ア 問題解決における手順とコンピュータの活用
8(5.0) |
問題解決においては,解決の手順と用いる手段の違いが結果に影響を与えること及びコンピュータの適切な活用が有効であることを理解させる。 |
問題解決の手順を明確に記述させる指導を取り入れる |
経験的に習得してきた解決方法を見直し、より効果的に解決する方法を学ぶことの必要性を認識できるような実習を行う。
課題 生徒にとって身近なもの
様々な解決方法が考えられるもの
解決方法によって結果に差がでやすいもの |
予算と時間の制約条件内で、ある場所から一番遠い所へ行く計画を立てる。
ある施設の開業依頼の入場数を予想し確認する。 |
様々な解決方法を考え実行することにより、解決の手順と方法の違いが結果に影響を与えることを具体的に認識させる。 |
・問題解決の手順を明確に記述させる指導
・コンピュータを異なる使い方で利用し(利用しない場合もある。)
・個々の生徒やグループがどのような解決方法をとり、それによって結果がどのように違ったか比較できる。 |
イ コンピュータによる情報処理の特徴
4(1.5) |
コンピュータを適切に活用する上で知っておくべきコンピュータによる情報処理の長所と短所を理解させる。 |
人間とコンピュータの情報処理を対比させて,コンピュータの処理の高速性を示す例や,人間にとっては簡単な情報処理がコンピュータでは必ずしも簡単ではない例などを体験できる実習を扱う |
身のまわりにある情報の種類や、それに対する様々な処理を取り上げ、コンピュータを用いることの長所と短所について具体的に提示し、体験を通して理解させる。
単に知識として教えるのではなく、人間とコンピュータの情報処理を対比させる体験的な実習を指導にとりいれることが望ましい。 |
・人間の処理に比べてコンピュータの処理が校則である例
・コンピュータで計算する時の計算精度
・手書きの印刷の文字情報をコンピュータに入力する場合、人がキーボードで入力する場合と文字認識ソフトウェアや音声認識ソフトウェアを用いる場合とでは、入力の効率や正確さがどのように違うかを実際作業して比較する。 |
・ソフトウェアが果たす役割、コンピュータを使いこなすための人間の能力の必要性に気付かせる。
・コンピュータの情報処理の特徴を固定的に捉えるのではなく、コンピュータの可能性と課題とは、ソフトウェアを開発したり利用したりする人間が解決していく問題であることを認識させる。 |
・コンピュータを用いるかどうかの判断は条件による。
・誤差.誤認識、誤判断が含まれていると、経済的損失や社会問題になったり、医療現場などでは生命にかかわる恐れもある。
・正確さを追究すれば、金銭的・時間的コストが大きくなる。
・処理の速さや正確さ、費用、安全性などの間に、ある観点を重視すれば他の観点を満足することが困難になる関係(トレードオフ)があることを認識させる。 |
ウ 情報の表し方と処理手順の工夫の必要性
6(3.0) |
コンピュータを活用して情報の処理を行うためには,情報の表し方と処理手順の工夫が必要であることを理解させる。 |
生徒自身に工夫させることができる簡単な課題を用いて,実習を中心に扱い,結果を生徒同士で相互評価させるような学習を取り入れるようにする。 |
・情報のほ表し方と処理手順を生徒自身に工夫させ、コンピュータを用いて解決する課題に取り組ませる。
・情報の表現や処理手順の工夫は、問題の特性、特に目的や夏期が満たすべき条件などによってことなる。
・明確な目的や条件を決めた上で、生徒自身が表現や処理手順を工夫できる簡単な課題を扱う。
・コンピュータの長所を生かし短所を補うという観点と関連付けて情報の表現や処理の工夫を考えさせる。 |
・3泊4日の合宿の主発日を決める。予算・予定
表計算ソフトの利用
・○、×で表されたデータを処理しやすいように
0、1で表現する。
・計算、入力ミスを発見するために、個人毎、日毎の集計結果を利用したり、0、1以外のデータがないかをチェックするセルを設けたりする。
・別の課題でも再利用できるように、データの入力シートと計算処理用のシートを使い分けたり、集計結果を求める行の位置を工夫したり、日付も一カ所を変更すれば自動的に変更されるようにする。 |
・情報の表現や処理手順の工夫が目的の達成に効果的であったかどうかを生徒同士で相互評価させるような学習を取り入れるようにし、効果の違いが生じる理由を考えようとする態度を育成する。 |
・発展的な指導を行う場合には、自分の工夫が結果に及ぼす効果を確認する視点や方法を理解させ実際に自己評価させることも考えられる。 |
ウ 情報技術の進展が社会に及ぼす影響
8(3.5) |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響を認識させ,情報技術を社会の発展に役立てようとする心構えについて考えさせる。 |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響について,情報通信ネットワークなどを活用して調べたり,討議したりする学習を取り入れる。 |
・情報技術の進展が社会にどのような影響を及ぼしてきたかを理解させる。
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・情報技術の進展によって生活の利便性の向上や産業の効率化.生産性の向上などがもたらされた一方、実体験が乏しくなったり、対人関係が変化したり、コンピュータ犯罪が生じるなどの問題があることにつて認識させる。
・このような「影」の面を克服していくことも情報技術の重要な課題であることを認識させる。 |
・情報技術と社会の関係の望ましい在り方について生徒に考えさせ、情報社会についてのコンセンサスを形成していくことの重要性を認識させる。
・情報通信ネットワークや新聞などを活用して調べたり、討議する学習を取り入れて、情報技術と社会との望ましい在り方に多様な考え方があることを認識させる必要がある。 |
・結果の発表に当たっては、生徒に情報の信頼性や信憑性、著作権の尊重などを意識させ情報モラルの育成に配慮する。 |
・情報社会についてのコンセンサスを図るには、情報および情報技術に
ついての正しい理解を持つ必要があり、そのために、必要な情報の提供を求めると同時に、それらを活用して学び続けることが大切であることを認識させる。
・情報技術の開発・提供者には、その仕組みを一般の人に分かりやすく性格に説明することが求められることも理解する。 |
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・社会における情報技術の活用においては、情報システム設計におけるトレードオフの存在を前提として、生徒に情報技術と社会の望ましい在り方について調べたり討議したりする学習により考えさせ、意志決定に参加する必要性や責任を認識させる。 |
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