店主の読書日記 MAR2002
タイトルリスト 作家別リスト

2002/3/31

 一晩寝て、フレッシュなキモチになれば何か変わるだろうとPCの電源をON。
 ……うーむ、同じメッセージか。アタリマエだが。
 取りあえず、やたら知り合いに電話をかけるが繋がらないことが多い。妹の知り合いのSEさんとお話したら
「ウィルスですね。Winを立ち上げるアプリが削除されてるんでしょう」
とのこと。
 リカバリCDを使えば……と、言われるがダメなのだ。何しろ、私のPCは、あのお堅いIBM製。何年か前にCD−ROMドライブが壊れた時、修理にハード全部お預かりと答えた会社である。もちろんそんなタルいことをやってられなかった私は、某社のDVD−ROMを買い、あっさり付け替えてしまった。
 そのツケが今来ている。純正でないDドライブを認識しないのだ。
 あああ(涙)。
 ま、世界征服のための青写真とか、CIAが狙う重要機密なんか入ってないけどさ。
 消えても、世界の流れには関係ないデータばっかりだけどさっ。
 あああああああ(涙)。
 メーカー修理に出すしかなかろう。そう決心した私は、見つかったらヤバイDVD−ROMを、もとの壊れたCD−ROMに付け替えたのだった。
 やっぱり女の子♪ 機械には弱くって。


2002/3/30

 実家に帰って、久しぶりに自分のPCの電源を入れたら……立ちあがらないっ!?
 ブラックな画面にエラーメッセージと「C:\>」というなんとなく10年くらい前に見たことがあるっきりのコマンドを求める表示。もちろん、シロウトの私にわかろうはずもなく。
 とりあえず、電源を落として寝る。


2002/3/27

 先日、出張でご一緒させていただいたライター・Dさんから電話があった。私の方が早く帰国しているので、帰国のご挨拶電話かと思って受話器を取る。
「あのさあ、部屋にパジャマ忘れていったでしょ?」
 ひやあああああ。ど、どうも荷物に入ってないと思った。
 Dさんと私の部屋はお向かいだった。ポツンと残されたパジャマに困った私のお部屋係が、Dさんに相談したらしい。
「今、洗濯機回してるんだけど、一緒に洗ってるから」
 ひやあああああ。す、すみません、そんなことまで(汗)。
 Dさんとは、旅行中は味噌や醤油の貸し借り……じゃなくて、バッテリーやPCの貸し借りをしていたものである。色々ご迷惑をかけていたが、そんなことまでお世話になってしまうとは!
 日本で反省会としようと言っている今回のメンバーであるが、私の場合、本当に反省した方がよさそうだ。


2002/3/26

 『エリア88』(新谷かおる/MF文庫)をなぜか読みたくなって、文庫でボチボチ読んでいる。
 主人公・風間真は、親友で同僚の神崎に中東の傭兵に売られてしまうという、すごい設定である。気がついてみたら、香港に売られていた、みたいな。ちょっと設定が古いが、初出は70年代だもの。なにしろ、ベトナム戦争の生き残りが普通にいる時代だからね。
 子供の頃、神崎が大キライだった。今読むと魅力的だわ。野心と野望のためには、自分の良心や愛も売り払う男。今だったら、こいつが主人公になるんじゃないだろうか?
 ただ、今の兵器で『エリア88』みたいなドラマができるかどうかは……どうなんだろう? 衛星からピンポイント攻撃ができるまで進化しちゃったしなあ。


2002/3/25

 『エレ・マニ日和』(光野桃/新潮文庫)をやっと読み終わる。エッセイだし、薄い本だし、読むのはラクそうなのだが、著者が案外「濃い」のでてこずった。ゲイの友人に、「アンタも濃いオンナねえ」と言われるくらいの著者なので、 今まで持ってたイメージの方が間違いだったのかも。
 そう、光野桃というとイタリア滞在経験のあるファッション関係のエッセイスト、というのが私のイメージだった。彼女のエッセイを初めて呼んだのが「ヴァンテーヌ」誌だったので、余計そう思うのかもしれない。 (「ヴァンテーヌ」をご存知ない方へ。「ヴァンサンカン」の姉妹誌で対象年齢がやや低め。18〜26くらいのお嬢さんが対象と思われるが、掲載商品の単価は高い。私には買えない……)
 しかし、その無頼さが、ちとツライ。
 2まわりくらい上の世代なせいか、どーも濃すぎる。考えてみると、私の世代(から下も)は、本当に「がんばらない」世代なんだろうな。うん。自由で肩肘張らないというと聞こえがいいが、ポリシーや矜持のない世代。
 逆にスイスイ読めたのが、「読書日記×映画日記」の項。
 読書日記は、やはり著者の得意分野のファッション関係の本のコメントがいい。本人のカラーを生かした文章がやはり一番ということか。


