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事務局長総括 | ||
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4仙台市長講演 | ||
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司 会 | 今、非常に分かりやすい説明があったと思います。ただ、GISというのは、もともと、データをいかに処理できるか、データをいかに打ち込むことができるかでもって、だいぶ判断力が変わってまいります。先ほど見ましたように、みやぎ台のほうをつぶせば、バス停は近いけれども駅は遠い。ところが、総合支所界隈であれば、バス停までは遠いけれども、駅までは歩いて20分で行けるというふうな判断もできます。そういうふうなのは、もっともっとデータを入れることによって変わってくるだろう。今回は、1年、まだたっておりません。その中で、全部コンピューターに打ち込んでいくわけですから、なかなか皆さんが思うような、感覚的にはちょっとずれているかもしれません。これは、今後、仙台市さんの協働のもとに、ぜひとも、仙台市さんが持っている、公開できるデジタルデータがあれば可能になっていくだろう。ですから、先ほど言いましたように、これを踏まえて、仙台市と、藤井市長がしょっちゅうおっしゃいます協働作業ということを、このGISにも活用していきたいと。しかも、民間でGISでもってまちづくりをやっていこう。 今回は第1回目で、本当の基礎ができた。ですから、来年はもっと具体的なデータを利用したまちづくりを考えるチャンスができた。そこら辺を来年度、ぜひとも、継続しながら愛子を中心とした拠点づくり、そして、それに対する波及効果、宮城地区全体の効果というふうなものを、副都心構想、そして新交通体制を踏まえた上でやっていきたいなというふうなものが実感でありますし、わが宮城地区総合研究フォーラム、MARFとしての希望であります。ひとつ、これを踏まえた上で、今までの説明を聞いていただければなと思っております。実際、大変なデータの打ち込み作業でした。ありがとうございました。 それでは、早速、お忙しいところ、藤井市長さんがお見えになっていただきました。今、早めに市長さんに来ていただきましたので、GISの図を見ていただきまして、本当にありがたいなと思っておりますので、それを踏まえまして、まちづくりの応援なり、激励なり、そして、市長が考える宮城地区の将来像などをお話しいただければなと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 |
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藤 井 |
皆さん、おばんでございます。 今、GISの手法を使って宮城地区のあり方について皆さんが熱心にご討議をなさってこられたということを、今度で4回目か、そういうことらしいのですけれども、皆さん自身が自分の住んでいる街をどうするかということで、自発的にこういう作業をなさっているということに、まず敬意を表したいと思いますし、また、私も初めてGISの手法というのを、耳では聞いておりましたり、あるいは絵でもって見ておりましたけれども、こういう画像でもって初めて体験をいたしまして、その威力に大変驚かされたり、また、新たな発見があったりということで、ここに来たもう一つの意味を感じているところでございます。 |
![]() 藤井仙台市長 |
日頃は、仙台市政に皆さんの地域の中で様々なご協力をいただいておりますことに、まず感謝したいと思います。 私は、この宮城の地区をこれからどうしていくかということを、皆さん、共通の目標といいますか、狙いにしておられることであろうというふうに思って、ここに参上しました。その際に、もちろん、仙台市全体の中で宮城地区の有り様というものを考えること、その相対的な位置で考えるということもあるだろうし、あるいはまた、一つひとつの事項について考えるということもあるでしょうけれども、今、日本全体が一つの大きな転換の時期にあるということは、ご承知のとおりであろうと思います。まちづくりに関しまして、どんなふうな動きがあるのか、そして、今後どんなふうなあり方が主流になっていくのかということについて、まず、全体的なといいますか、日本全体の動向について共通の理解を持ちたいというふうに思います。 まちづくりのあり方が変わるということが、まず、第1のテーマになります。それは、一口で言うと、分権の社会がこれから主流になっていくということです。分権の社会というのは、一言で申しますと、国家が意思を持って、その国家の意思を地方に伝え、市町村に伝え、そして、そこに住む人々に一方通行で意思をずっと伝えていって、そして、あまねく意思を実現していくといいますか、どちらかというと、一方通行の上から下への、そういう命令系統といいますか、意思がずっと伝わっていく。