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3 コンサルタントGISプレゼンテーション

 
 
 
 
(※ 当日のプレゼンテーションはムービーとして保管しております。ご覧になりたい方は事務局へご連絡ください)
後 藤  ご紹介いただきました、コンサルタントの後藤でございます。後ろの方には背中を向けさせていただいて申し訳ありませんけれども、よろしくお願いいたします。

 今回、我々コンサルタントといたしましては、先生ではないと。あくまでも市民が考え、市民としてモノを作っていく、そういうお手伝いをするということで、特に地理情報システムという技術を提供させていただきました。
 これは、第2回目の炉端会議でも、私、話をさせていただいた絵ですけれども、簡単にそれがどういうものかというのをお話ししたいと思います。
 実際の宮城地区、これはイメージですけれども、川があったり、木があったり、建物があったりする。それを一つひとつ要素を取り出していくと、例えば、道路というのはどういうふうになっているかとか、地形がどうなっているかとか、一つひとつ異なった切り口から地区を見ることができる。地図という道具を使ってすべての情報を統合化していく、そういう便利な道具であります。実際に、それによって分かりやすい判断の材料を作ることができましたり、様々なまちづくりの計画、それの効果があるようなものができたり、実際に作った計画を評価していったり、また、作業を効率的にやっていく、そういったメリットがあるものです。
 ここだけお話しすると非常に難しいもののように感じられるかと思いますけれども、実際、そのようなデジタルな地図情報というものは皆さんの日常にも多く入っています。例えば、テレビの天気図、これなんかも一種の地理情報をデジタル化したものでありますし、車に積んでいるカーナビの地図なんていうものも、やはり、デジタル化したことによって非常に一般の方が使いやすくなっている。
 ここは、インターネットの地図を探すページですとか、携帯電話の案内の情報のページですけれども、そういったところでも、「きょう、何時に、どこに」という話ではなくて、「ここに」という形で、地図という分かりやすい表現を使って連絡し合ったり、そういうことが既に日常的に入っているものです。せっかくこういう便利な道具があるのなら、市民によるまちづくりにおいても、ものを分かりやすい形で表現をしていく、左下の絵のようなものであったり、また、専門家を中心に細かい部分の技術的な検討、そういうものに使っていったらいいのではないかということで、今回、MARFのほうで、ぜひ、これを活用してみたいというのが、我々、手伝わせていただいた理由です。
 ただいまから、実物のほうをお見せしたいと思います。
 これは何かというと、分かりにくいかもしれませんが、この赤い外形線が青葉区全体になります。ここまでが、旧宮城町です。それが旧宮城地区ということになります。この図だけですと、何が入っているかよく分からないと思いますので、一つずつ情報を足していくということをやってみたいと思います。
 今、入れました、これが仙山線になります。仙台駅からグルッと北に行って、北仙台を通り、東北自動車道を越えて、落合、愛子、白沢、そしてどんどん西のほうに、山形のほうに向かって延びているというもので、およその位置がイメージできるかと思います。
 鉄道だけですとそういう話ですが、これに、道路を次に入れてみたいと思います。ちょっと見にくいですけれども、鉄道に沿って、ここがバイパスですけれども、バイパスが西に向かって延びていって、ずっと街道が延びているというものです。
 さらに、これに加えて、広瀬川ですとか、ダムがどうなっているかというものを追加していきますと、大倉のダムがここにありまして、川が流れている。
 このように様々な情報を一つずつ足したり引いたり、必要なものだけを選んで見ていったりすることもできますし、また、今やっていますように、部分的に拡大をしていく。今いる総合支所のあたりを中心としたものを見ていくということもできるわけです。
 実は、この背景には、より分かりやすい形で写真も入っておりまして、空から見た宮城地区というのはどうなっているか。バイパスが走っていて、仙山線が走っている。これは支所の前の田んぼのところで、ここに支所があって、市民センターがあります。こういうのをどんどん細かく見ていくと、どうなっているのか。支所というのはこういう形で、ここに市民センターがある、こういうことまで見られるようなものであります。
 これだけですと表現の道具にしかならないように思えるかもしれませんが、実際にコンピューターを使って様々な検討というものができる。それが、これまでの紙の地図とは大きく異なるものです。
 今、表現していますのは、宮城地区全体の土地の使われ方、土地利用がどうなっているかというものですけれども、この上に様々な情報を見ながら検討をしていけるというのがあります。例えば、一つの例を出しますと、いろいろな丸が出ました。ピンクの丸がポツポツと並んでいますけれども、これは、仙山線の駅に歩いて行ける範囲というものを地図の上に表現したものです。実際、この中に家が何軒建っているか、土地がどういうふうになっているかというものが簡単に調べられます。
 青い小さい丸は、すべての地区内のバス停から歩いて2分で行ける範囲というものを地図の上に出したわけですけれども、これを見ますと、どのあたりにバス停がないか、どのあたりの人はバスが使えないか、そういったことがいろいろ検討していけるようなものであります。
