親分の毎日

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10/30/05

イニューと一緒に床にごろんと転がりながら、私の両親が送ってくれた日本のテレビ番組が録画されたビデオをのんびり見る。私の大好きな石ちゃん(ホンジャマカの石塚)が、汗をダラダラ流しながらアツアツのカツ丼を食べていた。それはそれはもうこの世のものとは思えないほど美味しそうに食べていた。石ちゃんの幸せそうな顔と、カツ丼からほわほわとあがる湯気の画面に釘づけになりながら、「あぁ〜!」とか「うゎ〜!」とか言葉にならない唸り声を上げている私を、キヨシ君は笑いながら見ていたが、キヨシ君にはきっとこの「カツ丼食いてぇ〜!」という私の心の叫びがいかに深刻なものであるのかがわからないに違いない。

まぁ、カツ丼ぐらいならこっちで作ろうと思っても材料調達に困るようなこともないと思うので(さすがに三つ葉は売っていないだろうが・・・)、近いうちに豚肉を買って来てカツを揚げ、それでカツ丼を作って食べてみようと思う。親子丼ならたま〜に作って食べていたのだけれど、私は揚げ物をするのが好きじゃないので、5年前にこっちに越して来てからというもの、ただの一度もカツ丼を食べた事がなかったのだ。あぁでも。石ちゃんが食べていたあの四ツ谷の50年の歴史を誇るカツ丼専門店のカツ丼。私はアレがどうしても食べてみたいのだ!!!


10/28/05

キヨシ君はただいまチベット僧の講演を聞きにUAFに行っており不在。フライデーナイトだというのに、ご苦労様なことだ。ちなみに私も「親分も一緒に行こうよ〜」としつこく誘われたのだけれど、「私は明日も仕事あるし」とやんわりとお断りし、こうしてイニューとお留守番しながら料理をしたりネットをしたりして変わり者の夫を自宅でのんびり待っている。チベット僧から仏教の教えを学んでくるドイツ系アメリカ人のキヨシ君に、日本人の妻が用意した今晩のご飯:ベジタブル・クスクス(アフリカ料理)。なんだかすごく多国籍な感じ!!!


10/27/05

とうとう妊娠34週目に入り、あと6週間ちょっとで予定日、という信じられないことになっている。お腹もだいぶ重くなってきて足腰の痛みや静脈瘤がひどくなってきた。あぁ〜、早く赤ん坊出てきてくれないかな〜・・・。毎晩ベットに横になる前に、私が「一番苦しくないポジション」で寝るためにあーでもない、こーでもない、と3個の枕を膝の間に挟んだりお腹の下に敷いたり背中にあててみたりしている私を見るたびに、キヨシ君が「親分がまた巣作りしてる。」と笑う。しかしそんな苦労をしてせっかく寝入っても、すぐにおしっこに起きなければならないので、その「巣作り」は夜中2〜3度は必ず繰り返されるのだ。ぐっすり寝ているキヨシ君とイニューが本当にうらやましいよ!

さて、昨日の夜、私達はひさびさにキヨシ君の友人、トレステンとレベッカの家に遊びに行って来た。この2人は来年3月に結婚する予定。トレステンは私達の結婚式ではグルームズマンを勤め、レベッカは私の投げたブーケをキャッチした張本人だ。2人とも大学で野生動物生物学の修士号を取りながら、水道も電気も(!)通っていないキャビンで暮らしている。日中の「最高」気温がすでに氷点下から上がらないこのフェアバンクスなのに、トレステンが研究の合間を縫って自宅の外に「どんな巨大で重いものでも、遠くへぶん投げられるマシーン」というものを巨大な丸太を使って建てたので見に来い、と言われたのだ。全く訳がわからない。さすがキヨシ君の長年の友人というだけはある。

実際見に行って見ると、果たしてそれは本当に巨大なマシーンなのだった。そしてそのマシーンに巨大な石を男3人がかりでセットした後、興奮気味に「いいか、皆、これからこれを飛ばすぞ!」と言うトレステンの合図と共に、その巨大な石は空を飛び、バサバサッ、ドスン、という音を建てて近くの森の中に落ちた様子。(というのも、夜だったので皆良く見えなかったのだ。)男達は「おぉー!」と雄叫びを上げ、女達はそのばかばかしさに笑い声を上げた。とにかく意味がわからない。(笑)イニューもトレステンとレベッカの犬、ビョーカ(マラミュートという巨大なハスキーのような犬種。体重が私と同じぐらいある。)と掛けまわりながら興奮している。

