文学雑誌「メランジュ」web版 |
編集室より 詩 「夜に咲く花[日]」/ 小説 リレー小説 |
編集室より
芸術家になるには 私は芸術家や無から何かを創り出すクリエーターには生まれついていないと何かにつけて思う。 人間には,感覚的機能を司る右脳が,言語機能と理性を司る左脳より発達している人と,その逆で左脳が右脳より発達している人とに分かれる。 異国の地で母国語ではない言葉で勉学に励みながら,言葉というのは多くを意味するんだと思うようになった。 また,言葉というのはその語の正確な定義よりも言外の意味を多く含む可能性もある。 言葉の言外に含まれる部分を習得するのが私のような語学学習者には一番大変だ。 ある言語をマスターするとは暗記するだけではなく,それ以上のことだ――その奥にある何かを「感じる」ために。 自分の日本語の小説を英語に訳すのは至難の業だった。それは単に日本語で書かれているというだけではなく,それぞれの言葉が組み合わさって独特の雰囲気を形成している。 それでも,完璧は不可能だとしても,よりよい英語の知識を身に着けよう,原文の複製を作り出そうとする適切な翻訳を心がけようとする努力により,壁はある程度乗り越えられると信じている。 詰まるところ,私は生まれ持っての芸術家ではないが,この「メランジュ」の中では「書き手」になることはできた。 雑誌「メランジュ」はここで終わりを迎えるが,私は何らかの形で書き手であり続けるだろう。
全ての皆様に感謝して |
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