2002/3/24

 昨日の夜、まえっちさんから電話があって、突然花見をうちの近所でやることになった。
 私が沢渡さんのところのBBSで「目黒川沿い」の発言に、「うちのすげー近所だ」と書いたのがキッカケだったのだけれども。
 ちょうどその日はオリンピックのビデオを見に、れおんさんと猫宮さんがうちに来る予定だった。
 遅めの昼食を取ろうとお店に入ろうとした時、まえっちさんから駅到着の電話。駅まで迎えに行って、目黒川沿いをまわって行きながらさきほどのお店へ。結局まえっちさんの花見はこの数分だけだったようだ。実は、もっと濃く長時間の花見をご希望だったらしい。
 えーっと、飲めればそれでいいのかと思ってました、ワタクシ(笑)。ごめんなさい。
 遅れて五十嵐さん登場。ついで沢渡さん登場。猫宮さん仕事のためにお帰り。飲み会になって、五十嵐さん、終電のためにお帰り。人がいっぱい来て、いっぱい帰っていった印象だわ。
 しかし、出張から帰ってきたら、いきなり暖かくなってるし、桜は咲いてるし、びっくりした。異常気象で南極でも鳥取県大の氷がとけて、ペンギンが減少してるそうだ。地球はどうなっちゃうんだろう。


2002/3/23

 れおんさんに「チケットあるよ」と誘ってもらって、三鷹のジブリ博物館に行く。(井の頭公園の三鷹側の端っこに立っている)
 メディアでも紹介されているし、たぶんこれから行く方もいると思う。から、内容は詳しくは説明しない(笑)。だって、行って初めて見てワクワクする気持ちって大切でしょ? 
 立地が立地なので、借景の緑が多くていい感じ。見終わったあと、遅い昼食を取って吉祥寺側の井の頭公園入り口の店でお茶をした。ここも窓から緑が見えて落ち着く。やっぱり、緑はそれなりに人を落ち着かせたり、休ませたりするんだろうな。
 クレームは来週に持ち越しのため(とほほ)、ずいぶんいい気分転換になったと思う。ありがとうございます。>れおんさん


2002/3/22

 『人とウイルス果てしなき攻防』(中原英臣、佐川峻/NTT出版)読了。シロウト向けの科学の本なのだが、切り口がおもしろい。ヨーロッパの中世を終わらせたのはペストだとか、第一次世界大戦を終わらせたのはインフルエンザだとか。
 こういうやさしい理系の本は、一般の人がどれだけ接点を持てるかが決め手だが、そういうツカミは充分オッケーだろう。
 しかし、梅毒スピロヘータ。コロンブスがアメリカ発見と同時に持ちかえったという、アレ。性交渉によって伝染していく病気だが、20年で世界を一周してるとはマイッタ。「いよ国だ!」だから、1492年。15世紀のお話である。マゼランだって世界一周に4年かかっているというのに。
 一番恐ろしいのは人間の欲望ってことか?

 久しぶりに歯ごたえ……じゃないや、手応えのあるクレームにはまる。一方的に人を攻撃するとき、なんで人ってあんなに恥知らずになれるんだろうなー、と、思ったり。文句言われたり怒られたりするのは普通なんだけど(←ヤな普通)、たまに悪質なヤクザまがいの脅しもあるんです、はい。
 日頃めんどうくさい入り口のセキュリティ・チェックも、郵便物のエックス線検査も、この時ばかりは私に安心感を与えてくれるなあ。


2002/3/21

 前々からそうじゃないかと思っていたが、やっぱりそうだったか。
 ……ヤグディンはゴツい。
 最終滑走のウォームアップを見てて、そう思った。きゃしゃな本田くんと比べると、横幅は2倍あるのではないか? 実はプルシェンコが中に入ってたりして。ぬいぐるみ(ヤグ)が邪魔で、着てるとビールマン・スピンができないとか。

