購入してから納車まで2週間。なにしろ、住民票もない、言わば”ガイジン”の私が買っちまったのですから時間がかかるのもやむを得ませんね。そして、1997年11月15日、土曜日の朝一番に受け取りました。この日は、前日に勤務先の社長が突然辞職したこともあって急遽休日出勤。お店に予め頼み込んで朝一番に用意しておいてもらい、そのまま会社へと走った訳です。
十分に暖気して、跨りました。いきなり、サイドスタンドを仕舞えずに降りて跨り直す始末(苦笑)。やれやれ・・・厄介な単車だ。お店の出口からすぐに右に曲がり、すでにこのタイトな右折が恐いっ(笑)。信号待ちでアクセルを煽ると、案の定車体が右に大きくグラっ、と傾きます。そのまま、まだ馴れない広島の街を走り出しました。
道がよく判らないので、大きな道路しか走れません。幸い土曜日の朝ということもあって、道路は空いていました。久し振りのオートバイは楽しい!まあ、きっとグッチじゃなくても楽しかったのかもしれませんが。ちょっと大きな右コーナーで思い切り倒しながらアクセルをぐぐっと開けていくときちんと曲がっていくじゃないですか。イケるよ、これなら走れるぞ!

最高に気分よく30分走って会社の駐車場に。ちょいと重いけど思ったより普通に走るじゃんかー・・・と思っていました、この時は。ま、コーフンしていたのでよく判っていなかったような気もしますが。そして、会社からの帰途。早めに仕事を切り上げたのでまだそれほど遅い時間ではない。では、早速海岸線でも流すか・・・とエンジンをかけましたが・・・アイドリングしません!
エンジンは十分に温まっても、すぐにストールしてしまう。どうしようもなく、そのまま走り出しました。しかし、信号毎にエンストしてしまいますし、渋滞の始まった夕方の町中ではクラッチから手が離せません。ギア比が異常としか思えないほど高いので、空いていればどうってこともなかったのに込んでいるとぎくしゃくしてしまう。そこにエンジンの不調で、ちょっとスロットルを戻せばすぐにエンスト。おまけに、強烈に吹き返しちゃってマフラーから火を吹き出す始末。もちろん右折なんてとんでもないという感じで、スロットルもめちゃくちゃに重く、バイク屋に戻るのに大汗をかいてしまいました。
早速プラグを外してみます。と、右側がすっかり湿っている。駐車中にいたずらされた可能性もない訳ではないけれども、会社の単車置き場なのでそれもちょっと考えにくい。次いで、キャブのスロットル・バルブを外してみると、右側だけ異常なほど吹き返しちゃっている痕がついています。しかし、火花も弱いように見えなくもないけれどもちゃんと飛んでいるし、どうも原因が分かりません。ジンさんに電話して思いつくところをいろいろ聞いてみてもよく判らない。うーん、ではこれを最後に・・・・とチョークをばらしたら・・・スティックしていました。
チョークは滅多に使わない部分。こいつが、スティックしていたために、チョークを使って始動した後戻らなくなっていたのですね。加速ポンプ付きのデロルト・キャブはチョークを使わなくても実際にはアクセルを煽るだけで始動させられるはずなのですが、暖気が面倒だし・・・と私は使っていました。まさか、チョークが戻らなくなってるとは思わないもんねえ。結局こいつが原因なのでした。キャブをオーバーホールし直したら完全復活。
これでようやくちゃんと走るようになったかな・・・というところなのでした。しかし、まだまだトラブルは続くのです・・・・・。