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情報活用の実践力とは

課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、
必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、
受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力

収集力 目的に応じて、必要な情報をもれなく適切な手段で主体的に収集する能力
判断力 数多くある情報の中から、必要なものを選択し、内容を判断し、適切な情報を引き出す能力
表現力 情報表現の特性を理解し、伝えたい情報を適切な形式で表現する能力
処理力 収集した情報に適切な処理を加えて、必要な情報を読み取り易く加工する能力
創造力 自分の考えや意見を持ち、情報を創造する能力
発信・伝達力 受けての立場や、情報を処理する能力・環境を意識して、情報を発信・伝達する能力

 

(「情報活用の実践力」の育成と学習活動の範囲)
  「情報活用の実践力」は,体験的,実践的側面を重視した目標であることから,
小学校段階から
   各教科等の学習内容や教科等の枠を越えた総合的な学習課題を題材として扱うことが望まれる。
その際には,徐々に教員主導から子供主体へという展開が重要であり,
  教員が情報を与えたり,使用する情報手段を指定する段階から,
  複数の選択肢から選ばせる段階を経て,
中学校段階以降では,
   子供たち自らが情報や情報手段の活用を主体的に計画・実践し,
   自己評価・改善できるような段階にまで高めていくことが必要である。


  また,学習活動の範囲は,
  小学校中学年程度までは,
     お絵描きソフトや日本語ワープロソフトなどのアプリケーションソフトを使った活動を中心とし,
  小学校高学年以降は,
     子供たちの発達段階に応じ,データベースやネットワークを活用して調べたり,
     表計算ソフトを活用してデータを分析,処理しながら考えたり,
     その結果をコンピュータ上に発表用資料としてまとめ,討論したり,データベース化するなど,
  学校段階が上がるにつれて個々の活動のレベルを深化させることが考えられる。
  なお,学校・学年段階が上がれば,
    全員が同じ情報や情報手段を活用するのではなく,
    異なる方法で解決を行い,その結果を相互に比較することがより重要になる。
 

(既存の教科での「情報活用の実践力」の育成)
  前項において述べたように,情報教育の目標のうち「情報活用の実践力」については,
各教科等のそれぞれの特性に応じて積極的に取り組む必要がある。
ここでは,各教科等での指導例を示した。
 

・国語科 国語の表現活動及び理解活動を,言語情報の収集及び活用の観点から捉え,言語情報に関する「情報活用の実践力」の基礎・基本となる能力の育成を図る。その際,例えば,学校図書館等を活用して学習課題の追究を行うことや,コンピュータや日本語ワープロ等を活用して,効果的に発想,表現,推敲したり,共同で文書を作成したりすることなどが考えられる。
・社会科,地理・歴史科,公民科 資料を活用して社会的事象を考察し,公正に判断する能力と態度を育成するために,情報手段を的確に活用して,必要な情報を収集,処理し,その結果を適切に表現する学習活動が考えられる。
・算数・数学科 数量や図形の学習などで,結果を予測したり,それを実験して確かめたり,予想したことを修正したりする活動の中で,「情報活用の実践力」を育成することが考えられる。この際,電卓やコンピュータを思考を深めるための道具として適切に活用し,数学的に表現・処理したり,物事を判断したりする能力を育成することが考えられる。
・理科 自然現象を対象としたモデル化の方法,観察,実験データの処理,表現,解釈の方法を実践的に扱う学習活動の中で,コンピュータを観察・実験の道具として活用したり,動植物等のデータベースを作成,検索したり,天体の動きをモデルで表現し,シミュレ  ーションしたり,科学技術情報を情報通信ネットワークで収集する,あるいは,宇宙空  間や人体の中に入るなどバーチャル・リアリティで仮想体験する学習活動,などが考えられる。
・音楽科,図画工作科,美術科,書道科 様々な芸術的活動の手段等について,鑑賞や表現の補助的手段としてコンピュータ,マルチメディア技術を活用する能力を育成する学習活動が考えられる。
・家庭科 消費者として,情報の的確な判断能力を育成するための学習活動や,生活設計,家庭経済,調理の計画,被服の構成やデザイン,快適な住居空間の設計等で,コンピュータ等を活用する学習活動などが考えられる。
・体育・保健体育科 自分の身体や体力・運動能力に関するデータを分析し,健康管理に生かすことの指導を一層充実させたり,また,スポーツ科学,競技における運動の原理やコツ,戦術の工夫という観点で,情報機器を活用することが考えられる。
・外国語科 言語情報に関わる教科という観点から,国語と同様の扱いが考えられるほか,外国語を通して得られる情報は,異なる文化を持つ人によって発信されているという観点から正しく理解する能力の育成が重要である。そのための一つの方法として,情報通信ネットワークを活用して実践的なコミュニケーション能力を育成したり,国際理解を深めたりすることが考えられる。
・特別活動  学級活動(ホームルーム)において,情報手段を活用した情報収集等をしたり,また,学校行事や生徒会活動において,情報手段を活用する活動や情報社会について体験する活動が考えられる。