店主の読書日記 MAY2002 タイトルリスト 作家別リスト
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2002/5/31

 暑い、暑いぞっ!
 二日続けて同じような日記だが、本当に暑いのだから仕方ない。
 なお、部長は総務の人が通りかかった時
「扇風機、買って」
と、訴えて思いっきりお断りされていた。
 M田さんは、総務の人が来るたびに
「ちょっとこの席、座ってよ!」
と、座らせ攻撃をしている。
 そのせいかどうか、午後も遅くなって、だいぶ涼しくなった(気がする)。
 ただ、このビルは冷房は中央管理である。うちの部だけ涼しくすることはできない。どこかが北極でブリザードにあったように寒くなっているような気がするが……まあ、いいか。


2002/5/30

 暑いっ!
 オフィスが暑いぞ。ここ最近、妙に暑い。
 先週は風邪を引いて熱っぽいので暑いのかと思っていた。が、本日気がついたら、同じ部の人間ほとんどが片手にうちわを持って仕事をしているではないか!
(↑うちの会社は必ずひとり1本、うちわを常備している)
 しかし、インテリジェントビルに住まいながら、うちわなしに仕事ができないって、どうよ?

 どーも西洋の紋章がよくわからんので、読んでみた。『紋章が語るヨーロッパ史』(浜本隆志/白水社)。
 今まで知らなかったが、西洋の紋章は個人紋章。長男だけしか相続できない厳しいオキテがあるらしい。で、あぶれた次男以降はどうするか。
 色を変えたり、図案を一部変更したり、すごい時には半分に切って別の紋章と合体させちゃったりするのだ。
 幾何学だったらいいよ、それでも。なにしろ、西洋には動物紋が多い。下半身をばっさり切られたライオンの図って、なんだかかわいそう……。
 ある意味、紋章にまで個人主義を求めるんだね、ヨーロッパ文化っちゅうやつは。


2002/5/29

「むむ、この設定はおもしろい!」
と、読み始めた『ドラキュラ紀元』(キム・ニューマン/創元推理文庫)。やっと読み終わった。
 手ごわかったです。
 何が手ごわいって、「あと50Pくらいだ。ガンバロウ」と思っていたら実は20Pぐらいしかなかったとか、残りの30Pくらいは登場人物名簿と資料だったりとか色々あるが(笑)、現実と小説世界と映画のフィクション、これが三位一体渾然となっているあたりが特に。
 逆にいえば、古今東西の吸血鬼大集合なので、吸血鬼マニア(いるのか?)には、たまらない本だろう。吸血鬼だけでなく、1888年に存在したと思われる虚構の世界の人物も多数出演している。
 モリアーティ教授、フー・マンチュー、ジキル博士、モロー博士……などなど。
 私を惹きつけた設定というのは、ある有名小説の本歌取り。ブラム・ストーカーのあまりにも有名な小説、『吸血鬼ドラキュラ』を下敷きにしている。実は有名過ぎて、私もブラムの小説は読んだことがない。私のような方に簡単に説明すると、『吸血鬼ドラキュラ』はドラキュラ(ブラド・ツェペシェ)をヴァン・ヘルシング博士が倒すという話。(←簡単すぎ)
 この『ドラキュラ紀元』は、倒された方がヴァン・ヘルシングだったら……という設定。
 しかも、勝ったドラキュラはヴィクトリア女王と結婚して、女王の配偶者としてイギリスに君臨しているのだ! ……どうでしょ? おもしろそうでしょ?
 そして物語は、472歳の美少女吸血鬼・ジュネヴィエーブが切り裂きジャックを探す……という話。
 どうでしょ? 読みたくなった?(笑)
 しかし、なんといっても立ちはだかるのは、そのボリューム。622P、そして登場人物辞典が必要なほどの登場人物。なおかつ、その名前のすべてがカタカナ……(涙)。
 手ごわかったです。(←リピート)
 なにより手ごわいのは、そのナード(オタク)な世界。でも、だから、それがピタリとはまった人には快感なんだろうなあ。