 さて、21日。世界選手権の日だ。
 起きてみたら8時だった。公式練習を見られる時間に行きかったが仕方ない。ゆっくり支度して、新幹線に乗る。少しだけ目をつぶったら、一瞬で長野についていた。うーむ、早いぞ、長野新幹線。
 到着して11時過ぎ。競技開始が11:55だから、ゆっくり行くことにする。
 フィギュアは努力と根性の観戦スポーツである。本日も開始が11:55AM、終了は20:45PM。ほぼ9時間。本日はアイスダンスと男子フリーだから間に休憩が入って、競技の間にも製氷作業やウォーム・アップが入る。会場の真中はアイスリンク。会場によっては底冷えする。
 しかし、エムウェーブは快適だった。普通に冬の装備でオッケーである。カイロも必要ないくらい。  しかも、売店がすごい。峠の釜飯、野沢菜おやき、おにぎり、焼きソバ、お弁当。飲み物はソフトドリンクに、なんとホット・ワイン(チーズ付き)まで販売されていた。こんなに食べ物に恵まれた会場は初めてである。まあ、会場が風光明媚で閑静な立地(つまり回りになにもない)ということはあるんでしょうが(笑)。
 まず、アイスダンスのオリジナル・ダンス。今年はスパニッシュ・メドレーの中からリズムを選んで踊る。タンゴやパソドーブレ、フラメンコ。男の女の激情、って感じで面白い。ラテンの選手の方が有利かな? 上手い選手は何でもたいがい上手いけど。
 24組が滑って、休憩。チケットの半券で出入り自由なので、一旦外に出た。戻ってみたら、そこいらで中国のGAO選手がジャージでくるくると回っていた。横にいたのはZHANG選手か。いいのか、こんなとこで。君らの滑走は次だろ。
 売店に行ったら、すっごくかわいいUSAのジャケットを羽織った女の子がいる。サラ・ヒューズの代わりに出場の
Jennifer KIRK。ほんとに世界選手権って、選手が気軽にウロウロしてるな〜。

 さて、男子フリー最終滑走グループ。
 19番・本田、20番・ヤグディン。
 結果からいうと、やっぱりヤグディンはすごかった。今、世界最高のスケートを日本で見られるなんって、こんなにハッピーなことはないんじゃないだろうか。
 よく同時代を生きた幸福、という言い方をするが、この夜、私はそれを実感した。幸せな気持ちになりながら、シャトルバス乗り場へ全力疾走した私だった。
 ふう。


2002/3/20

 明日は長野で世界選手権である。スケジュール的にキツイのだが、出張が決まるずっと前にチケットを取っていたので仕方ない。往復の新幹線の切符も買ったし、準備万端だ。
 なんとなーく疲れていたので、TBSの放映も月・火とパスしてしまった。このままではいかん。せっかくの選手権。せっかくの日本開催。せっかくのS席。TVでPM11:50からの本日のハイライトを見る。
 待ってろよ、エムウェーブ。明日行くからな!
 明日の準備をして寝よう。やっぱりチケットを確認しないと。前回で懲りたし。
 ローソンで買って、チケットホルダーに入ったきりのチケットを取り出す。一番上にもちゃんと書いてる。ローソンチケット(店舗控え)。
 ……。
 ……ちょっと、待て。
 カッコ店舗控えカッコ閉じ、ってなんだ!?
 暗い不安が胸をよぎる。これはいわゆる店舗控えであって(そう書いてあるし)、これでは入場できないのではないか?
 新幹線に乗って、ウキウキ長野に行く私。シャトル・バスに花束を持って乗り込み、ウキウキ座席に座っている私。エムウェーブに着いて、チケットを取り出した途端、係員にお断りされる。私、がっかり。手元のお花しおしお。
 ……そんな光景がリアルにマブタの裏に浮かんでくる。
 不安のあまり104で電話を調べ、買ったローソン店舗に電話。
「どうやら、渡し間違えですね。それでは入場できないと思います」
 電話口の向こうから、恐れていた事実が聞こえた。



 しかし、ローソンのI店長さんは続けていった。
「ローソン・チケットに交渉するなりして、なんとかします。すみません、少しお待ち下さい」
 電話のやりとりを何回か。
「店舗にチケットの方が残ってました!」
 I店長の明るい声が聞こえた。この時、既に時計は1時を回っていた。I店長は、タクシーでうちまでチケットを届けて下さるという。そこの店舗からうちまではタクシーで15分程度。でも、マンションの下まで車を入れるのも大変なので、駅で待ち合わせをする。
 ローソンのピンクとブルーのチケットホルダーを持った男の人を見たとき、私がどれだけホっとしたか、ちょっと表現できない。
 チケットを握り占めて家に帰ったら、既に2時を過ぎていた。しかし、私は幸せな気持ちで布団に入ったのだった。


