サブツウ。人為的に作られたテレパスで繋がった双子。 二人の間に「別の個性」は存在し得ない。 サブツウはそんな自分(ら)に嫌気が指しており、砂漠の広がる地球でなら、 この「自分」がない生活から抜け出れるかとかけている。
 宇宙船に同乗していた乗客は、詩人のジャン・ヒカル(源氏?)。 純潔日本人の一家に産まれながら、金髪の息子。 繊細で傷付きやすく、また傷付いてもいながら、やさしさを失わない。
 この3人の悩める小羊が、陰鬱な影伴う地球を離れるまでの物語。


 ところで、マッキンタイアの本、この本によると 既刊「夢の蛇」……これは早川文庫SFで再刊されているあれらしい…… からいいとして、続刊予定「火の河」というのは、どうなったんでしょうか。 どうにもなってないのか、残念。


大破滅後の地球−−。
かろうじて生き残った地球人の子孫たちは、地下に洞窟都市を作って、 生存を維持していた。<中央>と呼ばれる洞窟都市は、 原子力発電所やその他の供給施設を管理する<ファミリー>と、 <天球>と呼ばれる地球人の祖先たちによって作られた 宇宙都市との貿易を独占しているブレーゼの一族によって支配されていた。
<中央>からの脱出を夢見る少女ミーシャは、 ブレーゼの住む<石の宮殿>に忍び込んで、宇宙船の仕事に就けるよう直訴するが、 むごく鞭打たれただけだった。
その時、ひどい嵐の中を<天球>の宇宙船が一隻着陸した。 その宇宙船には、かつて地球で生まれた盲目の元航行士と、 彼女に付き添う青年ジャン・ヒカルが同乗していた。
魑魅魍魎たる洞窟都市と荒廃した地球に絶望して、 <天球>への脱出を計る少女の愛と冒険の物語を描く、 清冽なファンタジーSF。
〜背表紙より〜

 さて、これで私が持っている(そして読んでいる)サンリオはネタ切れです。
 まあ、サンリオには、別文庫から改めて出ている作品があるようですから、 そちらも一冊紹介しておきましょう。
 あと、私の知る限りで、サンリオの本が早川になっているのって、 『時は準宝石の螺旋のように』(サミュエル・R・ディレーニ) だけだな。これ、名作の呼び声も高いのだけれど、私は持っていないなあ。 くそ、今後悔するなら、遠い過去に古本屋で出会った時に確保しとくんだった。 でもなあ、あの時は財布の中身がなあ……


辺境の惑星 アーシュラ・K・ル・グィン
PLANET OF EXILE Ursula K. Le Guin
一九八九年発行 1966
ISBN4-15-010831-5
(底本)
サンリオSF文庫 2-A
198?年発行

 私が読んだのは(そしてここで紹介してるのは)、 サンリオではなくて早川文庫SFのものなのだが、 まあ、勘弁して貰おう。
 サンリオのものを下敷に、各部の翻訳に手を入れたもの、と、 両書翻訳者があとがきで述べています。

 又、実はこの本は、私が出会ったほぼ唯一のル・グインの本。 いえ、もちろん(?)「ゲド戦記」は読んでいるのですが、 これは私にとって児童文学というか、 ”SF”とか”サンリオ”とかの意識で読んでいる感じではない。
 ええと、他に読んだのは「闇の左手」ですか。 非常に鬱屈した雪の中の世界を描いていたように思います。 確か表紙の絵が、髭面のむさいおっさんの防寒服姿だったような。

 そして、言っては悪いのですが、 やはり私にとって彼女はよく判らない人なのでした。

 「幻影の都市」とか「世界の合言葉は森」とか、 すごく気になってはいるのですよ、もうタイトルからビンビンに。 「所有せざる人々」とか「風の十二方位」とかもね。 「内海の漁師」はつまり浦島太郎の事だよ、と聞いてすごく興味があったり。
 でも、二の足を踏むのは、 やはりこれらの体験が私にとって好ましいものでなかったからなのでしょう。