2002/5/28

 ちょっと前に見た本。『江戸の大変・地の巻−天の巻 地震・雷・火事・怪物−』 (稲垣史生監修/平凡社)。
 江戸時代の大事件を、江戸時代のゴシップ紙「かわら版」を見ながらひもとく。地の巻となっているように、対になる天の巻もあり。天が社会的なニュースで、地が天変地異などが多いって感じか。
 江戸っ子の関心事がうかがえて面白い。ムックなので、絵を見るだけで楽しめると思う。
 ついでに、『学校の怪談−口承文芸の展開と諸相−』(常光徹/ミネルヴァ書房)。
 別に「トイレの花子さん」の詳細が知りたかったわけでないぞ。赤マントについて知りたかったわけでもないぞ。……って、あんまり否定すると言い訳してるみたいね(笑)。
 フィールドワークというか、資料(学校の怪談)がものすごい量で載っている。かなりこまめに採集したのだろう。地方による赤マント伝説の違いについて語れるくらいだ。
 民俗学的なアプローチで「学校の怪談」を取り上げている、珍しい本。


2002/5/27

 夢を見た。

 ご主人さまと宿に泊まっている。
 朝、起きたら声が出ない。ご主人さまのところに飛んでいって訴えると
「ああ、それはここがXXXだからだよ。隣の蓬莱山に行けば大丈夫」
と、言う。
 さらさらと図解しながら。
 私は、そうか隣の山か、と思いながら宿の階段を降りた。
 宿はシンとして、人がいないようだ。きれいな建物なのに。
 ふと、人影を見たような気がして私は足を止める。
 細く開いた扉の隙間から、人が動いたように見えた。私は扉に近寄り中を覗こうとする。「すみません」と声をかけたいが、声は出ないのだ。仕方なく、手を打つ。「すみません、誰かいますか?」のかわりに。拍手をしながら私は部屋の中に入る。
 入った瞬間は、誰もいないと思った。
 部屋の隅に目をむけると……女の人がいた。
 まあるいお腹。お腹に赤ちゃんがいる女の人。
 私はなおも拍手しながら女の人に近寄る。
「あら、困ったわ」
 女の人はにこにこ笑いながら言う。
「旦那さまの世話をして、家の世話をして。単純だけど、私は今の暮らしが気に入っているの。連れていかれるのは困るわ」
 優しく言う。

 そして、目が覚めた。
 あれって、やっぱりアレかな。夢の中で私は幽霊だったのかなあ。ラップ音らしきものも立てているし。
 生者に死者の言葉は通じないという。なんとなく、生きてるうちに幽霊のキモチがわかってラッキィ……なんて思った早朝。


2002/5/26

 なんとなく風邪が抜けないので1日中だらだら。寝ながら『楽園の魔女たち−薔薇の柩に眠れ−』(樹川さとみ/コバルト文庫)を再読したりして。
 4人娘が魔女修行中の"楽園"にどうみても柩としか見えない荷物が送られてきた。それも着払いで……というお話。タイトルからわかるように、今回のゲスト・デヴァインは吸血鬼である。
 昨日あたりから、
竹内哲さんオススメの『ドラキュラ紀元』を読んでいたので、吸血鬼づいているといえば、ついているのかも。風邪でぼーっとした頭だと『ドラキュラ紀元』はツライので、本日はお休み。
 こういう時は、マンガとかライトノベルくらいがちょうどいい。
 今回はちょっとシリーズものとしては中だるみ気味だったかな。でも、吸血鬼の設定はおもしろかった。
 吸血鬼の体液は不凍液! よって零下でも生きられる! だからハナミズも凍らない!
 ……ほら、面白いでしょう?(笑)

 夕方、父からいわれて、コンポの設定。自分で接続したら音が出ないんだそうだ。
 ……うん、そりゃ出ないだろうね。絶縁の上から接続してちゃ。
 あっさり不具合解消。
 しかし、家で一番機械に強いのが私という低レベルな家庭って、どうよ?


2002/5/25

 真柴さん幹事による、「サイコロ・カラオケオフ」でした。
 ちょっと仕組みから説明しよう。
 サイコロを振る内容によって歌うジャンルを指定される。
 1→アニメ・特撮、2→ベストテンなど。しかも、さらにカテゴリは細分化されていて、1のアニメ・特撮を引いたら、さらに次のサイコロの命じるままに、1−1特撮単独ヒーローもの、1-2戦隊ヒーローもの……と選択肢はせまくなっていくのだ。
 2、ベストテンを引いたからといって安心はできない。次のサイコロで年度が指定される。
 ちなみに6−1〜3を引いたら、おめでとう。あなたは自由に曲を選んで好きなものを歌える。(可能性の計算をしてみよう)
 こんなイベント性の高いカラオケに参加した剛のものは、五十嵐氏満さん、沢渡はるかさん、時空門奴さん、だるっちさん、猫宮さん、まえっちさん、鈴子さん、幹事の真柴さんと私の計9名。
 歌うのは順番をくるくる回すために1番のみ! それなのに五十嵐さんを除いてコンプリートとは、みんなどうしたことだろう(笑)。(私、一回アヤしかったですね。ごめんなさい)
 しかし、確率なんか無視して同じ人に同じ目ばっかり出るのはなぜ?
 死ぬほど2−1を出したまえっちさんは「70年代の帝王」と呼ばれ、5ばっかり出していた私は「演歌の女王」と呼ばれましたとさ。
 本日のひとこと。
「せめて魔女っ子ものが歌いたい」。