その後は薪ストーブの燃える彼らの温かい家に戻り、レベッカの焼いたチョコレートチーズケーキを食べながら皆でお喋りをしながら過ごした。ひさしぶりに友人達と過ごす、楽しい夜だった。


10/21/05

11月の頭に、職場の同僚達が私の為に「ベイビー・シャワー」を開いてくれると言う。ベイビーシャワーとは、もうすぐ出産、という妊婦のために、家族や友人がプレゼント(ベイビーグッズ)を持ち寄って開くパーティーのこと。ありがたいことです。

話は変わって。今日、仕事中ドクターと同じフロアで働くナースとの3人で私の受け持ちの患者さんについて話し合っていた所、2人が急に話をやめてシーンとしてしまった。何か変なこと言ったかな〜と心配しつつ、「何?」と聞くと、2人はじーっと私のお腹を見つめながら「今、動いたよね?」「うん、動いた。私も見た。」と確認しあっている。その後も私の赤ん坊はぼこぼこと私のお腹を蹴り、「あぁっ!また動いてる!」と叫ぶ2人の声につられてやってきた他の同僚達にまで囲まれて、私はすっかりナースステーションでの見世物になってしまったのだった。


10/17/05

私のスイカのようなお腹に大きな手をあて、強くなってきた赤ん坊の胎動を感じながらキヨシ君一言。

「どうしてもエイリアン(映画)を思い出しちゃうんだよね。」

私の赤ん坊は私の腹を突き破って出てくるのか。そんなの嫌だ。


10/16/05

今日でちょうど妊娠32週。明日から33週目に入る。あとたったの8週間で出産だなんて、なんだかまだ実感が湧かない。その反面、トイレが近くなってなかなか夜ぐっすり眠れなかったり、腰や足の付け根が痛くなったり、胸焼けがひどくなる度に、「あぁ早く出てきてくれないかなぁ」と思ったりもする。

仕事はまだまだ続けていて、実は出産予定日の数日前までフルタイムのままで(週4日だけど)病棟で働く予定なのだ。日本じゃ考えられないだろうけど、こっちじゃ珍しくもなんともない。日本のように、産休が丸一年とか簡単に取れる訳じゃないからだ。ちなみに私の働いている病院では、取れても4ヶ月半が最高。なので出産ギリギリまで働いて、出産後にその産休を使おう、というわけなのだ。実はキヨシ君も、私の出産後「maternity leave」ならぬ「paternity leave」を1ヶ月ほど取って、一緒に育児をしてくれる予定になっている。

日本の友達は「職場で破水なんかしたらどうするの?」と心配してくれているようだが、私の働いている内科系一般病棟と、産科は同じフロアにあるので、産科に歩いて行けばよいのだ。なにかあっても、職場だったら周りは医者やナースばかりなので安心だし。(笑)自宅で破水したらキヨシ君を呼んで、寒い(多分マイナス30〜40度ぐらいにはなっているだろう)中を車のエンジンを温め、温かい服装に着替えて車に乗り込み、運転して病院まで行かなくてはならない。そんな手間を考えたら、職場で仕事中に破水して分娩が始まってくれた方がはっきり言って楽なのだ。

まぁ、そううまく計画通りに行くかどうかは別として。


10/12/05

日本は紅葉狩りの季節だったりするのだろうが。こちらはすでに雪が積もり始めて道路がつるっつるの状態。気温はすでに氷点下。うちのトヨタカローラ君も、昨日とうとう冬用タイヤに替えてもらってきた。ブリジストンのブリザック。いや〜、ブリザックって高いんだねぇ〜。これまでは一番安い普通のスタッド付き冬用タイヤを使っていたのだけれど、キヨシ君が「この冬からは親分とお腹の赤ん坊の為に安全第一で行く」と奮発してブリザックタイヤに大金をはたくことにしたのだった。頼むよ、ブリザック。どうでもいいけどブリジストンって日本の会社ですよね。(石橋さんという人が興した会社なのでブリッジ・ストーンからブリジストンになった、と聞いた記憶があるんですけどそれはガセですか?)やっぱりアメリカでは日本製のものはなんでも信頼度が高いようだ。