 そんな出会いの中の一つ、「辺境の惑星」。やはりこれも、 私にとっては何処が面白いのか今一つピンとこなかった作品の一つ、のはずです。 というのは、実はほとんど中身を覚えていないからなのです。


 あらすじ。

 冬が吹き荒れ始めていた。例年になく厳しい予感に、 この村も生き残りをかけて必死の対策をしていた。
 そんな時にはすべてが忌々しい。 特に、隣の部族の奴等には生理的な嫌悪すらがあった。 同じ様に暮らし、喋り、交流も交易も無い事は無いが、 彼らは別の生き物なのだ。目の色が、肌の質が違う。生活も全然違うらしい。 例え彼らのせいでないにしても、 とにかくこの冬はなにもかもが不運の呼び水に見えた。
 噂に流れてくる、そして、勘の鋭いものだけが感じている、 蛮族の襲撃の予感もある。蛮族だとて冬に備えているのだ−−
 どこもかしこもがピリピリとするそんな空気の中で、 ヒロインはふとした事件がきっかけで、その隣に暮すエイリアンの男と親しくなる。 それがきっかけで二つの部族はより強く反発しあい、 不信をぶつけあう事になる。全ては悪い方向へ向かうかに思えた。
 厚く垂れ込める冬の景色の中で、人々は、二つの部族は何処へ向かうのか。


 姿は全く良く似ているが、 精神も歩み寄れる程に同質であり異質な存在ではないが、 結婚したからと言って子供が産める訳ではない。
 そしてまた、文化の違い、というのは、なににも増して強烈に存在し、 誰に対しても、そう、お互いに対しても周囲に対しても、その力を振るう。
 そんな中での、未来。そんな中での、共存。
 色々と希望を述べてお話は幕を閉じていますが、 その先に薔薇色の未来は見えません。息絶え絶えに、 それでも生き続け、お互いを傷つけ、たまさかに蜃気楼のように協力しあう、 結局、そんな関係が続いていくのだろう、と私には思えました。
 あるいは、それが、救いなのか。


 さて。
 今回これを書くにあたって、パラパラと読み直してみたのですが、 ちょっとイメージ変わりました。
 むしろ、明るい、根っから楽観的な、 単純なボーイ・ミーツ・ガール小説として捕らえている自分が居たのです。
 ううむ、そういう明るい読み方こそが正しかったのか。
 また、話の最初から、そして最後に至るまで、 主人公らの隣で話を展開させていくもう一つの背骨、というかなんというか、 という登場人物としての、部族の長(というか、長老、おじいさん)の、 鮮やかな存在感。ただのボーイ・ミーツ・ガールで終わらず、 一つの「歴史」として、あるいは世界にわやくちゃにされつつしぶとく生きていく 「生物(人間)」としての演出は、あるいは、主人公らによってでなく、 彼によってこそ語られているのかもしれません。
 滅びるか、滅びないか、それは判らない。
 肝心な事は、滅びてたまるかと前を向き続ける姿勢、そして、 その姿勢を経て得る、人生と言う名の快楽を楽しむ事。
 要するに、幸せですか? という、ただそれだけの問い。

 なるほど、ル・グインが好かれる訳がなんだかわかった気がします。


五千日も続く冬の到来を前に、竜座の第三惑星では大混乱が生じた。 原住種族ヒルフのなかでも蛮族として知られるガールが、 他部族の食料を略奪しに北から移動してこようとしていたのだ。 この惑星に移住して、何世代もたつ異星人ファーボーンは、 ガールの大軍に立ち向かうべく、ヒルフの温和な部族トバールと同盟を結ぶ。 だが、ファーボーンの頭アガトとトバールの族長の娘ロルリーが出会ったとき、 事態は大きく展開するのだった……異種族間の相克を、 ル・グィンがみずみずしい筆致で鮮やかに描いた、 『ロカノンの世界』につづく長篇第二作
〜背表紙より〜