2002/5/24

 最近、ANAのCMのパンダがお気に入りである。
 しかし、「ANAの中国線大増便ですっかりラクになった」って、パンダは飛行機で通勤していたのか? 色々な動物園でパンダが見られると宣伝しているが、実はただ一頭のパンダが巡業してるのだろうか。
 まあ、そんな疑問はさておいて。
 後輩のSが私が見ていた『翼の王国』(全日空機内誌)を見て言った。
「こうしてみると、パンダって『大熊猫』っていうだけあってクマですよねえ」
「えっ!」
と、驚いたのが隣の席の後輩A。
「パンダってクマだったんですか……?」
 Aの大ボケは職場のなごみである。私は一応聞いてみた。
「じゃあ、なんだと思っていたの?」
「猫かと」
「クマだって」
「じゃあ、敵にあったときフーっって毛を逆立てたりとか」
「しない、しない」
「ミカンを鼻先でつぶすとミギャって逃げたり」
「しないしない」
 いや、ほんとにしないかどうかは知らないけどさ。すくなくとも、マタタビでうっとりとかはしないに違いない。


2002/5/23

 あなたと一緒にいたいの
 ずっと、ずっと
 鉱物の小さなカケラが結晶して
 母岩になって
 それも草木で覆われてしまうくらい、ずうっと
 森になって閉じ込められるくらいの永遠
 いっしょにいたいの
 ずっと、ずっと

 リオハ、ラブポエムの巻。
 さて、私が大学時代のこと。
 授業中に先生が
「あれはラブソングですよ」
と、言った。
 その言葉が印象的で、いつか使ってやろうと思っていたのだが、先生と同じように言う人にその後出会わなかった。
 『鬼の日本史』を読んだら、「女性からの熱烈な恋文である」と書いてある。
 ブラボー♪ やっぱりあれは私の聞き間違いじゃなかったのね。
 と、いうわけでリオハ訳「君が代」でした。


2002/5/22

 まだ読み終わってないけど、いいや。『鬼の日本史−福は内、鬼は外?−・上』(沢史生/彩流社)。
 最近、記紀関係の本を読んでいるせいか(って、2冊続いているだけじゃん)、記紀がえっちぃことを再認識した。王朝文学の『源氏物語』だって、たいがいえっちぃと思うのだが、神話は時代が古いせいか、もっとおおらかである。
 だいたい神様からして女カンケーでもめてるもんね。
 たとえば、天邇岐志国邇岐志天津日高日番能邇邇藝命(あめにきしくににきしあまつひこひこほのににぎのみこと。省略してニニギ)。天照大神のひ孫である。
 こいつがヨメ取りをするとき、ヨメの親は姉妹で差し出した。木花佐久夜毘売(このはなさくやびめ)と姉の石長比売(いわながひめ)だ。両方いただいておけばいーじゃん、と、思うが、ニニギの美意識では姉のイワナガヒメは許せなかったらしい。なんとも失礼なことに、姉を実家に返してしまう。親も姉も怒って、それ以来、人間の寿命が短くなってしまった……という由来話は置いといて、ニニギのその後を見てみよう。
 うまうまとキレイなおねーさん・コノハナサクヤと初夜を過ごしたニニギは、新婚の花嫁を置いて戦争に出かけて行く。この一夜で、彼女は子供を身ごもるのですね。俗にいう「一夜婚(ひとよのまぐわい)」。
 帰ってきたニニギは、腹ボテの妻にいう。
「……本当にオレの子かよ?」
 なんて失礼千万な。怒ったコノハナサクヤは
「アンタの子じゃなければ誰の子だっていうのよっ!」
と、産屋に放火した。
 逆上したわけじゃなく、身の潔白を立てるためである。つまり、神様の子供なら、炎の中でも無事に生まれてくるだろうと。政府の方針に抗議してインドで僧侶が焼身自殺!……みたいな激しさを感じるなあ。神代の女性はラテン系か?
 まあ、ともかくコノハナサクヤはポコポコポコと3人の子供を無事に出産した。よかったよかった……って、全然、本の内容に触れてないなあ。たまにはいいか。


