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普通教科「情報」の目標

 情報及び情報技術を活用するための知識と技能の習得を通して,
 情報に関する科学的な見方や考え方を養うとともに,
 社会の中で情報及び情報技術が果たしている役割や影響を理解させ,
 情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。
情報活用の実践力、情報の科学的な理解
情報の科学的な理解
情報社会に参画する態度
三つの観点が相互に関連しながら

 

「情報B」の目標

コンピュータにおける情報の表し方や処理の仕組み,情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させ,問題解決においてコンピュータを効果的に活用するための科学的な考え方や方法を習得させる。 情報の科学的な理解
情報活用の実践力
情報社会に参画する態度
・問題解決とのかかわりでコンピュータを効果的に活用するための方法を習得させる。
・技術の進展に左右されない基本的な考え方や方法を科学的に理解させ習得させることを重視。
・コンピュータにおける情報の表し方を知識としてではなく有効に活用するための判断の根拠としていかせるよう指導する。
・学習内容の有機的な関連を図って展開するように配慮する

2 内   容

(1) 問題解決とコンピュータの活用 12
          (2)以降の内容の基礎となる体験ができるような実習を扱う
生徒のコンピュータ等の利用経験や情報技術の関する基礎知識の程度が異なることに十分配慮する。
ア 問題解決における手順とコンピュータの活用  8(5.0)
問題解決においては,解決の手順と用いる手段の違いが結果に影響を与えること及びコンピュータの適切な活用が有効であることを理解させる。 問題解決の手順を明確に記述させる指導を取り入れる
経験的に習得してきた解決方法を見直し、より効果的に解決する方法を学ぶことの必要性を認識できるような実習を行う
課題 生徒にとって身近なもの
    様々な解決方法が考えられるもの
    解決方法によって結果に差がでやすいもの

予算と時間の制約条件内で、ある場所から一番遠い所へ行く計画を立てる。
ある施設の開業依頼の入場数を予想し確認する。

様々な解決方法を考え実行することにより、解決の手順と方法の違いが結果に影響を与えることを具体的に認識させる。 ・問題解決の手順を明確に記述させる指導
・コンピュータを異なる使い方で利用し(利用しない場合もある。)
・個々の生徒やグループがどのような解決方法をとり、それによって結果がどのように違ったか比較できる。
イ コンピュータによる情報処理の特徴  4(1.5)
コンピュータを適切に活用する上で知っておくべきコンピュータによる情報処理の長所と短所を理解させる。 人間とコンピュータの情報処理を対比させて,コンピュータの処理の高速性を示す例や,人間にとっては簡単な情報処理がコンピュータでは必ずしも簡単ではない例などを体験できる実習を扱う
身のまわりにある情報の種類や、それに対する様々な処理を取り上げ、コンピュータを用いることの長所と短所について具体的に提示し、体験を通して理解させる。
単に知識として教えるのではなく、人間とコンピュータの情報処理を対比させる体験的な実習を指導にとりいれることが望ましい
・人間の処理に比べてコンピュータの処理が校則である例
・コンピュータで計算する時の計算精度
・手書きの印刷の文字情報をコンピュータに入力する場合、人がキーボードで入力する場合と文字認識ソフトウェアや音声認識ソフトウェアを用いる場合とでは、入力の効率や正確さがどのように違うかを実際作業して比較する。
・ソフトウェアが果たす役割、コンピュータを使いこなすための人間の能力の必要性に気付かせる。
・コンピュータの情報処理の特徴を固定的に捉えるのではなく、コンピュータの可能性と課題とは、ソフトウェアを開発したり利用したりする人間が解決していく問題であることを認識させる。
・コンピュータを用いるかどうかの判断は条件による。
・誤差.誤認識、誤判断が含まれていると、経済的損失や社会問題になったり、医療現場などでは生命にかかわる恐れもある。
・正確さを追究すれば、金銭的・時間的コストが大きくなる。
・処理の速さや正確さ、費用、安全性などの間に、ある観点を重視すれば他の観点を満足することが困難になる関係(トレードオフ)があることを認識させる。


 

