■ イスラエルという国
イスラエルという国は1948年に国連の決議によって建国を認められたユダヤ教徒の国です。どういういきさつで建国に至ったかは中東問題とは?に譲りまして、現在のイスラエルという国を説明させていただきます。
■ ユダヤ教徒(ユダヤ人)
ユダヤ人とはユダヤ教を信仰している人々の事です。国や人種の名ではありません。ユダヤ教を信仰すれば、あなたも今日からユダヤ人です。
じゃあ、父親がキリスト教徒で母親がユダヤ人から生まれた場合、子供はどっちの宗教徒になるのでしょう。これは、その子供本人がユダヤ教徒にならなければユダヤ人ではありません(つまり強制的にユダヤ人にはされないという事です)。
でも、ナチスはユダヤ人抹殺計画の中で、母親がユダヤ人であればその子供もユダヤ人として、抹殺対象にしていました。
■ イスラエルの国民
イスラエルの国籍はユダヤ教徒であれば誰でも取得できます。しかも、二重国籍も認められています。離散の民ユダヤ人は移民の国イスラエルに戻ってきましたが、その離散2000年の歴史の中で人種が多様化してしまいました。
つまり、ヨーロッパ系の白人ユダヤ人もいればエチオピアから空輸されてきた(ソロモン作戦)黒人ユダヤ人もいるし、さらに地元アラブ系のユダヤ人もいるのです。ユダヤ教を信仰していればユダヤ人なのです。
■ イスラエル国籍のアラブ人
イスラエルの国籍を持っているアラブ人とは、イスラエルが建国される以前からパレスチナに住んでいて、イスラエルが建国後にイスラエルの国民となったアラブ人の事です。彼らはイスラエル国籍のアラブ人と呼ばれます。彼らこそパレスチナアラブ人です。
しかし、ほとんどのアラブ人は敵対してるユダヤ人と同じ国籍(イスラエル人)になる事が嫌で、国外に逃げ出しました。今でも周辺の国々は逃げ出してきたパレスチナアラブ人を難民として抱えています。
アラブ系イスラエル人には兵役の義務はありません。敵国と同じ民族である彼らを兵士として使う訳にはいきません。ただ、ドルーズ族やベドウィーンなどのアラブ系イスラエル人は兵役についてはいますが、これには訳があります。それは用語集のドルーズ族の項を参照ください。
イスラエルが戦争で占領した地区のうち、ウエストバンクとガザはパレスチナ自治区となっています。戦争前にイスラエルから逃げ出し、難民となってそこに住んでいた人々は、今度はイスラエル国内にいる難民となってしまいました。
彼らはいまだ難民です。元々占領地に住んでいた難民ではないアラブ人は占領地の民です。彼らもイスラエル人ではありません。
■ イスラエルの言葉
イスラエルの公用語はヘブライ語(Hebrew)ですが、場所がらアラビア語(Arabic)も通じます。もちろんアラブの国から移住してきたアラブ系ユダヤ人はアラビア語も話します。この国では英語(English)も使えます。そして、ロシア語やタイ語も通じるかもしれません。
ユダヤ人はヘブライ語を話します。イスラーム系アラブ人はアラビア語を話します。イスラーム系アラブ人とユダヤ人のコミュニティーは分かれています。しかし、労働力としてユダヤ人の社会にいるアラブ人はヘブライ語も話せます。
■ イスラエルの周辺事情
イスラエルは周辺のアラブ諸国と対立しています。でも、最近は対外戦争もなくまあまあ平和なのですが、国内のテロや北のレバノン国境あたりはまだ危険です。
■ イスラエルの国内事情
イスラエルに旅行の際はユダヤ人のバスに乗らないほうが良いでしょう。客として乗り込んだパレスチナゲリラが自爆する危険性があります。自分のカバンなども30秒と放置してはいけません。爆弾と間違われて処理班を呼ばれてしまいます。
こんな時、無敵の日本のパスポートを出してもあまり効果はありません。外国人なのでスパイでは?という目で見られます。
パレスチナ自治区に”入国”するには検問所(国境か!)を通ります。パレスチナ自治区にはイスラエル国防軍が侵攻してくるので、行動する際はそこいらにいる現地のシトに状況を聞いてからにしましょう。
アメリカなどの危険地帯は夜出歩いたらダメだと言われ(多分今も)、運が悪かったら強盗にあってしまいます。しかし、イスラエルの危険地帯(自治区との境、特にパレスチナ側)では強盗はいないのですが、イスラエル兵から実弾を撃ちこまれます。死にたくなければそういう行動は控えましょう。日本のパスポートでも通用しません!
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