 さて。
 つい最近(いやもう大分経ちますが)、 ちょいと大阪から東京へお出かけする機会がありました。
 その時、あれこれの人にお世話をかけて、神保町近辺を巡ってまいりました。
 んで、サンリオを買ってきたんですな。
 とほほ。

 そこでわかった事。
 大阪にはサンリオはないが、東京にはある。うなる程ある。
 ただ、馬鹿高いだけ。
 んで、散財する馬鹿がここに居る訳ですな。
 とほほ。


ステンレス・スチール・ラット ハリイ・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT Harry Harrison
サンリオSF文庫 9-A
1978年発行 1957
ISBN? 0197-84309-2831
カバー=Edie Jones

 んで。
 買ったサンリオさっそく読んでますよチクショウ!!

 いや面白い。「昔はよかった」は年寄りの常套句ですが、 最近自分がそればっかりみたいで情けないですが、 いや面白いです。
 やっぱ、このノリがいいよね。
 目には目を、歯には歯を。
 アバラにはアバラを。
 要するに、アウトローにはアウトローを。

 ふふ、この設定が、「特殊部隊」の中身が、まずしびれますな。
 この枠組がいいです。
 それから、ヒロインもいいです。
 なんてえか、 どんなチョイ役であってもホルモンを刺激されるキャラとかタイミングとかあって、 最近だと、このヒロイン、それから、 「マジカル・ランド」 の頭からっぽねえちゃん。 最近出番ないんだけど、はよ戻ってこんかなあ。
 閑話休題。要するに、キャラがいいって事で。

 そう、作者ハリイ・ハリスンの味は、 私の知る中ではハロルド・ディ・キャンプとか ロバート・アスプリンに近いです。
 あほーです。軽妙です。ルパン三世に通じる洒脱味があります。
 和製作者でいくと、火浦とかに通底しているモノがある気がします。
 しまったです、今までハリスンを逃していたことが。これは、 気になっていた例の「宇宙兵ブルース」とかも抑えておかねば。
 だってねえ、ハリスン、著者紹介の絵がまたねえ、なんか。にやって笑ってて。


 あらすじ。

 科学が発達し社会システムががっちりと構成された未来、
 不穏分子はそもそも産まれないかすぐに治療できてしまえる未来。
 藁の小屋が木の小屋に、そして煉瓦の小屋になったように、
 今や時代はステンレス・スティールでできたビルの世界。
 こんな世界で、自分を突き抜けて生きたいと思えば、生き方は一つだけ。
 鼠の生活だ。泥棒として、社会の裏を、抜け道を探して生きるのだ。

 っていうその前釣りがいいですよなあ。ふむむん。

 そんな世界、僅かだって気が抜けない、 まさしく抜け目無く振舞って生き残ってきた 稀代の快賊・泥棒ジェイムズ・ティグリッツ。通称<するりのジム>。
 いつもの通り官憲の目を逃れて……
 と思ったその時!
 彼は罠にはめられていた。追い詰められた彼の前に現れたのは、 噂の中だけで聞いていた伝説の「特殊部隊」。
 部隊の長は彼に告げた……


 以下は端折りますが、まあ、面白い。
 ルパンがホームズやってるみたいで、
 いやこのパターンの話は他にも色々読みたいものです。


何十世紀も未来、人類は銀河系の各惑星と連合を築き、 様々の制度を確立してユートピアともよびうる社会を実現していた。 こうしたステンレス鋼でぴっちり閉ざされた社会の隙間をぬって暗躍する 鼠小僧ともいうべきス テンレス・スティール・ラットが絶えてしまったわけではない。 <するりのジム>ことディグリッツもそうした一人だった。
だが、さすがのジムも、こうした犯罪者を捕える <特殊部隊>の手を逃れることはできなかった。 <特殊部隊>はステンレス・スティール・ラットを捕えて部員に加え、 増々強力になっていった。 こうしてジムも部員となってまれにみる凶悪な女性殺人者 アンジェリナを追うことになり、愛憎の迷路に踏み込んでいくことになる。
ハードボイルド・アクションSFの第一人者 ハリイ・ハリスンが贈る冒険活劇のヴァイタリティいっぱいのシリーズ第一作。
〜背表紙より〜


