「この子を見た人は『ああ、赤ちゃんに何が起こったの?』と言うんです」――シャナ・クラーク


1 劣化ウラン(DU)被曝は病気の原因だったか?
多国籍軍の戦車と飛行機は、湾岸戦争で新種の弾薬を発射した。
子炉の汚染廃棄物である劣化ウランで覆われた砲弾
である。こ
の砲弾が敵戦車に命中すると、それは熱を発し、乗員を焼却してし
まう。このような兵器を使用している部隊は、原子力制限委員会に
よる制限を超えた放射線量を浴びることはありそうもなかったが、
「陸軍は、劣化ウラン被曝や、適切な被曝量を適切かつ安全に測
定することを、構成員に適切に教えてこなかった」と、1993年の報
告書で会計検査院は結論づけている。そして、低レベル放射線被曝
の安全性でさえ、科学界の議論の対象となっている
のである。爆弾
の破片でボロボロになった装備を回収する部隊や、戦車戦場のチリ
と破砕物で満たされた地域で働いていた部隊は、危険度が極め
て高かった
ことだろう。

湾岸戦争中には約100万の劣化ウラン弾が発射された。

ジョージアの湾岸戦争復員兵会長のポール・サリヴァンは言う。
「我々は、

トン単位の大量の放射性廃棄物が
あたりを漂っている

と我々は言っているのです」

2 結局、神経ガス・マスタードガスはあったのか?
1975年、画期的なスウェーデンの研究で、「神経ガスとマスタード
ガスの低レベル被曝は、慢性病と先天性障害を引き起こす」と結論
づけられた。国防総省は、そのような化学物質が湾岸戦争の間に存
在したことを否定する。しかし、チェコとイギリスの政府は、おそ
らく多国籍軍によるイラク化学工場爆撃の際に解き放たれたと思わ
れる双方のガスを、自国の部隊が検出したと述べている。そして、
復員兵の代表者ポール・サリヴァンは、最近、国防省の11ページの
秘密記録を入手したが、それによって、戦争中にアメリカの化学警
報が何度も繰り返し鳴り響いたことが明らかになった。国防総省の
スポークスマンは、これらの警報を機械の不良のせいにし、さらに、
爆撃された工場の近くで大量のイラク人がガスで死んだという報告
は存在したことがないと指摘した。しかし、元議会調査員のジム・
トゥイトは、ガスはまっすぐ上空に吹き上げられ、それから数マイ
ル離れたところに降下物として降ってきたと推測している。そして、
イラク人は「我が国の復員兵に見られるのとよく似た」健康問題に
悩まされている、というのだ。皮肉にも、イラクの化学薬品貯蔵庫
の多くは、アメリカ企業によって作られたものである。そのうちの
80箇所は、2000人の病気に苦しむ復員兵の団体行動化学訴訟に直面
している。

3 臭化ピリドスティグミンは、助けるのでなく傷つけたのか?
先天性障害を引き起こしたことを証明するしないは別として、湾岸
戦争で使われた臭化ピリドスティグミン法は非常に重要なことがら
である。神経ガス・ソマンに対する効果は、悪い計画によって密か
に傷つけられたのかもしれない。米軍(といくつかの連合国)は、
PBをソマン被曝に対する予防として接種している。しかし、PBだけ
では何も起こらないのだ――それはすでにソマン被曝が起こってか
ら、解毒剤を有効に働かせる助けとなるだけなのである。解毒剤と
して使われる二つの化学物質の一つはアトロピンだが、復員兵問題
に関する上院委員会による1994年12月の報告書によると、アメリカ
職員の解毒剤キットに含まれているアトロピンの量は不十分である。
さらに悪いことに、動物実験でPBは、サリン(今年の東京地下鉄事
件で使われたガス)などの神経ガスに対しては、むしろ被害を受け
やすくしてしまう、と報告書にはある。偶然だが、砂漠の嵐作戦中
に化学監視装置が検出したガスの一つにサリンがあった。国防総省
は、この検出は信用できないというが、もし戦場にサリンの残留物
がわずかにでもあったならば、PBは毒ガス効果を高めたことだろう。

ケネディ
「見つめるという点では
大人は子供よりも悪い」
とお母さんのシャナは言う。
ケネディのお父さんのダレルは、
放射線被曝では
陽性の検査結果が出たが、
精巣を解剖しない限り、
子供の病気との関係は
証明されないだろう。

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