(2) コンピュータの仕組みと働き  18
        コンピュータや模型などを使った学習を取り入れる 
・内容(1)で整理したコンピュータの長所と短所に関連付けてコンピュータの効果的な活用の判断材料になることをねらいとしている。(情報の科学的な理解)
ア コンピュータにおける情報の表し方 6(1.0)
文字,数値,画像,音などの情報をコンピュータ上で表す方法についての基本的な考え方及び情報のディジタル化の特性を理解させる。 図を用いた説明などによって基本的な考え方を理解させることを重視する
・文字、数値、画像、音のコンピュータ上の表現について、その基本的な考え方を理解させる。
・情報の表現方法が一通りではなく、目的や条件に応じて使い分けられていることを理解させる。
・トレードオフの問題に結びつくことを理解させる。
・数値表現では、整数と小数の表現の違い。精度の高い計算をするための表現など
・精度と計算時間のトレードオフ

・画像や音の表現・・様々な規格があるがその技術的な事項を扱うことがねらいではなく、基本的な考え方を理解させる。
  画像・・・色の三原色とその濃度
       直線や多角形

情報のディジタル化の長所と短所についても理解させる。 抽象的・一般的な説明よりも、具体例や図を用いて分かりやすく説明する。
イ コンピュータにおける情報の処理  6(1.5)
コンピュータの仕組み,コンピュータ内部での基本的な処理の仕組み及び簡単なアルゴリズムを理解させる。 図を用いた説明などによって基本的な考え方を理解させることを重視する。
コンピュータ内部での基本的な処理の仕組みについては,一つ一つの命令がステップで動いていることを扱う程度とする。アルゴリズムの具体例については,並べ替えや探索などのうち,基本的なものにとどめる。
・コンピュータ上での情報の処理を理解するために、入力、出力、記憶、演算、制御機能を提示する。
・各機能の名前や関連を示す構造図、実際の装置等の名前を羅列的に扱うのではなく、これらの機能が無いと人間が使う道具としてなぜ成り立たないかという観点から、機能の役割を理解させる。
・電卓や応用ソフトウェア、インタプリタ言語の簡単な操作・実行過程と対比させながら、各機能の必要性やコンピュータ内部で一つ一つの命令がステップで動いていることを説明すること
・寸劇のような形で生徒に各機能に相当する役割分担させてコンピュータの動作をシュミレーションする。
・コンピュータの動作を説明する模型やシミュレーションソフトウェア使った説明をする菜度を工夫する。
・コンピュータで情報の処理手順を記述するための考え方を理解させる。
・処理手順を明確に記述することの必要性やそのための記述方法を定義しておくことの必要性を認識させる。
・離れた場所にいる人に言葉だけで操作の手順をせいかくに伝える。
・簡単なあるこりズムを使った実習
  並べ替え.検索などの基本的な実習にとどめる
ウ 情報の表し方と処理手順の工夫の必要性 6(3.0)
 コンピュータを活用して情報の処理を行うためには,情報の表し方と処理手順の工夫が必要であることを理解させる。 生徒自身に工夫させることができる簡単な課題を用いて,実習を中心に扱い,結果を生徒同士で相互評価させるような学習を取り入れるようにする。
・情報のほ表し方と処理手順を生徒自身に工夫させ、コンピュータを用いて解決する課題に取り組ませる
・情報の表現や処理手順の工夫は、問題の特性、特に目的や夏期が満たすべき条件などによってことなる。
・明確な目的や条件を決めた上で、生徒自身が表現や処理手順を工夫できる簡単な課題を扱う。
・コンピュータの長所を生かし短所を補うという観点と関連付けて情報の表現や処理の工夫を考えさせる。
・3泊4日の合宿の主発日を決める。予算・予定
 表計算ソフトの利用
・○、×で表されたデータを処理しやすいように
 0、1で表現する。
・計算、入力ミスを発見するために、個人毎、日毎の集計結果を利用したり、0、1以外のデータがないかをチェックするセルを設けたりする。
・別の課題でも再利用できるように、データの入力シートと計算処理用のシートを使い分けたり、集計結果を求める行の位置を工夫したり、日付も一カ所を変更すれば自動的に変更されるようにする。
・情報の表現や処理手順の工夫が目的の達成に効果的であったかどうかを生徒同士で相互評価させるような学習を取り入れるようにし、効果の違いが生じる理由を考えようとする態度を育成する。 ・発展的な指導を行う場合には、自分の工夫が結果に及ぼす効果を確認する視点や方法を理解させ実際に自己評価させることも考えられる。