ステンレス・スチール・ラットの復讐 ハリイ・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT'S REVENGE Harry Harsison
サンリオSF文庫 9-C
1979年発行 1971
ISBN? 0197-84309-2831
カバー=ブルース・ペニングトン

 今回は、ヒロインは早々に退場となって、まさしく男の物語になっております。 ハードボイルドに、かつお笑いに、敵の軍隊への潜入。 難攻不落の敵に対しては内側からがまず基本。
 しかしあれですな、まさしく「ルパン三世」の感覚が強くなってきますな。 泥棒感覚も、各種小道具も、進めば進むほど話がでかくなるような感覚も。
 おもしろいわ。


 あらすじ。

 恒星間戦争というのは不経済だという事がはっきりしてから、もう大分経つ。 惑星間ならまだいいが、恒星間となると、物資を運んでるだけで足が出るのだ。 だから、どこもそんな戦争を起こさなくなって久しかった。 −−今回の話が出るまでは。
 恒星間戦争なんかした日には、速攻で経済的につぶれているはずなのに、 この国は既に6つめの恒星系を侵略しようとしているのだ。 なんで? どうやって? 破産を回避したまま彼らは侵略を続けれるのだ?  ていうか、なんで侵略なんかしてるのよ?
 こういう訳の判らない事態になると<特殊部隊>の出番、 そして元泥棒極悪人、裏も表も裏の裏も知り尽くした男<するりのジム>の出番。 敵軍の中へとスパイとして潜り込み−−


 相変わらず、泥棒の目線からの物事の見方、というのが新鮮で、ニヒリズムで、 面白い訳です。特に今回は軍が相手ということで、 普段に増して派手にやってる部分がある気がしますね。


<するりのジム>ことジェイムズ・ボリバー・ディグリッツは、 <処置>をほどこされたアンジェリナと銀行を襲撃し、逃げきれずに、 逆に自ら進んで特殊部隊に出向いていった。
そこで長のインスキップから見せられた 第三惑星クリアーンドのフィルム−−そこには爆発の煙が 天高く昇っているばめんが映っている。 惑星間戦争? そんなことは不可能だ。同一の太陽系でならともかく、 ちがった恒星系間で侵略して兵隊、武器、食糧を奪っても、 宇宙空間を運ぶのには莫大な費用がかかるからだ。
だが、目の前のフィルムでは五つの惑星が侵略され、しかも成功しているのだ。 どうしてそんなことが可能なのか?  <するりのジム>は軍用電子機器販売代理人として、 この重武装された惑星へ潜入することになった。
ハードボイルド・アクションSFの躍動を生生しく描くシリーズ第二作。 ザッツ・エンターテイメント!
〜背表紙より〜


ステンレス・スチール・ラット世界を救う ハリイ・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT SAVES THE WORLD Harry Harrison
サンリオSF文庫 9-D
1979年発行 1978
ISBN? 0197-84309-2831
カバー=斎藤和明

 シリーズもここまでくるとかなり苦しい様子。 今回の目玉はタイムマシンな訳ですが、それだけでなく、 色々と未来の小道具が出てきます。 そりゃまあ、色々と便利なものは前からあった訳ですが、 それらが万能器具としてはなかなか働かない、副作用があったり、重たかったり、 そういう部分でリアリティがあって納得いってた訳です。  今回の小道具類は、ちょっと都合が良すぎるかな。ドラエモンっぽい。 一応あれこれと反作用はある訳ですが。
 まあ、そのへんのリアリティ、というか説得力、を削ってでも、 物語の展開、スピーディーさ、あれよあれよと飛んでいく ジェットコースター感覚を大切にしたのがこの本でしょうか。