2002/5/21

 私は仕事で、いつもなんかしらのプロジェクトチームに入っている。10億円超の大規模なものもあれば、300万円規模の小さなものもある。
 4月に昨年から持っていたプロジェクトを人に渡したので、ずいぶんと楽になった。
 世の中にたえてプロジェクトのなかりせば、リオハの心はのどけからまし((c)在原業平)……ってなもんである。ラク〜♪と喜んでいたら、新しいものにアサインされてしまった。
 総予算22億円、完成目標2005年度。
 そして、このプロジェクトの名前はっ!
 "プロジェクトX"。
 ……。
 …………おーい。もしもーし?
 きっと、おじさん達が素敵なネーミングセンスでもってつけたんだろうなあ。と、思っていたワタクシ。
 先日の部会で部長が言った。
「進行中のプロジェクト・バツの件ですが……」
 きゃああああ。すみませんっ。
 私はてっきり「プロジェクト・エックス」かと思ってました! (または、MacのOS風に「テン」かと……)
 おじさまたちのセンスをナメてはいけない。


2002/5/20

 最近、AV界のはやりは「妹」だという。((c)トゥナイト2) ミニモニに代表されるアイドルのアンダー15(15歳以下)の流れは、AV界ではアンダー150(150cm以下)となる。150cm以下の身長が体現するものこそ「妹」だ。
 これは「妹の力」がテーマの本。『巫女の文化』(倉塚曄子/平凡社)。
 しかし、
「えっ、じゃあ読む読む。ばふー(←鼻息)」
と、早まってはいけない。
 ものすごくマジメな学問書なんだから。私も久しぶりにこんなカタイ本読んだよ。
 えーと、古事記・日本書紀に夫を捨てて兄につくような絆の深い兄妹が出てくると、学者達は近親相姦を疑う。サホヒコxサホヒメ然り、中大兄皇子x間人皇女然り。(私は中大兄x間人は「確定」だと思ってましたよ、てっきり……)。これは兄弟の絆を現代感覚で読むゆえの間違い、というのが著者の説。
 たとえば、沖縄は特徴のある祭祀文化が残っている。オナリ神信仰もそのひとつ。琉球では古くから兄弟姉妹は特に強い絆で結ばれ、姉妹は同母のを兄弟を守護する霊力をもつと信じられていた。
 本土も古くは霊的に兄妹に深い絆があった。だからこそ、現代感覚で見ると近親相姦のような強い絆の兄妹が記紀に存在するのだ。……という理論でした。
 だからといって、現代で必要以上に兄妹で深い絆を結んではいかんと……って、ここいらにしとこ。


2002/5/19

 この日は1日ひきこもり。
 初期化されて使えるようになった権三(PC)だが、そのままではもちろん使えない。Win98のシリアルNoを入れて、やっと本当の初期に戻す。
 そしてここからが苦難の道だった……。
 私達の生活を便利にするパソコンのために半日以上時間を取られるとは、何事でしょう(涙)。

 『陰陽道物語』(滝沢解/春秋社)読了。
 著者は劇画原作者だそうで、物語的に陰陽道を語っている。だから、資料的にはイマイチなんだけど、読書としては面白い。でも、資料としては使えないので、資料本としてはハズレ。
 まあ、楽しく読めたからいいか。


2002/5/18

 所用があって五反田へ。用事を済ましたらお腹がすいた。
 駅まで行く途中にペルー料理の店があったので入る。
 注文したのは、アロース・デ・マリネオス。アロースは確かスペイン語で「米」。直訳すると、海ごはん。イカとかエビの切れっ端が入った、黄色い炊き込みご飯ですね。
 ぱっと見パエーリャで、スペインご飯を熱愛する私は迷わずこれを注文したのだけれど、ことによるとパエーリャより好み。ちょいとピリ辛。これが絶妙で食が進む。もっとも、パエーリャには鍋に焦げ付いた米という必殺技があるので、どちらに軍配を上げるかは難しいけど(笑)。
 しかし、一緒に取ったとうもろこしのジュースが微妙。色は紫。味は……味は炭酸の抜けたチェリー・コークみたい。
 なんともいえない、いかがわしーい味でした(笑)。