2002/3/18

 朝、日本帰着。
 出張から帰ってきました。しかし、夜中00:30発で朝7:40帰着ってキツいなあ。だいたい搭乗後1時間は眠れないし、帰着1時間前には食事で起こされるし。(←ムリには起されるわけではない。私が食べ物の気配を感じて勝手に起きてしまうのだ)
 機内でお粥を食べながら、行きで見られなかった「世界ラリー選手権(WRC)2001総集編」を見る。昨年はマジメに見てなかったので、途中でユハ・カンクネンが出てたことに今ごろ驚いたり。サファリ・ラリーの頃から意識がなくなっていたのは気のせいか(笑)。最近、飛行機の着地のショックにも起きない私であーる。
 入国ですんごく時間がかかり、外に出るまでに時間がかかってしまった。しかし、毎度、税関で前の人やら横の人が止められて、スーツケースを調べられてるのに、私はいまだかつて調べられたことがない。よっぽどビンボーくさい顔なのだろうか。まあ、申告するものも特になかったのは事実なのだが。
 JRに乗って家まで帰り、会社に帰着連絡。
 仮眠を取って、夕方からちらっと会社へ。本日は部長の送別会があるので、どっちにしろ都内に出ないと。
 目黒の
I~rottah というお店でイタリアン。最近、イタリアンづいてるなあ。しかし、豪華ディナーよりも、こちらのピザの方がおいしく感じた。つくづく、庶民だったり。

 『冬のオペラ』(北村薫/中公文庫)読了。日本にいた方が読めるのは不思議というか、アタリマエというか。
 短編2本と中篇1本の3本の連作長編。
「人は名探偵になるのではない。名探偵に生まれるのだ」
と、いう名探偵・巫(かんなぎ)弓彦と、記録係を志願したわたし・姫宮あゆみの物語。爽快な読後感とは間違っても言えないのだが、非常に出来のいい作品だと思う。
 特に中篇。最後の最後でヤラレタ!と思った。少し人を選ぶ引っ掛けなのだが、知ってる人間にとってはたまらなくトリッキーな騙しだろう。
 北村薫は、醜い人間性、それもニュース性のある醜さではなく、日常的な醜さを書くのが非常に上手いと思う。身近な醜さなので、読み手が自分に重ねてしまうのだ。誰でも持っていて、「人間だもの」という言葉で片付けられそうな、それでも清廉な精神には重荷になるような。


2002/3/17


2002/3/16


2002/3/16


2002/3/15


2002/3/14


2002/3/13


2002/3/12

 さて、本日から出張。
 昨日は、出張で不在な分の仕事を片付けて片付けてヨレヨレで夜遅く実家に帰ってきた。取りあえず荷物詰めなんて後だ、後。寝るべし! 体力快復すべし!
 ……と、とっとと寝て、朝、8:00起床。飛行機の出発は11:25。家から成田までは車で40分ほど。90分前にShow upするにしてもヨユーである。ゆっくり朝食を取ってから、パッキング開始。まずはパスポート。
 ……。
 …………。
 有効期限切れであった……。2002年3月10日まで有効。おしい。
 ……などと言ってる場合ではもちろんナイ。
 実は、今回のためにパスポートを取りなおしていた。疲れきってボケボケの私は、どうやらその古いパスポートを持ってきてしまったらしい。新しいパスポートは東京のマンションだ。ここから2時間。行って帰って4時間。飛行機の出発までは、3時間。どう考えても間に合わない。
 一瞬、頭が白くなったが、ボケてる余裕さえなかった。
 とりあえず、荷物を5分でガっとまとめ、母に
「スーツケースに放りこんどいて!」
と、言って家を出る。とにかくパスポートがなくっちゃオハナシにならない。
 電車に乗ってるうちに9時になったので、会社に電話。航空券の手配をしてくれているところに連絡をしてもらうよう、後輩にお願いした。千葉県を脱出しないうちに担当のE江さんから電話があった。
「事情はうかがいました。シンガポールは夜便もありますが、ビジネス以外満席です。皆様に追いつくということを第一に考えると、一旦バンコクに飛んで移動というのはどうですか?」
 さて、私は無事に出張に出られるのだろうか。スタートから、あまりにもつまづきすぎのリオハの明日はどっちだ!   
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2002/3/11