 あと、この巻の魅力と言えば、サブを固める人物らの中にある、 と言えるかと。飛び回る各時代での協力者らに、 こう、気持のいいのがいる訳です。


 あらすじ。

 さて、今回の敵は、時間。
 時間の彼方からの攻撃。タイミングよく<特殊部隊>の科学者が開発していた タイムマシンに乗って、こちらからも反撃に向かう。 その場所は? 地球。その時間は? 20世紀。 そう、彼らの時代では既に伝説の彼方にあった、”現代”に<するりのジム> が御登場。
 その後も時間戦争は引き続き、更に過去へ、はたまた未来へ、 パラドックスやら平行世界やら。
 そして時間の輪は閉じる。


「悪党のディグリッツめ。おまえには横領、詐取の疑いが……」 特殊部隊の長官に呼び出されて<するりのジム>こと ジェイムズ・ボリバー・ディグリッツが糾弾されている最中だった。 長官の声が遠去かり、姿が透明になっていったかと思うと 背後の椅子が見えはじめてきた。そもそもの発端はこうだった。 いったい、なにが起きたのか? ついで部隊の要人たち、 さらにアンジェリナと子供たちまでも消えていった。
はるか3万年の昔、核戦争で消滅したといわれる<地球> から時間戦争が仕掛けられたのだ。 そして、手始めに最大の邪魔者である特殊部隊を潰滅させようというのだ。 時間に悪質な変更を加えているのは誰か? また、なにが目的か?  ジムはタイム・マシンによって1975年のアメリカに飛んだ。 だがそこは、歴史改変を受けた、得体の知れない世界だった。
「ステンレス・スチール・ラット」シリーズ第三作。 痛快無類のハードボイルドSFをどうぞ!!
〜背表紙より〜


ステンレス・スチール・ラット諸君を求む ハリイ・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT WANTS YOU Harry Harrison
サンリオSF文庫 9-F
1980年発行 1978
ISBN? 0197-84309-2831
カバー=加藤直之

 今回の冒険は、ぐちょぐちょエイリアンとの戦いです。スペオペです。 んでもって、いつものごとくの泥棒です(笑)
 何故ここで素直に「スパイ」という言葉が出てこないかなあ。 どうしても「泥棒」という単語が出てきてしまう(笑)
 そこが「するりのジム」の良い所なんですけどね。

 はじまりの部分では、前回活躍したタイムマシンとかもちょろっと顔を出しますが、 今回はその路線は大丈夫。 道具が出てきて全部解決っていう方向ではありません、 私的には非常に許せて楽しい展開でした。

 あんまり語るとネタを割ってしまうのですが、 思いもかけない奴らが再び顔を表します。
 私は、そこの所で非常に喜んでしまいました。よくぞそのネタを振ってくれた、 という所ですね。

 シリーズ物としての展開は、今回ぐらいの本から、 その方向が微妙に変わっていきます。いや、その気配は随分以前からありました。 思えば、一匹狼である第一巻においても、ヒロインを求め続ける、 という意味において、その質は、同質と思えるものはあったのかもしれません。 そして、ヒロインとの蜜月を楽しむ二巻。子供が産まれ、 それを可愛いと感じて暮す三巻。
 そう、そして、今巻。物語は、 「ファミリー」という方向が加えられつつあるようなのです。 双子の息子らは立派な男、いやまあ、男の子、ぐらいには成長しており、 彼らと共に事件の解決へと乗り出す。
 と、同時に、この家族の本当のボスは実は、という、 例のかかあ天下な部分っていうのもよりクリアに見えてきたりして。 いやほんと、よくできたヒロインですよねえ。面白いです。


 あらすじ。

 ええっと。今回もジェットコースターの様に事件が移り変わっていきます、 だからして、何を言ってもネタバレになってしまうので。
 あらすじは省略ってことで。
 (既に前段の説明でかなりネタバレという気もします)
 前回が軍隊を潰す話なら、今回は軍隊を造る話、とでもいいましょうかね。