 東京駅で乗り換えをしたら、丸の内北口で「まるきた伝統空間・春」なる催しをやっていた。
 JR東日本は文化事業の後援もしている。これはその一環で、本日の内容は、八城人形浄瑠璃と津軽三味線、そしてなまはげ太鼓。
 入場無料なので、ちょっとラッキィ。
 津軽三味線は、生で聞くのはたぶん2回目。最初は、大学の芸能史の時間に先生がシャミセニストを連れてきてくれた時だっと思う。生で見る演芸は何でも迫力があって面白い。


2002/5/17

 さて、TOPの告知より早いけれど、ぼちぼち復活していこう。
 この1ヶ月と少し、HPを休止して何をしていたかというと小説を書いていた。原稿用紙で85枚。(予定は100枚だったから、少しショートしている) 1ヶ月くらいで書き終わるかと思っていたのに、「この時期にこれが来なくても」てなことがあったりして遅くなった。
 85枚なんて大した分量でないのに。いやー、これがタイヘンで。
 なにしろ、長いものは書いたことがない。以前、参加させてもらってたのはショートショート企画。SSだから枚数規定があって、10枚(4000字)まで。
 しかし、ワタクシ、100Pは10枚を10本書く感覚だと、どこかで舐めていたらしい。全然違うのですね。100Pは100Pにふさわしいキャラクター設定なり構成が必要。作家のタイプで長編型とか短編型とかいうのが、はじめてわかりましたよ。
 一番手ごわかったのが、キャラクター。もう、これが全然わからない。自分で作ったはずなのに、まるで他人。付き合い方がわからない。なんとなく見つかるまで、うんうん唸っていたと思う。
 人付き合いは難しい。自分で作ったキャラクターさえ(笑)。


2002/5/16

 風水の本が読みたくても、Dr.コパがらみでない本を本屋で探すのは難しい。「西向きの窓に黄色いカーテンで金運UP♪」などという内容でない本を探すのは、もっと難しい。
 これは、そのどちらでもない貴重な1冊。『図説・風水学−中国4000年の知恵をさぐる−』(目崎茂和/東京書籍)。
 著者名の横に1/8くらいのフォントで「三重大学教授」と入っている。
 他の本みたいな占い本じゃなくって、マジメな学問的な本なんだからね、と、主張しているかのよう。(実際、そうなんだろう)
 図説の名の通りに図も多かった。風水の成り立ちや四神相応をきちんとわかりたいなら、いい入門書だと思う。あんまりカタかったり難しかったりしないし。


2002/5/15

 3月からこっち、4回目か5回目の歓送迎会。ここ2ヶ月で、7人来て5人去っていった。
 転出されるH次長のご挨拶は
「私が来て3年の間に部署名が3回、部長が3人、担当役員は3人変わりました」
だった。ああ、そんなに流転のセクションなのね、ここ。そういや、場所も同じビルのフロア変更も含めたら、3回変わっている。
 業務形態も、部→事業部→部→事業部、と、めまぐるしい。
 私はネット関係の知人から「何の仕事をしているかわからない」と、よく言われるが、そんなの社内の人からだって言われっぱなしだ。気にしちゃいけないよ。


2002/5/14

 マンション引き払い日。まだ細々とした荷物が残っていたので、片付けにおおわらわでした。
 一応、オーナーさんの立会いも無事終了。
しかし、キレイに掃除してあるし汚れてもいないのに、水まわりのクリーニングに5万円も取られるとはーっ。


2002/5/13

 『皇女アナスタシアは生きていたか』(桐生操/ベネッセコーポレーション)読了。
 桐生操お得意の、2次資料による歴史話なのだが、結構面白かった。素材がいいのだと思う。
 歴史の中に今も残るミステリー。テーマは5つ。「鉄仮面の正体は!?」「ルイ一七世はすり替えられたのか」「バイエルン王国を震撼させた少年の謎」「皇女アナスタシアは生きていたか」「教皇ヨハネ・パウロ1世は暗殺されたのか」。
 この中では法王ヨハネ・パウロ1世の謎がピカイチ。
 なんてったって、法王死去は1978年。他の苔むした謎とは違う。関係者だってバリバリ現存している。
 だいたい聞いただけであやしいではないか。健康に問題のない66歳の若い(比較的)法王が、就任33日目にして心臓発作で死去するとは。しかも、法王は以前から黒い癒着が噂されていたフリーメイソンがらみの人間を更迭しようとしていた矢先だった……。
 今、ふと思ったが、桐生操は良くも悪くも歴史をワイドショーにしてしまうんだな。歴史に興味がなくってもするする読ませる秘訣は、これか!