 オフィスのビルでチャリティー・バザーがあった。
 何年か前から、グループ全体でハンディキャップのある子供をディズニーランドに連れて行くというボランティアを取り組んでいる。3日間の日程で、各社から実行委員を選出、付き添いは別途ボランティアを募る。今回のバザーの売上の一部は、その企画に使われるのだ。(それだけでは足りないので、別途社員から寄付もあつめられる)
 私がいるビルはグループ会社が色々入っていて、各社、不要のノベルティーを供出したらしい。弊社のマウスパッドもあった。
 10円。
 ミッキー・バスタオル、500円。などなど。
 その中に小皿があった。
「いかがっすか? 醤油小皿としても使えますよ」
と、これもボランティアの売り子さんがオススメしてくれる。そういえばウチに醤油皿はなかった。1枚50円。5枚ほど買ってみる。
 家に帰って、箱から出してしげしげと眺める。もともとミニチュアの飾り皿だったので、ミニ皿立てがついている……のはともかくとして、どーも皿の深みが足りない。これでは醤油をなみなみと注いだら、溢れてしまうではないか。
 かくして、醤油皿(元・飾り皿)は我が家で最も使えない食器となった。皆さん、ロイヤル・コペンハーゲンは醤油皿には向きません。はい。


2002/3/10

 昨日は到着が遅くなったのでホテルに泊まり、本日の「立花の催し」再チャレンジである。
 さて、天然のEちゃんは、何を考えたか
「らぶらぶの彼と来てね〜」
と、言って招待状をくれた。
 らぶらぶの彼……。
 ……。
 …………。
 ……それって、誰よ?
 とりあえず京都在住の
K-Inoue@丁稚どんに声をかけ、たまたま京都に来ていた地元の友達、五十嵐さんとどら3にもかけてみた。複数なら、会社で「リオハちゃんは、らぶらぶの彼と会場に来た」と、噂になることもあるまい。
 しかし、早朝、五十嵐さんとどら3は「味噌煮込みうどん〜」とスキップを踏みながら、名古屋に向かってしまう。(味噌煮込みうどんに負けた女・リオハ)
 会場は京都国際交流会館という蹴上にある施設。閑静な環境で鳥の音が聞こえるくらい。  立花の催しも、まず緋もうせんの上で和菓子とお濃茶が振舞われるゆかしいものであった。石畳の回廊を抜けて、別館の和室に入る。
 お部屋の仕立てからして、由来のある掛け物や置物でしつらえられ、私には敷居が高いくらいの高尚さ。"花手前"の間に入ると、すがすがしい青竹が横一文字に設えられていた。青竹を花器として、凛として艶やかな冬椿が何種類も生けられている。
 Eちゃんは、お部屋の隅で和服で微笑んでいた。
「よくいらっしゃいました」
 日頃から上品なEちゃんであるが、更に上品さ5割増である。三つ指をついてのご挨拶である。
「ら、らぶらぶな彼でーっす」(←遠い目)
 Inoueさんを紹介する私の冗談が、すっかり上滑りしていたのも致し方ないだろう。
 その後、夕方までまったりと散策(別名、歩け歩け大会)し、空港バスで伊丹へ。お疲れさまでした。

 伊丹で待ち時間があったので、『テニスの王子様』(許斐剛/ジャンプコミックス)を立ち読み。(するな)
 4巻まで読んで離陸30分前になったので、5巻を購入。いやあ、面白い。やっぱり、スポーツものは少年マンガだね。
 オリンピックを見て思ったけど、人間、誰だって優秀な人間には憧れるのだ。そんな優秀な人間をキッチリ主役に据えて、汗と努力ナシに読ませるのが面白いところ。ラリーでは汗を流すし、もちろんトレーニングもするけれど。
 キーワードは「負けず嫌い」だろう。そして、集団劇。モー娘や、ジャニーズJr.時代のマンガだわ。
 機内でさっさと読み終わり、羽田で今度は6、7巻購入(笑)。