こういう仕組みだったのが、分権化されるということは、そういう国家と地方という上下の関係ではなくて、むしろ、地方が自分たちのために地域をどうしなきゃならないか、この宮城地区が、皆さんが今やっている手法というのが、これが分権型のまちづくりの手法ということになると思うんです。そういうことが、ここの宮城地区だけではなくて、仙台なら仙台も同じように、自発的に、自主的に仙台の街をどうするかということを考え、あるいは小牛田でも八戸でも、どこでもいいんですけれども、そういうところも同じように、国からの命令ではなくて、自分たちの「こうありたい」という、自分で責任を持ってまちづくりをしていくという、こういうパターンに変わってきている、変わっていくというのが主流になるんですね。 なぜ、そうなるかというと、ご承知のとおり、今までのような上から下へ権威でもって押しつけていくという、こういうあり方に、もう既に限界がきていて、地方自体が、自主的といいますか、自主性を持つようになってきたということが大きな流れをつくっていると思います。それは、国家と地方、あるいは国家と市町村だけではなくて、例えば、仙台市という市役所とそこに住んでいる人たちの間でも同じような変化が起きておりまして、市役所が何かをしたいということで、それを皆さんにやっていただくということ、行政主導型といいますか、そういう形でまちづくりをしていくというのが、今はそうではなくて、双方向といいますか、住民の方々の意見、意思を反映して、お互いのパートナーシップの中でまちづくりをしていくという、こういうまちづくりのスタイルが主流になってきて、これから特に、そういうあり方が主流になっていくということでございますので、宮城地区の皆さんのこの活動というのは、そういう意味からして、21世紀型の市民協働の、あるいは、分権型のまちづくりの一つの大きなモデルにもなるものであろうというふうに思います。そういう分権社会ができていくということ。 その分権社会ができていくということを、もう一つ別の角度から見ますと、従来は、さっき、蕃山が出てきましたけれども、権威があって、その権威がだんだんと下に意思を伝えていくという、こういうピラミッド型の仕組みが社会をつくっていたわけですけれども、これがすっかり、もう権威というのがだんだん高さが低くなっていきまして、とうとう平面のところまで来てしまっているということです。そうすると、お互いが、全く平面ですから上下の関係というのはなくなって、それぞれの個々の市町村なり、あるいは個々の住民の人たちがお互いに、双方向といいますか、いろいろな方向でくっつき合うといいますか、そしてネットワークができあがるという、縦型のピラミッド型の仕組みからネットワーク型の仕組みに変わっていくということ、別の面から見ると、そういうことになっていくと思うんです。 それはどういう現象を起こすかといいますと、縦型というと、隣と自分のところの間に壁があったり仕切りがあったりというのですが、その仕切りがなくなっていく。つまり、ボーダレスと言われる現象が当たり前のように起きてきて、例えば、国と国の境もなくなって、EUのように、ヨーロッパというのは一つひとつの国ではなくて、一つの連合になっていくというようなことだとか、あるいは、お年寄りと若者の区別もなくなっていくというか、そういう世代間の差もなくなったり、男女の差も協働社会ということであまり厳しくなくなる。あるいは、健常者と障害のある人の間もノーマライゼーションということで壁がなくなっていくというようなことで、ネットワーク社会というのはボーダレスの社会になり、バリアフリーの社会になっていくということで、自由性が出てくるわけですね。ですから、自分の意思で街をつくる、住民たちの意思で街をつくっていくということがやりやすい状況が、そこにできてきているということになろうかと思います。 全体的な動向といいますか、どんなふうに変化していく、あるいは、今、その途中にあるけれども、これからの主流というのは、そのように分権型の社会に変わっていくし、市民と行政と、そして事業をやる人たちが、同じパートナーシップの下に街をつくっていく。その基盤になっている仕組みというのは、ネットワーク型の仕組みの中で行われていくのだという、こういうことが、まず、今までと違うところだと思います。 