ジムがのんびり熱いシャワーをあびているときだった。 妻の呼び声がしたので、玄関から飛び出すと、 ごつい二人連れの男が車に妻をひきずり込んで走り出すところだった。 車の番号を調べると、なんと相手は税務署。 儲けを申告しないので監査や罰金、刑期で縛ろうというのだ。 早速、軍寄宿学校にいる双子のジェイムズとボリバーを 無理に卒業させて三人で税務署の建物に侵入し、徴税記録を消すことにした。 ファイルを破壊して、企みは成功した、と思ったとたん、 逮捕されて特殊部隊の長インスキップの前に運ばれてしまった。 このように、どうも出足からついていない。新しい指令が待っていたのだ。 会議を開いていた惑星参謀総長全員が衛星基地ごと あとかたもなく消えてしまったという、「歯」という絶叫を残して。 さあ、われらの悪賢い<するりのジム>の出番がまたもやってきたのだ。 万雷の拍手に送られて熱血無頼のステンレス・スティール・ラット・シリーズ、 逐に完結!?
〜背表紙より〜


ステンレス・スチール・ラット大統領に ハリイ・ハリスン
THE STAINLESS STEEL RAT FOR PRESIDENT Harry Harrison
サンリオSF文庫 9-G
1984年発行 1982
ISBN? 0197-84307-2831
カバー=加藤直之

 前回に引き続き、 「ファミリー」というテーマが強く生き残って打ち出されています。 奥さんはもとより、双子の息子らもかなりの活躍。 物の見方によってニュアンスや展開が180度かわってしまう辺りの、 正義の視点/泥棒の視点、悪役/味方の視点、の切り替えといった要素も健在。 いやあ、おもしろいわ。
 私的には、最後の数章あたりが好きですね。 あっと思って、すぐにニヤニヤして、ひょっとしてあのパターンかな?  と思ってたらまさしくそうだったりして。


 あらすじ。

 これも難しいなあ。省略ってことでだめかなあ。
 だめですか。  今回の任務はとある辺境惑星。独裁者をやっつけろ、という話になるのですが、 そのための手段というのをどうするか。  そこで目をつけたのが、軍事ではなく政治でという手段。  この国、一応建前は、国連加盟とかあれこれがあるおかげで、 民主主義を標榜しているのですな。だから、選挙がある。ほぼでっちあげだけど。  そこに、でっちあげをでっちあげでなくしてやれることができれば、 でもどうやってという所で我らが<するりのジム>の出番。
 例によって裏技がてんこ盛り。


 さて、これでこのシリーズは、一応の完結を迎る訳ですが。
 というか、和訳は、ですね。
 英語の方ではまだまだ続きが出ているらしいのですが、翻訳、しないかなあ。


プロジット星で、いまだ容色衰えないアンジェリナと静かなディナーを楽しむ ジェイムズ・ディグリッツの前に、またもや物騒な字研が持ち上がる。 正体不明の変死人の口の中から、明らかに<ステンレス・スチール・ラット> に救いを求める文面の紙切れが出てきたのだった……
ステンレスの鋼(スティール)の網の目を巧妙にすり抜け、 自在に盗みを働く稀代の怪盗ステンレス・スチール・ラット、 又の名を<するりのジム>。
捕われたのち、宇宙にはびこる悪を滅ぼす<特殊部隊>のエースとして大活躍。
御存知、ハリイ・ハリスンの痛快活劇SFシリーズの最新作。
今回は、銀河系のはるか彼方にある、<ここは天国(パライソ=アキ)> とは名ばかりの、残虐な独裁者が支配する枠性で、大統領に立候補する。 持ち前のペテンとイカサマを駆使して、はたして大統領になれたかどうか、 乞御期待!
〜背表紙より〜

 もう一冊。これも、読んだのは、サンリオでなく扶桑社版ですが。
 サンリオでは略されていた、各章扉ごとにあるあるマーク、 がきちんと扶桑社版では出ているそうです。確かにありました。


パヴァーヌ キース・ロバーツ
pavane Keith Roberts
扶桑社
2000年発行 1968
ISBN4-594-02943-4
(底本)
サンリオSF文庫 85-A
1987年発行

 これは、SFではない。
 あえて言うならば、フィクションだ。
 もしくは、ファンタジーだ。

 と、思っていた。最終章までは。


 あちらこちらで評判を、書評を呼んでからの読書。
 それ故の歪み(先入観)が入ってしまったは仕方がないが、 あちこちで語られていて期待してたのとは、また違う味わいの本だった。