2002/3/9

 同期のEちゃんはお嬢である。私のようなエセと違って、ホンモノのお嬢である。
 なにしろ、入社の時から彼女の腕にはロレックスがはめられていた。しかも、それがお祖母さまのものというあたり、由緒正しい。彼女がケリーバッグを持っていてもイヤミがないし、「ニセモノじゃ?」と疑う人もいない。これが人徳というものだろうか。
 ちょっと天然さんなところがあるが、それもお嬢さまとしてはアタリマエなのかもしれない。
 そんなEちゃんは習い事もお嬢である。お花はなんと京都に習いに行っている。(毎週行ってるわけではないが)
 その彼女から招待状をもらった。本拠地・京都でイベントがあるらしい。以前にもお花を習っている友達の発表会に行ったことはあるが、そんなのとはちょっと違う様子だ。巻紙の体裁も麗しく、招待状も格調高い。
 せっかく呼んでいただいたので、京都に行くことにする。実は予定が立てこんでいるので日帰り予定である。飛行機利用。予約はしていないが、大阪行きは便数が出ているので、乗れないこともあるまい。
 ……。
 ……甘かった。空席待ちの番号札を出してから、何度飛行機を見送ったことだろう。
「○○便の空席待ちは、空席待ち番号○○番までで締めきりました」
 空しいアナウンスに涙を浮かべて次のゲートに走る私。(←やや、創作入り) ふと気がつくと、羽田に着いてから4時間も過ぎている。
 関西空港行きの呼び出しを待つ間、同じ搭乗口の電光掲示を見る。
 函館行き、空席あり。
 もう、函館行っちゃおうかなー。「いかいか亭」でイカ刺し食べちゃおっかなー。昨日、隣の席の常務(元函館支店長)から、たっぷり函館の海の幸の話を聞いたばかりである。現地気温・10℃か。結構、暖かいではないの。
 そんな悪魔の囁きを振り払うように私の番号が呼ばれた。いそいそと搭乗し、関空へ。関空からはJRの「はるか」が出ている。
 朝9時30分に家を出た私が京都に着いたのは、夜18時であった……。
 と、いうわけで、立花の催しは明日に再チャレンジ。

 待ち時間に何冊か、本を購入。
 遠藤淑子の『スマリの森』に待合室で涙する。何度も書くが、ほんっとーーーーーに、絵が上達しない漫画家さんなのだが、ネームは極上と言っていい。
「母さん、悲しい?」
「ああ、悲しいよ」
 これだけのセリフで、こんなに人を切なくできる漫画家さんはそうはいないだろう。
 そして、同じ作家が「なんという悲劇、西城はヒデキ」と書くあたりがスバラシいぞ(笑)。
 この1冊のおかげで、5時間待ちがさして苦にならなかったという1冊。


2002/3/8

 会社のチームの懇親会。
 最初の予定だと、こじんまりした集まりになるはずだったのに、人事発令が出たせいで常務や部長も出席の総勢12名になった。場所はイタリアンの
アントニオ。私の席は常務と部長の間だった。
 私達のテーブルを担当してくれた人(仮にBさんとしよう)は、なかなかこなれた、人をそらさぬいい感じの男性店員さんである。お取引先のNさんに、ちょっと似てる。
 そういえば、Nさんは隣の席の次長が誉めまくりである。「いい男だよな?」と、同意を求められるのだが……えっとー。アントニオのBさんも、常務がやたら誉めている。この手の顔は、男受けするんだろうか。
 何度目かにBさんが私達のテーブルに来た時、常務が言った。
「あのさ……今までに何人くらい泣かせてるの? この人(と、私を指差す)が、どうしても聞けっていうもんだから」
 ……いいいいいいいい、言ってませんっよッ!?
 日頃、心をこめてお仕えしている私に、なんていう冤罪をっ。
 しかし、Bさんはさすがに接客のプロであった。にこやかに
「私、泣かされたことはあっても、泣かしたことはありませんよ」
と、お返事。常務は、「そんなことはないだろう」とツッコミながらも、その場は穏やかに収束していった。
 帰り際、預けたコートをBさんが渡してくださる。
「あの、本当に私が言えっていったんじゃないんですよ〜」
 しかし、こういうものはイイワケすればイイワケするほど逆効果になるのだった。


