ア 情報のディジタル化の仕組み
6(1.5) |
コンピュータなどにおける,文字,数値,画像,音などの情報のディジタル化の仕組みを理解させる。 |
文字コード,2進数表現,標本化などについて,図を用いた説明などによって基本的な考え方を扱い,数理的,技術的な内容に深入りしない |
・文字、音、静止画、動画などの情報がいずれも情報機器の中では01のbit烈で表現されていることを理解させる。
・元の形態にかかわらず同じように取り扱うことができ、コンピュータで蓄積したり編集したり、さらには転送したりできることを理解させる。 |
・2進数表現、標本化などについて、図を用いた説明などによって基本的な考え方を扱うことになるが、できるだけ分かりやすく扱うように配慮する。
・例 はじめはなじみの深い10進数の整数で説明して、あとでまとめて、これらの整数がコンピュータの中では01だけの2進数で表現されていることを説明する。
・情報の単位としてのビット、バイトなどはここであつかう。 |
・次の事を実例をもって理解させる。
・情報の形態が違ってもディジタル化によってコンピュータの中では同じように取り扱うことができること。
(イ)の情報の統合化につながる。
・文字、静止画、動画のバイト数が、文字から静止画、動画となるにつれて桁違いに大きな量となること。(3)の情報通信ネットワークの負荷、処理時間圧縮技術の必要性などの技術的な内容の基礎につながる。
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・音のディジタル化では、電話など実際に利用されている標本化を例にして説明、CDなどの標本化とではサンプリング周波数や量子化の段階数が異なることを説明して、利用の目的によってディジタル化された音のバイト数に差がでることを示す。その際、同じ音を異なるレベルの標本化で録音し、再生した音の質を聞き比べることなども考えられる。 |
・画像については、16色や256色程度の色と数値の変換表(色見本表)を用いて実際に数値化するなどして、画像のディジタル化の原理を具体的に図解して説明することが考えられる。
・ディジタルカメラやイメージスキャナーで実際に使われている色数に触れ、画像情報を取り込むとどれぐらいのバイト数が必要になるかを説明することや同じ画像を違う精度で取り込んで画面に表示させたり印刷させたりして実際にその差を見比べることなど、理論と実際を対比させながら説明することも考えられる。 |
・画像を少しずつ異なるようにして頻繁に書き換えることにより、動いてみえる動画の原理
・右の目と左の目にわずかに異なる画像を見せると立体にみえる立体視の原理などを体験させ、動画や立体視のディジタル化を理解させることも考えられる。 |
ウ 情報機器を活用した表現方法
12(6.5) |
情報機器を活用して多様な形態の情報を統合することにより,伝えたい内容を分かりやすく表現する方法を習得させる。 |
実習を中心に扱い,生徒同士で相互評価させる学習を取り入れる |
・実習を中心として展開するものとし、イで取り上げた情報機器とコンピュータを活用して多様な形態の情報を統合することにより、伝えたい内容を分かりやすく表現する方法を習得させる。 |
・身近な情報を題材として取り上げ、コンピュータを用いて、文字・音声・画像などの多様な形態の情報を一元的に管理する実習を行い、マルチメディアの特徴や利用の方法を習得させる。 |
・いろいろな情報機器による表現方法の特徴について理解させる。
・ソフトウェアを活用して自分の意図を効果的に表現する技能を身につけさせる。
・表現された情報を評価する観点を理解し、表現を適性に評価する判断力を身につけさせる。
・自己評価や他者評価をもとに製作物を改善しようとする態度を身につけさせる。
・製作物の素材としては、ディジタルカメラやイメージスキャナから取り込む他、Webページ、CD−ROM、DVD−ROMなどからでも簡単に取り込めることができる。その際、素材に対する著作権などに配慮することの大切さを理解させる必要がある。
・具体的な実践では、すぐにコンピュータで作業を進めさせるのではなく、テーマの設定や計画、発表や相互評価などにも十分な時間を配分する。 |
・課題提示と制作例の紹介
・個人またはグループ毎のテーマ設定
・制作計画
・制作過程での自己評価・相互評価とそれに伴う改善
・制作物の発表と自己評価・相互評価
などの活動に時間を適切にとり
それぞれの段階で、
・制作者の意図が十分に伝わるか。
・表現内容が分かりやすいか。
・表現手段と方法が適切であるか。
などを自己評価や相互評価によって意識化させる。
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・制作物の発表形態は
・情報通信ネットワークを使わないプレゼンテーション
・校内ネットワークや教室内ネットワークを利用して発信 させ相互に評価しあう形態でもよい。 |
・インターネットなどの情報通信ネットワークを利用して制作物を発表する場合は、学校外にも開かれることになるので、個人情報の取扱や著作権などについて注意をはらい、適切な活動ができるように指導する。