2002/5/12

 日テレのドキュメンタリー、「めだかの学校」を見る。
 「めだかの学校」は東大小児科の中にあった教室。企画と言ってもいい。東大小児科に入院している子供は、ほとんどが難病や重病で学校にも幼稚園にも行けない。病院の中で一生を終える子供も多い。そんな子供に、せめて学校の楽しさを少しでも味わって欲しいということで20年前に始められた。
 工作をしたり歌を歌ったり。たまに外出をしたり。
 この外出が、子供達にとってどんなに晴れの日か。私には表情はわからないが(難病で顔の筋肉すら動かせない子供も多い)、それでも自分が子供の頃の遠足や学芸会のワクワクを思い出せる。毎日外に出ている私でさえそうなのだから、病室で病気と戦っている子供にはどれほどのワクワクだろう。
 人間は誰だってお休みが必要で、でも闘病にはお休みがない。
 「めだかの学校」は、そんな厳しい闘病生活を送る子供達の、そしてお母さんの貴重な休み時間なのだと思う。終わりの15分だけ見なかったのだが、どうなったのだろう。東大小児科は新病棟に2001年に移転して、移転と共に「めだかの学校」はなくなってしまうとのことだった。
 難病は国から治療費が補助されたり、色々なカラミがあって難しい。一概に良い悪いが言えない。それでも、子供達の「お休み」がどうなるかは、気にかかる。


2002/5/11

 ぼちぼち読んでいた『Wild Half』(浅美裕子/集英社ジャンプコミックス)を読み終わる。全17巻で、最終巻は2週間くらい前に読み終わっていたのだけれど、なぜか2、3を読んでいなかったので読破は本日。
 しかし、最終巻まで読んでから最初の頃に戻ると、画面が違う。なんとなく最初の頃の方が……丁寧。週間連載って大変なんだね……。
 物語は犬の獣人(Wild Half)サルサと飼い主タケトの物語。飼い主との情が深まると、人間型に変身し通常の5倍のパワーを出す……って、ありがちなネタっすね。
 物語もありがちといえばありがちで王道少年マンガ(異種友情もの)なんだけど、やっぱり王道なあたり外さない。なにより、犬だもの、サルサ。
 犬が喋って、身を捨てて愛してくれることを実感できるのは、犬好きの見果てぬ夢だろう。全国の犬バカの気持ちをキャッチしたのもわかります。
 個人的には、銀星とカオルのバカップルが好き。


2002/5/10

 資料か、ただの読書か微妙なところだが、『隠された聖地−マグダラのマリアの生地を巡る謎を解く−』(ヘンリー・リンカーン・荒俣宏監修・平石律子訳/河出書房新社)読了。
 ひとことでいうと、フランス版徳川埋蔵金。いや、ブツがキリスト教関係なので、ちょっと乱暴すぎるか。
 この本の主役、レンヌ・ル・シャトー(Rennnes-le-Chateau)は1960年代まで西フランスの静かな寒村でしかなかった。それを一躍有名にしたのは著者のリンカーン。彼はTV番組の脚本家で、レンヌ・ル・シャトーとそれにまつわるミステリーを歴史探訪番組に仕立てたのだ。それからが大変。
 レンヌ・ル・シャトーに大河ドラマのゆかりの地を訪れるように山ほどの人が来て……と、いうことからわかるように、レンヌ・ル・シャトーは新しいミステリー・スポット。
 まず、1885年にレンヌ・ル・シャトーに配属された司祭の話からはじめよう。彼の名はベランジェ・ソニエール。配属された翌年に、彼は教会の柱の中から古い羊皮紙を発見する。貧乏な(金銭出納帳が残っている)司祭のソニエールは、次のシーンでは荒れた教会を建て直し家具や壷に湯水のようにお金を使う金満家になっている。なんて、不思議!
 あやしい。ソニエールに何があったのか。
 で、通常思い当たるのは、あの羊皮紙だ。柱の中から発見された、いわくありげな羊皮紙。あれは、もしかして宝の地図なんじゃ……というのが、現在まで続くレンヌ・ル・シャトーの謎。
 本書はリンカーンの3冊目の本で、新しい発見について述べてある。
 またひとことで乱暴にまとめると、レンヌ・ル・シャトーとまわりを取り囲む高台や教会は五芒星に配置されてるということ。建築物はオッケーとして、山の頂上がそこにあるというのは、どういうことよ。
 ……と、リンカーンはいいたいらしい。
 しかし、この本、結構冗長。監修の荒俣宏が、「私の判断で一部割愛した」というのもよくわかる。
 解決編のない推理小説みたいで、満たされない思いでいっぱいだ。
 一番面白かったのは、荒俣宏の序文だったりする。