2002/3/7

 『魔法使いはだれだ』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/徳間書店) 読了。『ああ言えば…』より先に読みはじめていたのに、だらだら読んでいたら結構時間がかかってしまった。
 そう、物語冒頭から中程までは割とゆっくりペースなのだ。
 冒頭、イギリスの寄宿学校の教室に「このクラスに魔法使いがいる」とメモが置かれる。この物語の舞台は非常に現実世界に似ているが、魔法使いは迫害され、見つかったら火あぶりにされるという異世界。クラスの魔法使いも、見つかったら火あぶりの運命である。
 こんなドラマチックなはじまりなのに、でも、のんびり。それは、魔法の不思議よりは、学生の日常がすごくリアルに語られるせいだと思う。子供の日常や心理やら。思い出せば、小学生の頃はクラスの女王さまやオピニオン・リーダーがいたのだった。スポーツの出来る子は人気者になり、不出来な子は仲間はずれにされる。そんな子供の日常生活がリアルに語られ、ほとんど鬱陶しいくらいだった。
 これって好き嫌いなんだろうなあ。
 今、学生さんな人は私と違う感想を持つだろうし。(徳間書店では小学校高学年向けファンタジーと位置付けている) いじめられっこなんて、自分の状況と比べて暗い親近感を抱くかも。
 物語中盤、大魔法使い・クレストマンシーを呼び出すあたりから、ぐんぐんスピーディに面白くなってくる。ここから、学園ファンタジーから平行世界SFかSFミステリに模様替えをしてしまったかのよう。
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズは、オックスフォードで『指輪物語』のJ.J.トールキンに師事したという。英国本国では「国の宝」と呼ばれているらしい。
 確かに、大人が読んでも読み応えのあるファンタジーで、登場人物がひねくれてるあたりがイギリスらしい複雑さ。日頃、ほとんどファンタジーを読まない私にも面白く読めた……と、思う。


2002/3/6

 『ああ言えばこう行く』(阿川佐和子・檀ふみ/集英社)読了。昨年読んだ『ああ言えば、こう食う』も面白かったけど、続編のこちらも相当オモシロかった。久しぶりに本を読んで、声を出して笑った。
 壇ふみさんなんて、清純派美人女優として売ってらしたのに、こんな内容の出版物を出してしまっていいのだろうか。お仕事に差し支えるのではないだろうか。……なんて、余計な心配までしてしまうほどである。
 お二人とも、本当に頭がいいのだなあ、と、思う。人を笑わせる文章を書ける人というのは頭のいい人だと思うからだ。簡単なことを簡単に言うのは簡単だし、簡単なことを難しく言うのも割と簡単だ。本当に難しいのは、難しいことを簡単に言うことで、これはかなりの技術力がいる。文章力とか会話能力だったりの。
 まあ、そんなゴタクはどうでもよくて、ひたすら往復エッセイを楽しめば○の本である。
 前作に引き続き、お互いの暴露ネタにみちあふれた本である。悪口・罵倒……と、言ってもいいのだが、それがちっともイヤミじゃないのは「愛」あればこそだろう。(あとがきで、ダンフミも書いている) お互いについて書けば書くほど、アガワ・ダンフミが益々魅力的に見えてくるもの。
 しかし、なんでこんなに素敵な人が売れ残っているんでしょうねえ(笑)。その「売れ残り」でさえネタにして、人を笑わせているお二人を見ると、ちょっと自分の未来予想図……。


2002/3/5

 同僚のマメちゃんだが、本名のどこにも「マメ」は入ってない。彼女の本名はミエコと言う。
 マメだからマメちゃんと言うのだと、私はずっと信じてきた。しかし、違ったらしい。小さい頃舌が回らずに自分のことを「マメちゃんはね……」と言っていたのが生き残ったらしいのだ。(ちなみに、会社でそう呼ぶのは私くらい)
 さて、彼女には2人の姉がいる。一人はイギリス人嫁ぎ、現在イギリス在住、2人のお子さんがいる。
 このお姉さんの結婚式はイギリスであった。
 英国風にガーデンパーティで、緑の中、美しくしつらえられたテーブル。テーブルの上には優しげなフラワーアレンジメント。しっとりとした雰囲気の食器とカトラリーの脇に、花文字も麗しくお席を知らせるネームカードが置いてある。ミス・ミエコが座ろうとしたお席にも、もちろんカードがある。そこには、こう書いてあった。

 MAMECHAN SUZUKI

 義兄の家族(イギリス人)は、「マメチャン」が彼女のギブン・ネームと信じて疑っていなかった。
 今でも彼女はイギリスで、「Mamechan」と呼ばれているそうだ。義兄の家族がいつ頃真実に気がついたのか、聞いてみたい気もする。(まだ気がついてなかったりして)