 

(3) 問題のモデル化とコンピュータを活用した解決  22
ソフトウェアやプログラミング言語を用い,実習を中心に扱う。
その際,ソフトウェアの利用技術やプログラミング言語の習得が目的とならないようにする。
基本的な考え方は必ず扱うが,実習については,生徒の実態等に応じ,ア、イいずれかを選択して扱うことができる。
・問題をモデル化するとコンピュータ上で取り扱えるようにする。
  モデル化・・・問題を構成している要因とその関係を明確にし、さらに、解決のためには
          どの要因を操作してどの要因が基準を満たすようにすればよいかを明らか
         にすることである。
・問題解決の方法としては、情報処理の実務として行われているシステム分析の考え方や手順を機械的に適用することは避け、生徒の実態に応じて運用を工夫し、生徒が実習しやすいように配慮する。
ア モデル化とシミュレーション  14(7.0)
身のまわりの現象や社会現象などを通して,モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解させ,実際の問題解決に活用できるようにする。 内容の(2)のイ,ウ及び(4)のアと関連付けた題材や,時間経過や偶然性に伴って変化する現象などのうち,簡単にモデル化できる題材を扱い,数理的,技術的な内容に深入りしないようにする。
・必ずしもコンピュータ利用を前提としていない。
・どのような場面でコンピュータを利用すればよいか、活用上の留意点の理解などについて学ぶ。
・既に確立されている定型的なモデルを知識として李化させることだけに終わらないように留意する。
・モデル化の仕方が異なるとシミュレーション結果が異なることを認識させる。同じ課題に異なるモデル化を行い生徒の分担によるシュミレーションを行わせその結果を比較させるなどの活動。
・モデル化の過程やシミュレーションの結果の適切さを判断する場合、実験や調査によるデータ収集を行いそれを活用して検証することの有効性に触れる。
・並べ替え、検索
・制御や通信システムの動作のモデル化、シミュレーション
・制御誤差やノイズの影響についてシミュレーションする。
 

 

・モデル化の方法を学ぶことが目的
・簡単にモデル化できる内容を取り上げることが望ましい。
・さいころ、じゃんけんを用いた簡単なゲームにモデル化できる程度の題材や、交通量、人口動態などの必要なデータが簡単に収集できる程度の題材をあつかう。
イ 情報の蓄積・管理とデータベースの活用  8(3.5)
情報を蓄積・管理するためのデータベースの概念を理解させ,簡単なデータベースを設計し,活用できるようにする。  
・データベースの概念を具体的に理解させる。
・データベースの利用場面や想定している利用者、扱われている情報の特性などが多様であることを認識させることが大切。
 
・表計算ソフトのデータベース的機能
・電子辞書
・情報通信ネットワークで提供されている検索システム
・オンラインデータベース
・データベースを設計するとき
 ・データ入力や処理の効率、データの整合性や一貫性の維持、記憶領域の利用効率など、様々な設計上の観点があることを理解させる。
 ・これらの観点の重要性を具体的例を通して認識させる。
最適なデータベースの設計ができることを求めるものでは無い。
・問い合わせる側と答える側の共通理解がないと適切な検索ができない。
・ヒットしない=情報が無いではない。
・ユーザーインターフェースの設計
・インデックスの作成
・住所録、図書目録、Webページの検索

(4) 情報社会を支える情報技術    18
内容(1)〜(3)の学習を踏まえそれらを身近な生活と関連付け、情報技術と社会とのかかわりについて生徒が考えながら理解を深めることをねらいとしている。
・生徒が主体的に課題を設定し、情報技術と社会のかかわりについて情報収集して自分の考えをまとめ、他の生徒との討議により認識を広めていけるような指導を行う。
ア 情報通信と計測・制御の技術  6(2.0)
情報通信と計測・制御の仕組み及び社会におけるそれらの技術の活用について理解させる。  動作を確認できるような学習を取り入れる 
・身近な家庭電化製品の多くや、エネルギー、通信、交通、住宅、などの日常生活を支える様々なインフラストラクチャーの維持・管理に、情報通信技術や計算・制御技術が不可欠であることを認識させる。
・それらの技術の基礎を(2)アイ(3)アと関連付けて理解させる。
・長所だけでなく問題点についても取り上げる必要がある。
 ・情報通信と計算・制御におけるノイズの影響や物理的な故障の問題など
 