 でも、読み始めは、確かになにかが私をわくわくさせていた。
 この本の表紙にはプッサンの「アルカディアの羊飼いたち」が使われている。ソニエールはルーブルで2枚の複製絵画を買ったといわれ、その1枚がこれ。
 割と有名な絵なので、ご覧になったかたも多いだろう。
 この絵にも謎が隠されていて……っていうのは、面白くありませんか? 何しろルーブル美術館収蔵、一般に公開されている。図録や教科書や、ありとあらゆる書籍に掲載されてもいる。
 こういう、全世界に人に何世紀も見せておかれながら誰も知らない謎……というのは、つくづくロマンだと思うのだが……どうだろう?


2002/5/9

 まえっちさんと王子と横浜で飲み。電車の頻度は違うが、品川からだとカマタもヨコハマもたいして変わらない。案外近い……けど、こういう機会でもないと、やっぱり行かないところだなあ。
 さすがに今の住まいじゃないと行かないから、最後のチャンスでした。はい。


2002/5/8

 本日の昼休みは13:00〜だったので、リフレッシュ・ルームに行く。
 一服中のF井さんとなぜだかマヨネーズの話になった。F井さんはかなりのマヨラーで、コンビニ弁当についているサラダのマヨネーズが薄いの許せない。そのために一番小さいマヨネーズ(50円くらいのやつ)を同時に購入し、一回で使いきるそうだ。
 とうとうと熱くマヨネーズを語るF井さん。
 しかし、そこに
「マヨネーズって習慣性なんだよ」
の声が!
 ラットを使って実験だと、マヨネーズを習慣的に与えたラットに与えるのを突然中止すると発狂状態になるそうだ。(実は、マヨネーズではなくて、マヨネーズに含まれる油分を体が欲しているらしい)
 うーむ、症状がないから気がつかないだけで、世の中にはマヨ中(マヨネーズ中毒、または、マヨネーズ依存症)がいるものか。
 これで万が一マヨネーズが合法じゃなくなったら、暴力団の資金源として高価取引されるんだろうなあ。アタッシュケースをあけると、黄身がかった乳白のチューブがずらっと、みたいな。
「ダンナ、キューピーの上物ですぜ」


2002/5/7

 最近のサントリーの烏龍茶のCMコピー、「自分史上最高綺麗」が結構お気に入り。そうそう、綺麗は人によって違うから自分史上で最高に綺麗ならいいじゃない、と、思ったり。  いつも自分史上最高綺麗でいられるようにがんばろうよ、と、思ったり。
 ついでに、シワがあってもシミがあっても最高綺麗は可能なんだから。

 そういえば、パンダのAIBOのプレゼントやってますね。「自分史上最高相棒」(笑)。欲しいです。


2002/5/6

 引越しのためお片付け。はい、6ヶ月の短いイノチでしたね、ここ。
 たかが6ヶ月で、しかも物を増やさないようにしていたはずなのに、片付けはじめると物の多さにびっくり。人間が生活していくって、こうなのねえ。


2002/5/5

 中華街オフ。と、いっても、顔ぶれが顔ぶれなので、既に友達とメシ食ってるのと変わらない。オマケに座敷だったので、妙にまったりしてしまいました。
 座敷でメモを取りながら次回のカラオケの企画をつめるあたり、どんな仲良しさんなんでしょ。

 本日の移動中読書は、『結び (ものと人間の文化史 6)』(額田巌/法政大学出版局)。
 何を隠そう、私の卒論のタイトルは『結びのまじない』であった。(卒論らしくないタイトルだって? ほっとけ) たぶん、ひょっとして、もしかしたら、これも卒論の参考資料として読んでいたような気がする。するけど、あんまり覚えてない。
 内容は「結ぶ」という行為を歴史的、系統的、民俗学的に考察する本。
 発行が1972年というあたり、なんとも雰囲気である。やっぱり学術書は20年前くらいから版が進んでいないのが王道でしょう!(笑)