*なお、SUZUKIは仮名です


 kさんとデートでございました。
 以前から通っている涼風さんのところのオフ会。私はここでkさんにプロットを見ていただいている。(kさんは、プロの観点から私のプロットのアラにご指摘下さるという、誠にありがたーい存在でございます)
 昨年、個人面談大会の時があり、その時は私は面談をしていただいていなかった。(これは、私のせい) お時間を取っていただけるということだったので、今回お願いしてみたのだ。
 色々お話お伺いできて、すっごくタメになったし、面白かった。
 こういう言い方はナマイキなのかもしれないが、kさんが作品を世の中に提供していくポリシーで「エンターテインする」ということがあると思う。「エンターテインする」というのは、私のテーマでもある。その根っこが共通なので(←ここいらがナマイキ)、kさんのお話は私のコヤシになるし、面白いのだ。
 これはたぶんマンガでも小説でも映像作品も同じなんだと思う。
 「エンターテインする」という基本姿勢で作られている作品には、私は拍手したい。たとえ、作品の出来・不出来はあるとしても(笑)。
 HPもそうじゃないかと思うのだ。
 自分がどこまで出来てるかわからないけれど、エンターテインさせる姿勢がないHPってイカンと思う。今、エンターテイメントHPになってなくても、それは全然かまわない。姿勢の問題だから。
 個人でのサイト運営は色々タイヘンだけど、そういうサイトと管理人さんを私は応援してる。


2002/3/4

 同僚のマメちゃんと話していたら、「自分がどれだけ地味で寂しい生活をしてるか自慢」になった。
 そんなのもどうかと思うが、こういう自慢大会になるとお互いに気合が入ってしまう情けない二人なのだ。まあ、結果から言うと、今回は私の勝ち。
「私なんて先月の通話料、30円なんだから!」
 この一言が決め手となって、つかんだ勝利である。
 そう、うちには電話がかかってこない。FAX機能付きのくせに、購入以来、1枚もFAXを受け取ったこともない。台所掃除に邪魔なので(電話線の都合で、FAXはなぜか台所にある)捨ててしまいたくなることも度々であーる。
 しかも、この30円、妹がかけたものらしい。
 基本使用料だけじゃ勿体無いので、そろそろ解約しようかと思う今日この頃。


2002/3/3

 結露。マンションの困り物。
 しかし、私はマンションに住んでいながら、この結露に悩まされたことが一回もない。人が来て凍えるほどうちの部屋が寒い。……ということはなく(……あるかもしれないが、それでも外よりは暖かいぞ)、ひたすら換気が良いせいであーるっ。
 そう、うちのサッシはチャチい。
 築25年という歴史と風格の重みの私の部屋は、サッシももしかしたら25年前のものである。すきま風バッチリ。5階のくせに前の道路を歩いている小学生の会話もバッチリだ。
 私の部屋がそんな感じなので、今、マンションのあちこちでリフォームの手が入っている。ポストには「内装工事のお知らせ」のお知らせが売れてないマンションの広告のように頻繁に入り、先月はなんと真下の部屋と隣の部屋で同時にリフォーム工事がされていた。
 この音も、直接接しているのと、チャチなサッシのおかげでバッチリである。
 と、いうわけで、休日は落ち着かない。


2002/3/2

 実は、私、行きつけのパン屋もある。
 実家の駅前の無添加が売りのパン屋で、手づくりのカスタードを使ったクリームパンがたいそう美味しい。10年以上も通っているので、お店のおばさんもおなじみである。
 昨日、帰りにお土産にパンを買った。今日は、昼食用に出掛けにパンを買う。種類が多いので飽きないのだ。
「アンタ、昨日、うちのお父さんが誉めてたよ。キレイだって」
 レジでおばさんが言う。ご主人は、普通、奥でパンを作っていらっしゃる。私のことは、遠ーくから見たらしい。(遠くからというところがミソ) えへへへへ、と照れ笑いをしながら、商品を受け取る私。
「だからさ、うちに来る時はもうちょっとキレイにしてなきゃダメだよ」
 ……その時、私はすっぴんであった。
 色々なところで説教される私である。


2002/3/1

 さて、3月になった。
 本日、来てみたらイキナリ人事発表が出ててびっくりした。
 私が異動するわけではないが、大幅に回りの入れ替えがある。3月1日発効。本日中にシステムの移動をしろって、そんなご無体な。
 そういえば、4月1日から組織改正もある。
 うちの部署は、どうも会社の鬼っ子らしく、やたら組織改正の標的になるのだ。名前も私が異動してから3回か4回変わっている。担当役員なんて、6回は変わったんじゃないだろうか。
 既に、年に1回は名刺の刷り直しをしないと春が来た気がしないぞ。



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