チリの市長選について
1996年10月27日にチリでは全国市長選がありました。全国の市長およびサンチャゴの区長を決める選挙です。
サンチャゴ市長は、大統領により任命されます。サンチャゴは市といっても特別区なので(日本で言う東京都です)。
チリの選挙の特色は以下のような点です。
選挙前日:飲食店でのアルコールの供与厳禁、酒屋・スーパーは選挙前日はアルコールの販売禁止。
選挙当日:当日投票終了時刻(18:00だったと思う)まではあらゆる業種の営業禁止。
営業は「選挙妨害」とみなされます(公共交通機関は動いていたと思う)。
棄権すると約400ドルの罰金です。
投票には、「カルネ」とよばれる身分証明書(詳細は下の方にあります)と、
有権者カードが必要です(住民票が存在しないので、有権者である事を示したカードが発行されます)。
投票所のみならず、投票ブースと、自分の名前の載った台帳番号までが決まったおり、
それらが有権者カードに記載されています。それら全てをそらでいえれば有権者カードは
必ずしも必要ありませんが、そういうことに脳みそのスペースを消費している人はいないようです。
投票率たいてい80%まで行きます。今回も同じくらいでした(行かないと罰金だから当たり前か)。
投票する所は、住民登録をしてある場所(住民票とは、別の観念です)。
これが引越しなどで現住所と必ずしも一致していない。住民登録所の異動は絶対ではありません。
したがってたくさんのの人がもはや自分の住んでいない地区の区長を投票する事になりました。
棄権には、(1)投票登録地より住んでいる所が200km以上離れている事、
(2)病欠(医師の診断書がいるかどうかは不明です)の方法があります。
でも政治に対する関心が高いので、わざと棄権しようといんちきする人は少ないようです。
こぼれ話
以下は、チリ人の同僚から聞いた話で、新聞等で事実関係、詳細の裏付けは行っておりません。
従い、表記上事実と若干の違いがあるかもしれませんが、許してね。大筋では間違ってませんから。
*** 副大統領、職権乱用? −強行投票で−
(予習のコーナー:身分証明書、通称「カルネ」というものが全国民に発行される。 これは日本で言うところの住民票や戸籍にも似た重要性があり、 これが無いと銀行口座すら開く事ができない。チリにおけるあらゆる活動に不可欠なカード。 外国人居住者でも取得可能(外国人、とはっきりただし書きがある)。 カルネの写真はデジカメ買ったら(いつになるかわからんけど)アップします。以上予習おしまい)
投票所に出向いた副大統領は、こともあろうにカルネを持ってくるのを忘れてしまった。 それがが無い事を理由に、選管からいったんは投票を拒否された。しかしながら彼は声を荒げ 「ワシを誰だと思ってるんだ、副大統領じゃぞ。とにかく運転免許証はあるんだからこれをカルネの代わりとし、投 票をさせるんだ。」と強引に押し切り、投票を済ませてしまった。副大統領は、 カルネは自宅に置き忘れてしまった、と話している。チリでは、カルネ以外のいかなる身分証明書も投票人の身分証明として無効である、 (有権者カードには写真が貼られていないから)と法律に記載されている。
*** 美談(死語)、「ファーストレディー」もいち投票人 −1時間半の待ちぼうけにもじっと耐え−
大統領夫人の真摯な態度が、ちまたの話題となった。朝早く投票に出向いた大統領夫人、
しかしながら投票ブースの工事ががまだ完了していなかった(おいおい、そんなもの前日に作っておけよな)。
従い、長い順番待ちの列に1時間半も並ぶはめとなった。投票後、
「あなたはファーストレディーなんだから、ちょっとお願いして、
一番前に並ぶ事もできたのではないか」との報道のインタービューに対し、
「私は今はいち投票人であり、そのような振る舞いをする権利はない。」と語った。
評判を落とした人、上げた人・・・。
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