 ずっと平面の地図ばかりお見せしておりましたけれども、実際には、街というのは3次元である。例えば、ここに蕃山がございますけれども、蕃山というものが地域のシンボルだとしたときに、では、これがどうなっているのか。例えば、支所があるあたりから蕃山のほうを見るとどうなるかということを、実際にこちらの画面で見ていくことができるわけです。ちょっと場所を変えていくとどうなるんだということでやっていくと、違う見え方をする。例えば、錦ヶ丘のほうに行って蕃山のほうを眺めると、こうなっていく。そういうことが、いろいろ視点を変えたりとかしていくことで、実際にその場所からの景色はどうかと、そういうことも調べられるものであります。
 実際にこれを使ってどういうことができるのかというもので、第3回目の勉強会、その場所でやった作業というものを簡単に再現させていただきたいと思います。
 第3回目の勉強会では、今まで市民の皆さんで検討してきた、地域の将来の土地の使い方がどうあるべきか、どこを開発していくかということを、実際に画面を見ながらモノを考えていったということをやりました。例えばですけれども、みやぎ台の南のところと総合支所の真横の田んぼ、この2カ所を比べたときに、どちらを開発したほうがいいのだろうかと、これをみんなで議論しようということをやりました。ただ、その際に、こちらが好きだとか、あちらがいいとか、それだけではなくて、様々な指標を使って評価をしていく、そういった作業をやったというのが非常にこの機械を使った利点だと思います。
 今、実際にやっておりますのは、こちらのこの田んぼをつぶして住宅を造るという作業と、総合支所の横、こちらの田んぼをつぶして住宅を造る、どちらのほうがいいだろうかという議論をするために、先ほどお見せしましたような、例えば、駅に近いかどうかですとか、バス停までどれくらいで行けるか、そういった様々な角度からの分析をその場でやった上で、それをもとに参加者の皆さんに議論をしていただく、そういうことをやったものです。
 今、パチパチやっていますのは、実際の計算をやっているものですけれども。今、2つを計算した結果として、ワーッとグラフが出てまいります。もう一度確認しますと、みやぎ台の南の田んぼをつぶすのか、総合支所の横のこちらを開発するのか、どちらがいいかというときに、今回は、8つほどの様々な視点から、どちらがいいかを議論した。
 1つ目が、山がどれくらい開発されたか、削られたかというもので、みやぎ台のほうの開発ですと、山がこれくらい削られているのに対して、総合支所の横ですと、ほとんどゼロですね。削られていない。これだけ見ると、削っていないほうが、もちろんいいよねと、皆さん、思われるでしょうけれども、そのほかの指標もいろいろある。
 例えば、蕃山が見えるかどうか。そこの住宅のうち、幾つから蕃山が見えるかというのを、先ほどお見せしたような3次元の画像でやっていったときに、みやぎ台のほうでは 500軒くらいの家から蕃山が見えるような開発ができます。それに対して、総合支所の横のほうでは、だいぶ少なくなる。これとこれでは、同じ金をかけるなら、どちらのほうが良いと思いますかと、こういうことを考えていただくということをやりました。
 同じように、田んぼをつぶす量、これもその場で比較しまして、こちらのほうがたくさん田んぼをつぶしている。こちらのほうが少ない。でしたら、やはり、つぶさないほうがいいよねと、そういうことを多くの方がお考えになったと思います。
 ただ、一方で、違う角度からモノを見ることもできるわけで、一番右下のグラフというのは、「バスの使いやすさ」とあります。みやぎ台のほうですと、バス停まで、すぐに歩いて行ける人というのが 120軒の世帯、120 世帯の人たちは、すぐに歩いて行ける。それに対して支所の横ですと、バス停がすぐそばにないということもありますので、バスを使うことは事実上できない。車を使わなければいけない。ここで初めて、今までと違って、バスが使えるのはみやぎ台のほうだから、そちらのほうがいいのではないかという議論も出てまいります。
 たくさん山をつぶしているということを問題と考えるのか、大勢の人がバスに乗れるということがすばらしい、プラスに捉えるのか、こういう視点を、ほかにも、役所に行きやすいかどうかですとか、田んぼをつぶしているかどうか、そういった8つの角度から総合的に考えた上で、山が大事だと思う人は、山を削ったのが少ないほうを主に考えていただき、バスを大事だと思う人はそちらを考える。そういうことをした上で、どちらがいいかということを多数決したわけです。
 今まで、こういう道具がなかった頃でしたら、ここのほうがいい、俺はこっちがいいと、そういう議論だけだったものに対して、いろいろな角度から考える。これを市民の皆さんがやったというところが非常に重要だというふうに、我々、今回、お手伝いをさせていただいて思っております。専門家の方ですと、やはり、これくらいの作業というのはある程度、オフィスに戻ってやっていらっしゃると思いますけれども、市民の方の間で分かりやすくやる、そういうことというのが、今後、まちづくりに必要になっていくということを、お手伝いさせていただいた中でコンサルタントとして強く感じた次第であります。以上です。
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