update: January 10, 1998

日本に帰ってきた1997年。いきなり購入したのが1996年モデルの、モトグッチ・スポルト1100です。私、ねこっちのグッチということで既に「ネコグッチ」なる愛称まで付けられて可愛がられていますが、いかんせん癖だらけのバイク、おまけに久し振りに走る日本のごみごみした道路ですから今はまだてこずっています。写真は、購入したお店で嬉し恥ずかし「売約済み」の札をかけられて納車を待つ姿です。

最初は、モトグッチなんて考えてもいませんでした。もうホント、文字通り全く考えていなかった。そもそもこんなに早く単車を買うつもりもなかったのです。実家にある Kawasaki GPZ250R を直しておとなしく乗ろう・・・なんて考えていたくらい。ただ、たまたま住居の近くにバイク屋が何軒もあったので気にはなってはいましたけれども。

その日、インターネットを通じて知り合ったらたまたま同じ会社に勤めていたという冗談のような友達、YOSHI と、その友人に連れられてバイク屋巡りをしていました。彼とはアメリカ時代、ワシントンで花見酒を酌み交わした仲。その後、デトロイトで Ducati M900 を購入して一足先にこれを日本に持ち帰っていたのです。YOSHI が足回りを新調したというので、バイク屋さんに M900 を受け取りに出向き、その帰り道の事でした。そう、Termignoni のマフラーから小気味のよい排気音を響かせて走る彼の後ろ姿に、「バイクに乗りたい病」が頭を持ち上げはじめていたのも事実です。

そのまま、YOSHI の友人、MARU が運転する車で、SRX と Raid に乗る彼が日頃根城にしているというYSPに連れて行かれました。彼の愛車もヤマハ、お店はヤマハ専門店・・・の筈なのに、なぜかお店にモトグッチが並んでいる。でも、お店に入ってからも殆ど見向きもしませんでした。なにしろ、私自身は４バルブ化された以降のイモラ系のデザインは好きではなかったし、ルマンも初期型が好み。でも、同時に初期型がどんなに走らない、曲がらない、止まらないかもよく知っていましたので（苦笑）、とても乗る気にはならなかったという訳です。ただ、お店に展示されていたルマンベースのレーサーは気にはなっていましたが。

そのまま、BOTTのビデオなど見ながらだらだらとお茶を飲むうちにグッチの話になり・・・お店に 1100 Sport の中古がある、今日出た、というじゃありませんか。確かに、DAYTONA 以降の新世代グッチはデザインもよくなっているので嫌いではない。でも、どうせ買える値段じゃないしな・・・と思っていると、 TL 1000 を買うのと変わらない値段だという。ううむ。悪くないぞ。おまけに極上のこんな中古は滅多に出ない。ぐおお。現車を見てしまうと確かに綺麗だ。ぬおお。ポジションも一昔前のルマンと違って何とかなりそうだ。どおお。しかも、この日の夕方買い気のひとりが早速見に来るという。早い者勝ちだそうだ。そして両脇からは YOSHI と MARU が悪の囁きを・・・キケンキケン（笑）。

頭を冷やしに、ちょっと店を離れようと提案（笑）し、彼らの知る車屋に。なにしろ広島という土地、街は中心に固まってはいるものの基本的にクルマがないと不便で仕方のない構造。バイクなんぞに大金を投じる前にクルマの準備をすべきなのです。そもそもまだ日本に帰ってきてから１週間（笑）、ヘルメットも持っていないのに単車どころじゃないぞ、と必死に自分に言い聞かせる。しかし、クルマ屋さんではなぜか格安の車を捜してもらうことになってしまい（苦笑）、さあ、これで安心して単車を買えるぞ♪と両腕を抱えられるようにしてYSPに戻ったのでありました。ああ、今思えばこの二人が・・・・・（笑）。

夕方、既に日もとっぷりと暮れたころにYSPに戻りました。まだ Sport は残っています。これがあれば YOSHI の M900 とも戦えるぞ・・・とさらに悪の囁きが（笑）。そこに、約束していたというお客さんが見にやってきました。しばらく仔細に眺めましたが、結局彼の方は断念。家庭を持っている方ですから、そうそうバカはできないようです。ああ、それは逆に「今しか買えないぞ」という悪の囁きになって私を揺り動かす・・・（笑）。しかし、もちろん金なんてないから全額ローンだ。と、なぜか特別金利ローンがあったりする・・・ああ、全てがグッチを私の手元に届けようとしている！（爆笑）

という訳で結局買っちまいました。これから長々とローンが始まるんだろうなあ・・・。ヘルメットは付けてもらうことになったけど、荷物が届くまではグローブもブーツもないしなあ・・・（笑）。でもなぜか幸せのえへら笑いが止まらない（笑）。翌日、日曜日なんかわざわざ電車で町中に出て、本屋さんでグッチの本買ったりしちゃったもんね・・・やれやれ、バカは止まるところを知りません。

(このページは、私自身の Sport 1100 のインプレや一般情報、チューニングなどをご紹介していきます。ごゆっくりお楽しみ下さい）