ところで、宮城地区を自分たちでどうにかしたい、まちづくりをしたいというときに、まず、宮城地区のこれまでと現在とをずっと考えるときに、もちろん歴史の問題もあるだろうし、風習とか習俗とか、いろいろなものがあるかもしれないけれども、宮城地区にとって、変わるものと変わっているもの、あるいは、変わり得るものと変わり得ないもの、仮にそういう2つのものに分けたとしますと、変わり得ないもの、それは何かというと、やはり、山であり、川であり、そういう自然の存在物といいますか、そういうものは変えようとしても変えにくいし、先ほどの地図にありましたように、東西にずっと続く長い街並みといったらいいか、広瀬川だとか、あるいは、仙山線に沿うような形で街がつくられていくという、こういう地形的な要素というのは変えるわけにはいかないものですね。大きく変えるわけにはいかないもの。里山と広瀬川、そして街の形態といいますか、そういうものはなかなか大きく変えることができない。 変わるものというと、やはり交通の、今までなかったところにバスが通り、あるいは列車が通り、マイカーという、もっと自由な交通手段が出たりというようなことで、そういう交通手段によって、交流のチャンスといいますか、交流の機会が多くなってくる、あるいは、交流の範囲が広くなってくるというようなこと。これは、交通手段によって人々の行動形式というのは変わってきますね。人の動きのあり方が変わってくる。それから、生活のあり方も変わってきますね。これは、交通だけではなくて、それこそ、欲望といいますか、それを満足するために、買い物はここだけでは済まない。もっと別なところに行って買わなければならない。あるいは、今まで使わなかったものを使うようになるとか、テレビでもって刺激されて、あれが欲しいということになったりということで、そういう生活のスタイルなり生活の欲求といいますか、そういうものも人々が変えたり、あるいは、それによって変わるという要素になってきますね。生活の形態、行動の形態、そういうものは変わり得るものであろうかと思います。 そんな変わるものと変わらないものという、そういう仕分けでもって宮城地区を見ていくということも一つの切り口になるのではないかと思います。 変わり得るものというのは何かというと、やはり、外の条件の変化によって変わっていくもので、便利になりたいということが交通手段を多様にしたり、あるいは自由にしたりということで、生活を変えていく。あるいは、産業が変わっていくということもあると思います。そういう切り口で見ていく。 しかし、いかに変わるものと変わらないものとが混在していても、それでもなお、自然以外に宮城地区が持っている特色といいましょうか、これだけは宮城地区のものだと、ほかにはないアイデンティティといいますか、これぞ宮城地区という、そういう特色は持ち続けなければ、そうじゃないと、どこに行っても、そこの住み良さなり、そこに住んでいることの誇りだとか、そういうものがなくなるわけで、これぞ、われらが誇るべき宮城地区のアイデンティティだというものを求めておかなければならないと思うんですね。私は、それは、安らぎなり、あるいは癒しという要素と、もう一つは、クリーンな要素という、この2つは、仙台市内をずっと見渡したときに、宮城地区の一つの大きな特色ではないかと思います。アイデンティティを生み出す要素だというふうに思っております。 最初の癒しのほうですけれども、ずっと古くから、今もそうですし、人々というのは、心が病んだり、心にわだかまりを持ったり、悩みを持ったりという、こういうのが人生なわけですね。どなたも、生まれてから人生を終えるまでの間に必ずそれは通り過ぎなければならない宿命みたいなもので、心を癒したい。もう一つは、労働とか遊びとか、いろいろなことをやりながら、身体を癒す。身体が病んだり、あるいは病気になったり、あるいは、病気にならないまでも、それを予防する、身体を癒していくという、疲れを癒したいという。こういう精神の癒しと身体の癒し、この2つが、人間は、どうしても生き抜くためには必要なわけで、その両方を古くから宮城地区は持ち続けてきた、両方の資源を持ってきているのではないかと思います。 心の癒しは、ご承知のとおり、全国的に知られております定義如来とか、あるいは、霊宝といいますか、五重塔もそうでしょうし、定義という霊場がありますね。そこに行って人々は安心感を与えられて帰っていく。いかに遠くても、いくら煩わしくても、とにかく定義に行って、そして、心の安らぎ、安心を得て戻っていくというような、そういう繰り返しが、これまでずいぶんと行われてきているわけですね。 もう一つは、身体の癒しということで、これはやはり、日本人の一番大きな労働は農作業の労働だったのだと思いますけれども、作並まで行って、そして身体を癒して、あるいは、この近辺にも赤生木や、いろんなところに温泉があったでしょうけれども、そういうところで身体を癒すということ。 それはやはり宮城地区の古くから持っている大事な資源だし、また、人々にそういう癒しという場を提供し、宮城地区の存在感というものが今日までずっと持ち続けられてきているのではないかと思います。 