 改変世界モノである、という。
 あり得たもう一つの世界。カトリックとヨーロッパが世界の支配を続け、 徒弟制度が残り、蒸気機関時代で科学は押し込められた世界。
 だが、その舞台だては、SFではない。
 ただの一つのシチュエーション。
 ただの一つの舞台。

 閉鎖的な、グレイの色調を思わせる世界、灰色の冬の海を感じさせる世界、
 その世界での、人々の息遣いを、人生を、語る物語。
 別に、現代のイングランドで記述しててもかまわない。
 別に、ニューヨークの裏路地を舞台としていてもかまわない。
 語られる部分は、大事な部分は、そこではない。
 その、精神世界。閉塞された空間でもがく人の魂。

 そして、伝説に、昔語りに、ストーンサークルの影に、現れる幻の影。
 存在も否存在もあやふやな「古い人々」。

 横軸に閉鎖社会で時に鮮やかに、時にモノクロに活きる人を描き、
 縦軸に、カトリックだけに心も体も支配された世界、その支配から虐げられて、 もしくは逃れて、現れる不可思議な”存在”、「古い人々」を描く、
 幻想的な、あるいはあまりにリアルな、そんな物語。

 雰囲気を語る物語であり、妖精神話系の血を受け継ぐ物語。
 SFではない。
 語りの力をもつ、ただの、形容詞のつかない、物語。


 あらすじ。

 そこは、灰色の海を感じさせる世界。エリザベス女王が死に、 カトリック教会が力を持ち続けながら世界を支配し、 それ故に産業革命も、合衆国も存在せずに新世紀を迎えた世界。 徒弟制度が残り、身分制度が残り、蒸気機関が世界の主要動力たる世界。
 その世界に生きる人々の群像集。
 父を亡くしたばかりの蒸気機関車の操縦士は。
 機械仕掛けの手旗信号で大陸の情報網を支える、信号手に憧れる少年は。
 最大の権力機構である教会内部の歯車に過ぎなかった技師は。
 上流階級の青年と出会った少女は。
 海を見つめて白い船を見つけた女の子は。
 城へ立て篭もる彼女は。
 灰色の掌編集。


 そう、世界設定がどうであろうと、
 これは、不変の物語だ。
 私はそう思う。

 だから?
 だから。
 評価は、とても難しい。
 なにかがずしんとくる、という意味において、 少なくとも読む価値はあると思う。
 それ以上は、各自が読んで判断するタイプの本だと思う。


 と、思っていた。最終章までは。

 いやあ、最後の最後で「SFマインド」引っこ抜かれましたな。
 しかしまあ、よくまあこんな数ページで大どんでん返しをしてくれたものだ。
 詳しく書くとどうやってもネタばれになってしまうので、言いません。
 マイフェイバリットに認定。


「もうひとつの歴史」を描く、
不朽の名作SF!
異なる歴史をたどった世界を鮮烈に描写し、
そこに暮らす人びとの人生を謳いあげる、いまなお新しい伝説的作品。
〜帯より〜

SF史上屈指の名作、ついに復活!
1588年、エリザベスI世が暗殺され、イギリスはカトリック教会の支配下に入った。 テクノロジーの発達は阻害され、異端審問が暗い影を落とし、 古い社会構造が維持された、20世紀のイギリス−−
路上を走る蒸気機関車の運転士ジェシーは、恋する女性に熱い思いを告白する…… 少年レイフは、全国土に張りめぐらされた腕木信号をつかさどる信号手になるべく、 ひたむきな情熱をかたむける…… 工芸の才を発揮する修道士ジョンは、教会からの新たな任務に人生を狂わされる…… 市井に生きる人間たちの挑戦と挫折は、世代を経ながら、 やがて大きなうねりとなって世界を動かしてゆく−−
異なる歴史を歩んだ世界を描ききる幻の名作が、いまよみがえる!
〜背表紙より〜


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