内容(3)のアと関連させることに配慮する。 |
ア 情報の公開・保護と個人の責任 8(2.5) |
多くの情報が公開され流通している実態と情報の保護の必要性及び情報の収集・発信に伴って発生する問題と個人の責任について理解させる。 |
情報の保護の必要性については,プライバシーや著作権などの観点から扱い,情報の収集・発信に伴って発生する問題については,誤った情報や偏った情報が人間の判断に及ぼす影響,不適切な情報への対処法などの観点から扱う |
・情報社会の中で、多くの情報が公開されており、それらを、それらを有効に活用することが求められていることを理解させる。
・プライバシーや著作権などをめぐり様々な問題が生じて来たことを知り、情報の保護に関しての生徒の意識を高め、情報を収集・発信する場合に気を付けなければならない問題点や情報に関する個人の責任について理解さぜる。
・情報の公開については、国、地方自治体、企業などが公開している実態や利用するときの注意点などを理解させる。 |
・公開されている情報を入手する活動を通して、情報の入手方法や取扱いの注意、情報の有効性などについて、生徒に理解させる。 |
・情報の保護については、プライバシーや著作権などの保護を理解させる。 |
・ダイレクトメールが要求もしないのに送られてくる理由
・アンケートなどに個人情報を何気なく記述することの危険性など日常的な題材を話題にして、プライバシーの保護の問題を検討することなど。
・情報通信ネットワークを利用する個人を識別するためのユーザIDと利用者の個人情報を保護するためのパスワードの役割や、パスワードが不正に使用されている問題とその対策を理解させ、情報の保護の重要性と個人の責任を認識させる。 |
・情報通信ネットワークの発達した社会の中では、だれもが発信者となれるが、その際には必ず著作権などに注意を払うべきであることを理解させる。(しかし、生徒にとって、自分が著作権などの他人の権利を簡単に侵害してしまう恐れがあるということは気付きにくい) |
・Webページに公開されている情報を例に、著作権などに基づいた情報の扱い方について学習させ、著作権の知識や情報の適正な利用の方法を身に付けさせる。
・ビデオテープの違法ダビング、ソフトウェアの違法コピーなどの著作権の侵害を取り上げ、生徒の著作権などに対する意識を高める。 |
・情報収集・発信については情報社会では自分にとって適切な情報以外にも多様な情報が流通していることを理解させ、誤った情報や偏った情報が人間の判断に及ぼす影響、不適切な情報への対処法などを扱うことが大切である。 |
・社会で話題になったような意図的に捏造された情報、インターネットや携帯電話によるいたずらや犯罪などを、インターネットや新聞などから調べ、具体的に対処法などを考えさせる。 |
イ 情報通信ネットワークを活用した情報の収集・発信
14(7.0) |
身のまわりの現象や社会現象などについて,情報通信ネットワークを活用して調査し,情報を適切に収集・分析・発信する方法を習得させる。 |
適切な題材を選び,情報の収集から分析・発信までを含めた一連の実習を中心に扱うようにする。情報の分析については,表計算ソフトウェアなどの簡単な統計分析機能やグラフ作成機能などを扱う |
・個人またはグループで、社会調査や実態調査研究などを行い、その結果を発表するという課題解決学習を通じて、情報の収集、整理、分析、発表、発信など一連の学習活動に、コンピュータや情報通信ネットワークを統合的に活用する習得させる。
・生徒が主体的に問題を発見する学習活動を設定する。 |
・活動例
・人口予測、経済予測、環境予測まどのように、身のまわりの現象の時計資料を官公庁や民間調査機関のWebページから入手し、それを分析すること。
また情報通信ネットワークからの情報だけでなく、必要に応じて新聞などからの情報を収集し、社会でどのような問題が生じているのかを発見、検討させること、さらには、それらに対処する方法や解決する方法を考えさせることなど。 |
・課題研究の遂行と発表に必要な一連の情報活用が体験できるように、十分な時間をかけ計画的に実習すること。
・準備の段階で、題材や発表における情報交換に電子メールを利用することも考えられる。 |
・インターネットなどの情報通信ネットワークを介しての情報収集
・表計算ソフトウェアなどを活用したデータの整理・分析と分かりやすいグラフ表示
・文書処理ソフトウェアを活用したレポート作成
・プレゼンテーションソフトウェアを用いたプレゼンテーション
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・プレゼンテーションにおいては、伝えようとした内容が相手に正確にかつ効果的に伝わったかを評価することなどを通して、情報の発信に当たっては、受けての状況に配慮する必要があること、情報が正しく相手にりかいされるように工夫する必要があることなどを理解させる。 |
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