・動作を確認できるような実演や、実演ができないときはビデオ映像を見せるなどして、具体的に理解させる。  
イ 情報技術における人間への配慮  4(1.0)
情報技術を導入する際には,安全性や使いやすさを高めるための配慮が必要であることを理解させる。  
・安全性については、内容アの学習を受けて、危険に至る誤動作を回避する技術や、故障、不正進入などのセキュリティ対策などの技術的な対策とともに、教育訓練や運用規則などの人間側にとって必要な対策についても扱う。
 
 
・使いやすさの向上については、コンピュータ以外にビデオや携帯電話等を題材にすることを含めて、ユーザーインターフェースの工夫などについて具体的に扱う。
・その際、使いやすさにも分かり易さや作業効率、自由度など様々な観点があり、使う目的や使う人の特性によって、使い易さの基準が異なり、多様な希望を同時に満たすことが必ずしも用意でないことを認識させる必要がある。
・ソフトウェアがしばしば身近な具体物に対する比喩や連想を利用していることに触れるときには、例えば、ファイルなどを表すアイコンや、ドラッグなどの操作はマニュアルを読まなくても意味を直感的に理解できたり操作方法が類推できたりするが、期待に反して既存のファイルに上書きしたり移動したいファイルを複写したりしてしまうなどの混乱を招くことなどを扱うことが考えられる。
ウ 情報技術の進展が社会に及ぼす影響 8(3.5)
情報技術の進展が社会に及ぼす影響を認識させ,情報技術を社会の発展に役立てようとする心構えについて考えさせる。  情報技術の進展が社会に及ぼす影響について,情報通信ネットワークなどを活用して調べたり,討議したりする学習を取り入れる。
・情報技術の進展が社会にどのような影響を及ぼしてきたかを理解させる。
 
・情報技術の進展によって生活の利便性の向上や産業の効率化.生産性の向上などがもたらされた一方、実体験が乏しくなったり、対人関係が変化したり、コンピュータ犯罪が生じるなどの問題があることにつて認識させる。
・このような「影」の面を克服していくことも情報技術の重要な課題であることを認識させる。
・情報技術と社会の関係の望ましい在り方について生徒に考えさせ、情報社会についてのコンセンサスを形成していくことの重要性を認識させる。
・情報通信ネットワークや新聞などを活用して調べたり、討議する学習を取り入れて、情報技術と社会との望ましい在り方に多様な考え方があることを認識させる必要がある。
・結果の発表に当たっては、生徒に情報の信頼性や信憑性、著作権の尊重などを意識させ情報モラルの育成に配慮する。
・情報社会についてのコンセンサスを図るには、情報および情報技術に ついての正しい理解を持つ必要があり、そのために、必要な情報の提供を求めると同時に、それらを活用して学び続けることが大切であることを認識させる。
・情報技術の開発・提供者には、その仕組みを一般の人に分かりやすく性格に説明することが求められることも理解する。
 
・社会における情報技術の活用においては、情報システム設計におけるトレードオフの存在を前提として、生徒に情報技術と社会の望ましい在り方について調べたり討議したりする学習により考えさせ、意志決定に参加する必要性や責任を認識させる。  



 

第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い
1 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 中学校での学習の程度を踏まえるとともに,情報科での学習が他の各教科・科目等の学習に役立  つよう,他の各教科・科目等との連携を図ること。
(2) 各科目の目標及び内容等に即してコンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に取り入れること。原則として,「情報A」では総授業時数の2分の1以上を,「情報B」及び「情報C」では総授業時数の3分の1以上を,実習に配当すること。
(3) 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,生徒の健康と望ましい習慣を身に付ける観点から,照明やコンピュータの使用時間などに留意すること。

2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
(1) 各科目の指導においては,内容の全体を通して情報モラルの育成を図ること。
(2) 授業で扱う具体例などについては,情報技術の進展に対応して適宜見直す必要があるが,技術的な内容に深入りしないよう留意すること。