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Introduction of SF-novels

イントロ・ドン!

SFな副題をつけるとしたら、
ファウンデーションへの序曲」(笑)

 SF小説を人に押しつけたい、もとい、紹介したいと思った時、 その魅力をどう伝えようか、といつも悩みます。
 悩みながらも、粗筋を伝えてみたり、書評を示してみたりもする訳です。
 そんな中、これは、と思える勧め方。
 そう、その物語の冒頭を、そのまま聞かせてしまう。
 これは、結構有力なのではないでしょうか。

 そんな訳で、始めてみました。

 私がピンと来る/来た出だし達。


私がこのページを始める動機となった類似ページの御紹介


一応目次







それでは本体・どん






 宇宙の英雄たち! 星野の探検家たち!
 読者よ、問題をひとつ−−

 ひとりの子供がいるとしよう。黄色い髪、だんご鼻にソバカス、人の顔を穴のあくほど見つめる緑のひとみ、金持ちのはねっかえり娘、当年とって十五歳。ホログラムの押しボタンに背がとどくようになってから、ずっとこの子が夢見てきたのは、最初の接触(ファースト・コンタクト)の英雄たち、遠い星ぼしの探検家たち、人類種族(ヒューマニティ)の恒星時代の夜明けに活躍した偉人たちだ。この子はディスカバリー計画の歴代乗員の名前を、すらすら暗唱できる。連邦宇宙のかなり正確な星図をスケッチできるし、連邦基地の番号をそこにふることもできる。五十あまりの既知の異種族それぞれについて、だれがファースト・コンタクトに成功したかを答えることができる。それに、ハン・ルー・ハンが最後に残した言葉もそらでおぼえている−−
→引用元・回答





「さあ、物件97号!」
と競売人は大声でいった。
「男の子ですよ」
 その少年は、おぼつかない足もとからみてどうやら病人らしく、ふらふらしている。なにしろ奴隷船は四十光年のかなたからやってきたのだ。奴隷船特有のあの鼻持ちならぬ悪臭−−身動きならぬほどに押しこまれた垢じみた人間たちが放つひどい体臭、そして恐怖や、口汚ないののしりや、古めかしい嘆きなどを船倉いっぱいにつめこんでやってきたのである。それでも船の中ではその少年も一個の人間であった。何十人かの奴隷の一人として、毎日食事をする権利をあたえられ、それを安全に食べるためには争うことも認められていた。いや、それどころか、かれには友達さえいたのである。
 だが、ここで、今、かれはふたたび何者でもなくなり、ふたたび売りさばかれようとしている。
→引用元・回答





 その都市は、輝く宝石のように砂漠の懐に抱かれていた。
かつては、そこにも変化や移り変わりがあったが、今ではそこは時の流れと無関係だった。夜や昼が砂漠の上を通りすぎていったが、ダイアスパーの通りにはいつも午後の日差しがあり、夜の帳りがおりることはなかったい冬の夜、砂漠では、地球の希薄な大気にわずかに残った湿気が凝結して、埃のように霜をおくこともあった。だが、この都市には暑さも寒さもなかった。そこは外界と何の接触もなく、それ自身が一つの宇宙だったのである。
 人類はそれ以前にも数多の都市を建設したが、この都市のようなものは前例がなかった。都市の中のあるものは数世紀、あるものは数千年も続いたが、いずれは時のうつろいと共に、その名さえ忘れられていった。ここダイアスパーだけが永劫の時に抗して、都市やその中の一切のものが、歳月とともに徐々に磨耗し、朽ち果て、錆におかされることから守ってきた−−
→引用元・回答





 ラモックスは退屈で、おなかをすかせていた。
空腹は今にはじまったことではなく、おなかいっぱい食べたあとでもちょっとしたおやつ程度なら大歓迎なのだが、退屈のほうはそんなにあたりまえではない。原因ははっきりしていた−−
→引用元・回答