今までのとおりでいいのかというと、やはり、さっきのように、変わるものと変わらないものとありまして、人々の生活のあり方が変わってきますので、そうすると、確かに、温泉とか霊場というのは今までどおりの機能を果たしていくでしょうけれども、さらにまた、最近の人々の生活のあり方を見ていますと、極めて過密なスケジュールの中で、遊んだり、労働をしたり、学習をしたり、忙しいサイクルで動き回らなければならないという、こういう宿命といいますか、そういう時代の中に置かれているので、彼らにとってのリゾートといいますか、そういう欲求というのは非常に強いと思うんですね。 その際に、心あるいは身体を癒すということで宮城地区にずいぶんと人が入ってきた。それは、緑であり、きれいな水であり、作並のほうの飲むほうの清水もあるだろうし、市民農園のような土に親しむような、そういう土との触れ合いであったり、県営の郷づくりでしたか、それから、カブトムシの森づくりだとか、ああいうところで生き物と対話をしたり、実際に自然と接触する体験をするという、そういう学習の場、あるいは、人生の忘れかけていたものをそこで与えていただいて、もう一度、人間に帰っていくという、そうした新しい領域といいますか、資源も求められているのではないかと思います。大倉の伝統的な太鼓もそうだし、田植え踊りのような、ああいう伝統的な芸能も、おそらくは、真新しいものとして、あるいは、自分の心の中のふるさとを再現するきっかけをつくってくれたりということで、今日的にもう一度再発見される様々な癒しの要素というのが宮城地区にはずいぶんと埋もれているのではないかと思います。サイカチ沼、あるいは蕃山とか、様々なハイキングコースもそういうことで役立っているだろうし、いろいろな意味で今日的な資源というのがたくさんあると思います。 もう一つのクリーンというほうですけれども、これは、クリーンな産業が宮城地区の西部のほうに、それこそインテリジェントコスモスのパークがあったり、R&Dだとか、それから、この3月か今年の5月までには、おそらく、国から科学技術法の新しい事業として、もう一つのパークができると思いますけれども、そういう先端技術の研究の場としての産業の苗床のようなものが宮城地区の西部のほうに育ってきております。それから、クリーンといえば、空気がきれいだったり、それこそ、すべての風景がクリーンであったり、そういう意味で、クリーンというのは、この宮城地区の一つの大きな売り物になるのではないか。 もう一つは、クリーンに関係しますけれども、星降る街、地区といいますか、十里平のきれいな夜空というのを、これは、そこに行かなきゃ見えない、体験できない。あるいは、そのことと同じようにして、空がきれいだということで、今、天文台、プラネタリウムの宮城地区への移転ということが有力なプロジェクトになりつつありますし、そういう意味で、空もきれいだし、緑に包まれたこの環境もきれいだし、さらには、音もきれいだし、とにかく、そういうクリーンなイメージ、これを大事にしていく必要があるのではないかというふうに思います。 最後に、それでは、この宮城地区、そうしたアイデンティティを持ちながら、それをフルに生かしていくために何が必要なのかというと、残念ながら、今、人口が増えつつあり、市内の中でも一番急速に上り調子になっているんですけれども、コアがないということですね。これというヘソができあがっていない。それが一つの課題だし、もう一つは、先ほどもありましたように、交通で、公共交通がもっと使えるような手だてを講じていかなければならないということだと思います。公共交通には、仙山線の複線化と、通勤化といいますか、駅をもう少し増やして駅前広場を造りながら、頻度をもっと激しくしながら、こちらにも来る、あちらにも行くという、その往復の人を増やしていくという、そういう手段を整えるということが大事ではないかというふうに思います。 後段のほうにつきましては、皆さんと一緒に私たちもJRのほうに掛け合ったり、あるいは、皆さんと一緒に知恵を出していくということになると思いますし、ヘソづくりといいますか、核づくりについては、きょうの格好の題材といいますか、皆さんが考えておられるその辺が大変に我々の興味のあるところでありますし、また、私たちもサポートしながら、やはり、まとまりのある宮城地区、そして、そこには、先ほど申したようなアイデンティティをつくりあげるだけのたくさんの資源が古くからあるし、また、これからもそれを発掘する可能性を無限に内蔵しているということが言えるのではないかと思います。 あまり整いませんでしたですけれども、普段から考えております宮城地区に対する私のイメージを申し上げまして、参考になるかどうか、きっかけの一つになればありがたいと思います。終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 |
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