10/11/05

日曜日にキヨシ君と一緒に”Bradley Method Childbirth Class”というのを受けてきた。このブラッドリー法というのは、薬を極力使わない自然分娩法で、またの名を"Husband Coached Childbirth"というだけあって、夫の積極的な参加に焦点が当てられている。自然分娩法なんて日本では珍しくもなんともないとは思うのだけれど、実際アメリカでは出産には腰椎麻酔(Epidural)を使うのが一般的なので、「自然分娩でいく」などと言うと皆に「えー!麻酔使わないの?!正気?」ぐらいの勢いで驚かれてしまう。

ブラッドリー法では、夫がコーチとなり、妻が陣痛に苦しんでいる時などにリラクゼーション法を使ってガイドする。クラスでは様々なリラクゼーション法を学んだり、子宮口を開く体位やエクササイズ(夫に支えてもらいながら大股開きでしゃがむとか。笑。)、呼吸法(ラマーズ法とはまた違う。)をパートナーと一緒に練習したり、薬を一切使わないことの利点なんかを学んだりした。一番良かったのは夫達が陣痛に苦しむ妻に出来るマッサージ法なんかを学んでいたこと!いや〜、活用して欲しいねぇ〜。陣痛の時だけじゃなく、いつでもしてもらってかまわないんだけどねぇ〜。(笑)

私の主治医のM先生もブラッドリー法で第一子を出産し、「自然分娩でいきたいんですけど」と希望した私にブラッドリー法を薦めてくれたといういきさつがあるので、キヨシ君が妊娠期間中から分娩時まで積極的にチームの一員として参加することをとても喜んでくれている。妊娠期間中の健診にもキヨシ君は必ず付いてくるし、分娩だってもちろん立会い分娩になるし、どんな処置があろうともキヨシ君が私から引っぺがされることは決してない。陣痛が始まって病院に着いてからも、トラブルがない限りはキヨシ君がコーチとなり、ドクターやナースは「なにかあった時のための助っ人」として私達をサポートしてくれることになっている。

というわけで、責任重大なキヨシ君。一生懸命質問をしたり、メモを取りながら授業を受けておりました。(笑)ビデオで様々な出産シーン(もろ見えなやつばかり)を見ながら、口をあんぐり開けてビデオ画面と私の股間を交互に眺めていたキヨシ君。頼りにしてるぞ!


10/6/05

ちょっと前の話になるのだが、キヨシ君と眠りに入る前のひとときを「自分が死んだらどの様に埋葬して欲しいか」というお題で盛り上がって過ごしたことがあった。(いったいどんなロマンチックな話で盛り上がってるんだよ!という突っ込みは無しでお願いします。)というわけで私達の希望をここで公表。

親分:「日本じゃ火葬が普通だけど、アメリカはたいてい土葬だもんねぇ〜。でも私はやっぱり焼いて欲しいかなぁ〜。そしてその骨やら灰を大好きなアラスカの土地に還して欲しいなぁ〜。あぁ、でももし私が若くして死んだら、うちの日本の親が骨でもいいから娘を手元に置いておきたい、って言うかもしれないから、日本に送ってもらって、埋めてもらうってのもいいかなぁ〜。キヨシ君、私の骨が日本に行ってしまったら寂しい?私の遺骨、手元に置いておきたい?」

キヨシ:「ううん、全然。日本に送ってあげる。」(さらりと)

親分:・・・。(ちょっと寂しい。)

キヨシ:「う〜ん、僕はねぇ〜。・・・焼かれるのも嫌だけどそのまま地面に埋められるのも嫌だなぁ〜。How about... Oh、I want to be boiled!(いかにも「これ、名案!」という感じで。)」

親分:(ちょっと待て。今、この人、I want to be boiled って言ったよ?茹でられたいわけ?)「茹でるってなによ?!どうやって茹でるんだよ!!!」(ここで親分こらえきれずに爆笑。)

キヨシ:(ウケを狙ったわけではなさそうで、笑われてちょっと焦っている。)「じゃ、茹でなくてもいいよ!Then、 I want to be pickled!」

親分:「Pickled?!漬けられたいのかい?!ピクルド・キヨシ?!キヨシ漬け?要らないーーーーー!怖いーーー!」

というわけで、私は火葬後遺骨を半分アラスカに撒かれ、半分日本の家族に返してもらうことを望み、キヨシ君は茹でられるか漬けられた後、その辺の山奥に放置され、生前大好きだった動物や微生物の餌となり、自然に還ることを望みます。