 目のくらむような四太陽日の午後。黄金色の偉大なオノスは西空高くにかかり、赤い小さなドヴィムはその下の地平線から足早に天に駆けのぼろうとしていた。
反対の方を見れば、紫がかった東の空には明るく白く輝くふたつの点、トレイとパトル。カルガッシュの再北に位置する大陸のなだらかな丘陵地帯には、不可思議な光があふれていた。ここ、ジョングロア市立精神医学研究所理事長ケラリタン九九の執務室には四方に大きな窓があり、荘厳なまでにうつくしい周囲の光景をあますところなく眺めることができる。−−
→引用元・回答





 火星の薄い空気はひえびえとしているが、凍りつきそうなほど冷たいわけではない。
緯度から見て南の地域では、まだ冬期はきていないし、日中の温度も氷点以上を保っている。
 ドーム型の建物のドアの外に、奇妙な生き物が立っていた。概観はいちおう人間に似ているのだが、人間にしては頭部の形があまりにも妙だ−−
→引用元・回答





 服装は野暮ったく、その場の主であるかのような態度ではいってくる男がいたら、それはきっと宇宙飛行士(スペースマン)だ。
 これは論理的必然だ。その男は職業柄、自分こそはすべての想像物のなかのボスだと感じている。地上に足をつけたとなれば、見物がてら下々のなかをお歩きになるという気分−−
→引用元・回答





 私の一生の願いは、地球に行くこと。もちろん、住むためにではない−−ただ見るだけ。
だれでも知っているとおり、テラは観光地としてはすばらしいけれど、住むにはいいところではありません。人間が暮らすのに最適ではないのです。
 わたし個人としては、人類発祥の地が地球だとは信じていません−−
→引用元・回答





 北半球の上空で、スクープシップの船体が歌いはじめた。操縦室は聴域閾下の音が鳴りひびく共鳴箱だった。アリクス・ マクラウドは体内の骨が共鳴して歌っているのを感じることができた。
 <ピラニア>は高層大気に口づけしていた。
 惑星地球は真珠の白さにおおわれている。裂け目はどこにもない。棉毛のような山脈、そびえたつ断崖、広大な平地が、凸状の地平線へのびひろがっている。雲のおおいは、その上を歩けそうなほど堅く見える。錯覚だ。蒸気からなる地形は青年期の夢と同様に空虚だ。もしも足を乗せたりすれば……とうぜんながら、雲は自由落下状態では浮遊しないが、加速状態でならば、スクープシップを船首から岩と鉄からなる巨大な球体にたたきつけ、夢のように打ち砕くことができる。
 それを、落下する、という。
→引用元・回答





 少年は怯えていた。やさしく、スネークはその熱い額に手をやった。
彼女の背後では、三人の大人が身を寄せあって立ち、疑わしげに見守っていた。面にだすまいとする懸念がわずかにその目もとのしわに表われている。この人たちは、その一粒種の死を恐れると同じほどスネークを恐れていた。薄暗いテントの中で、ランタンの異様に青く輝く光も、なんら気持ちを落ち着かせてくれるものではなかった。
 じっと見つめているその子の目は瞳孔の見わけもつかぬほどに暗く、スネークがその生命を危ぶむほど力がなかった。スネークは髪をなでてやった。髪の毛は長く、そして浅黒い肌とは対照的に、生えぎわから数インチほどはとても色が淡く、乾いて不ぞろいだ。何カ月か前にスネークがこの人たちと会っていたら、この子の病みかけているのがわかっただろうに。
「鞄をとってください」とスネークは言った。
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第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