2002/5/4

 S○NY爆弾にやられていたVAI○が修理から戻ってきた。(説明しよう。S○NY製品の中には保証期間を過ぎると爆発する正確な時限爆弾が入っているのである。S○NY製品は壊れやすいのではなく、科学の粋を集めた装置なのだ)
 んじゃ、ネットにでも繋ぐか、と、無料系プロバイダにかけるが全然繋がらない。VAIOに元々入っていたAOLにサインアップしようとしても繋がらない。IIJ4Uも繋がらない。SO−NETも繋がらない。みんな繋がらない。GWということで、全日本人がネットをやってるのか?
 ニュースで見た海外流出する人達や、高速道路のちょー蛇……もとい、長蛇の車の列はマスコミのウソか?
 最後にDreamNetが繋がって、思わずカードでオンラインサインアップしてしまった。数年前のネットワーカーのように繋がりやすさのみでプロバイダを選んだ私であーる。

 『ゴースト・ドラム−北の魔法の物語−』(スーザン・プライス/ベネッセコーポレーション) 読了。
 これはすごい。87年度のカーネギー賞受賞作だそうだが、そんな肩書きはなくても読んだだけですごさがわかる。(カーネギー賞はイギリス児童文学のアカデミー賞らしい)
 100%の純正ファンタジー。甘くもなければ、勧善懲悪でもハッピーエンドでもない。ただ溢れるばかりの詩情とイマジネーション。こんな作品が児童文学として出版されるあたり、イギリスってすごい国だ。
 しかし、日本では、この名作も絶版。これは日本人がファンタジー後進国なせい……ばかりでもなく、出版形態が悪いような気がする。子供の本として出版するには、あまりに内容が教育的でないもんな。どこか出版形態を変えて再発してくれないかなあ。
 とりあえず見本に、ワンシーンなどメモっておきましょう。主人公の魔法使いチンギスが、先代の魔女から魔法を学ぶシーン。

「文字というのも、よくある魔法のひとつだよ」老婆がいった。「これを学ぶにはまず、文字の読み方をおぼえて、こういった印が本からなにをかたりかけているのかが、わかるようにならくっちゃいけない。これが文字の魔法の簡単なやつなんだが、あなどっちゃいけない! とても強い力を持っているんだからね。いいかいチンギス、この本が読めるようになると二千年もまえに死んだ魔法使いが、そこからおまえにかたりかけてくるようになるだろう。魔法のことをあまり知らないものたちでさえ毎日、本を開いて死者の言葉に耳をかたむける。そうして死者から教えてもらうううちに、死んだ者たちがいとおしくなってきて、まるで生きているかのように思えてくる。それは強い魔法なんだよ」


2002/5/3

 久しぶりに実家へ。紙袋に詰めて衣類を持って出、見事に網棚に忘れる。幸い見つかったのだけれど、荷物は君津まで行ってしまった。
 しかしですね、中味を説明する時に
「セーターを中心とする衣類」
まではよかったのだが、
「……と、食べかけの食パン半斤」
は、ちょっと恥ずかしかったです。家に置いといたら悪くなるかと思った気持ちがアダとなり……ああ……。
 でも、駅員さんが
「食パンは駅の方で捨てておきますか?」
と、聞いてくれたので、ヨシ。(何がヨシなんだ? リオハ)


2002/5/2

 本日の資料本は、『神事の基礎知識』(藤井正雄 編/講談社)。
 学問的なカタイ「神事」について知りたかったのに、とっても実践的で身近な内容だった。玉串の捧げ方から、結婚式の服装まで書いてある。結納グッズが挿絵入りで言及されていたりして、きっと年頃の娘を持つお父さんが「お嬢さんを僕に下さい」と言われて「いいや許さん」とか怒っちゃっても次の日にふと本屋でフラリと買ってしまったり。(←長いよ)
 ただし、ただの冠婚葬祭ブックと思ったら、ちょいと違う。さりげないところで、妙に民俗学的にキッチリしている。執筆者に國學院の教授が多いせいだろう。「折口の國學院」だもんねえ。三つ子の魂百までも。冠婚葬祭のために買ったシロウトにも、マジメに説明してしまうあたりが微笑ましい。
 姉妹本『仏事の基礎知識』あり。


2002/5/1

 5月1日といえば、メーデー。
 私の働くビルは複数の会社が入るビルなのだが、そのほとんどがメーデーでお休みらしい。入り口からして、なんとなく本日は薄暗い。
 生協がやってない。社食は休みではないが、うどん・そばのみでの細々とした営業。トドメに1Fにテナントとして入っているampmまでお休みたあ、どうしたことだ! ほんとにコンビニか!(笑) (噂によると、1Fのampm、日曜日もお休みらしい)
 ジュースひとつ買えない状況に、朝イチで「脱水症状になるかも」と、本気で考えたんだから。
 ここは陸の孤島だ……と、改めて実感したメーデーの本日。



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