ロボット工学の三原則
−−ロボット工学ハンドブック、
    第五十六版、西暦二〇五八年
→引用元・回答





 小さな月の半球がそっくり耳になっていた。
巨大な椀型の電波望遠鏡が、 急カーブを描く地平線上にえんえんと連なっている。 真空の黒々とした空にむかって林立するさまは、 まるで未曾有の大波に打ちあげられた海洋生物の、 レースを思わせる骨格を整然と並べたかのようだ。
 惑星の出までにはまだ何時間かある。何ひとつさえぎるもののない夜空には、 星が大きくあでやかにきらめいている。受信状態はまだ良好だ。 巨大な骨格は虚空にむかって切々と思いをなげかけ、彼方からの、 パチパチいうでたらめな雑音を集めつづけている。もう五百年もそうしてきた。
 成果は皆無だった。
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 エリック・ティレルが大の親友から違法スページャンプの話をきかされたのは、 その実行まであと一週間というときだった。 もっと事の重大性を考える時間があったら、 エリックはたぶんこの計画には加わっていなかっただろう。 その旅で何をしでかすつもりなのか半分もきかされていたら、 友だちを当局に売って報奨金をせしめるくらいのことはしていたかもしれない。
しかし現実には、真相に気づいたときは、もう何もかも手遅れだったのだ。
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 ただひたすらに、クァールは獲物を追いつづけた。
月もなく、 星さえまばらな漆黒の夜はいつか去りがてに退き、 無気味に赤い薄明が左手から忍びやかに這い昇ってくる。 それはまったく暖気の訪れの気配も感じさせぬ、おぼろげな光りだった。 悪夢にも似た風景が、ゆっくりと浮かび上った。
→引用元・回答











回答編


銀河市民 ロバート・A・ハインライン
CITIZEN OF THE GALAXY Robert A. Heinlein
一九七二年発行 1957

ISBN4-15-010070-5
(傑作。再読回数二桁。)


都市と星 アーサー・C・クラーク
THE CITY AND THE STARS Arthur C. Clarke
昭和五二年発行 1956

(これ自身は未読。)


ラモックス
−ザ・スタービースト−
ロバート・A・ハインライン
The Star Beast Robert A. Heinlein
1987年初版 1954

ISBN4-488-61808-1
(読了。ジュブナイルだね、少々大人にはなめてる所あり)
 ひょうきんでおもろいが、深みはない。悪い意味でジュブナイルしてると思う。


夜来たる[長編版] アイザック・アシモフ&ロバート・シルヴァーバーグ
NIGHTFALL Isaac Asimov and Robert Silverberg
1998年初版 1980

ISBN4-488-60409-9
(未読)


レッド・プラネット ロバート・A・ハインライン
RED PLANET Robert A. Heinlein
1985年初版 1949

ISBN4-488-61805-7
(読了。昔の事だからなあ、よく覚えてない。異星の客の焼き直しみたいな感じ)


天翔る少女
(「ポディの宇宙旅行」改題)
ロバート・A・ハインライン
PODKAYNE OF MARS Robert A. Heinlein
1971年初版 1958

ISBN4-488-61804-9
(読了。ジュブナイル、ぼのぼの)


天使墜落(上・下) ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル&マイクル・フリン
Fallen Angels Larry Niven, Jerry Pournelle & Michael flynn
1997年初版 1991

ISBN4-488-65408-8
ISBN4-488-65409-6
プロメテウス賞受賞
(未読。)


われはロボット アイザック・アシモフ
I, ROBOT Isaac Asimov
一九八三年発行 1950

ISBN4-15-010535-9

 定番、あまりにも定番。俺的には。
 某人からリクエストあったので、とりあえずこっちにUPしてみました。


タキオン網突破! クリストファー・パイク
THE TACHYON WEB Christpher Pike
1988年初版 1986
創元推理文庫SF ISBN4-488-69401-2

 なかなかに好み。まあ、定型から外れてない、 という避難はあるかもしれませんが。
 表紙の絵がね、なんか覚えあるなあ、でも思いだせんなあ、と思ってたら、 「青の騎士 ベルゼルガ物語」の挿絵の人だったり


宇宙船ビーグル号 A・E・ヴァン・ヴォクト
THE VOYAGE OF THE SPACE BEAGLE A. E. Van Vogt
昭和五十三年発行 1950
ISBN背中になし







 ……余談。:(5分だけのわがまま)

(from 蒼き流星SPTレイズナー)

 本当は、intro-duction 意外にも、middle-duction だとか climax-duction とかしてみたいんですけどねえ。
 どんなもんでしょうか。
 あんまりやりすぎたら、ネタバレになるだろうしなあ。

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