10/3/05

キヨシ君のリクエストにお答えして、スプリット・ピー・スープ(緑色の豆のスープ)とルバーブ・ストロベリー・クリスプ(ルバーブというものすご〜く酸味の強い植物とイチゴを使ったデザート)を作る。我ながらなんという良妻。(笑)キヨシ君と結婚した当初はたいてい日本食を作っていた私なのだが、ここ数年でこっちのレシピも色々と覚え、今までに見たことも聞いたこともなかったような食材を使って料理ができるようになった。

スプリット・ピー・スープを作るのは今回が2回目なので味も上々。しかしルバーブ・ストロベリー・クリスプは初挑戦。ルバーブを使ったデザートはこっちに来てから何度かご馳走になって、あまりに美味しいので一度自分で調理してみたいと常々思っていた。アラスカン達は夏の間家庭菜園でルバーブを育ててそれを使う人が多いようだが、スーパーの果物売り場をチェックしているとたま〜に売られていることがある。もう時期が終わってしまった頃だろう、今年中にルバーブを手に入れるのは無理か・・・とあきらめかけていた昨日、思いがけず立派なルバーブが売られているのを見つけたのでさっそく買って来て調理してみたというわけだ。

日本でルバーブって手に入るのかな・・・。私は日本では見たことも食べた事もないのだけれど・・・。簡単に説明すると、見た目はもろ立派な「ふき」です。(笑)そしてふきのように、茎の所を食べる。(巨大な葉っぱの所は食べない。)ルバーブの茎は外側が緑色ではなく、赤いのだが。味はとにかく酸っぱくて、ちょっと渋みがあるので必ず大量の砂糖と一緒に調理する。しかし今日はキヨシ君が「あまり砂糖を入れ過ぎないで!酸っぱくて渋いままにしておいて!」と言うので、砂糖を少なめに使って調理。スライスしたイチゴとルバーブに砂糖をまぶし、その上にオートミールベースの生地(オートミール、バター、小麦粉、ブラウンシュガー、シナモン、オールスパイス、ナツメグ)をのせてオーブンで焼く。オーブンから甘酸っぱい匂いがしてきて、上に乗せた生地がカリカリになり、そのまわりからルバーブとイチゴの真っ赤なジュースがぶくぶくと泡立っているようだったら出来あがり。アツアツのところをお皿に盛って、バニラ・アイスクリームと一緒に食べる。

アツアツの甘酸っぱいクリスプと、冷たくて甘いアイスクリームを一緒に食べると本当に美味しいのだ。キヨシ君にも「甘すぎなくて美味しい!親分、でかした!」と大好評。たぶん来年の夏まではルバーブは手に入らないだろうが、また一つ新しい食材の調理の仕方を学んで満足できた夜だった。


10/2/05

2人一緒のお休みの日曜日。最近仏教にはまって「宗教」について深く考え込んでいるキヨシ君が、ユニタリアン・ユニバーサリストの日曜礼拝に行ってみたい、というのでついていくことに。

日本に住んでいた頃はキリスト教についてなにも知らなかった私でも、アメリカという国に5年も住んでいるとさすがに宗派の違いについて少しはわかるようになる。カソリック、その教えに反発して次々に宗派分かれして出来たプロテスタント系。キヨシ君のお母さんはそのプロテスタント系でもかなり初期に出てきたルーサロンを信仰している。というわけでキヨシ君はルーサロンの教会で赤ちゃんの時に洗礼を受け、ルーサロンの教えを学び、クリスチャンとして育てられてきた。

しかし実家を出て大学生活を送るようになったキヨシ君、哲学専攻の「考える青年」であった彼(笑)は、そのルーサロンの教えにも疑問を抱くようになり、キリスト教から一旦離れることになる。その後は皆さんもご存知の通り、東洋哲学に興味を持ったキヨシ君は仏教、信徒の勉強を始め、それらとキリスト教の比較になが〜い時間をかけて熱中している。

ユニタリアン・ユニバーサリスト(以下UU)というのはかなり新しい宗派らしく、世間一般のクリスチャンからは「怪しげなもの」として扱われているらしいが(笑)、その教えにはこの私にも納得できるものがある。つまり、UUが言わんとしていることは、「すべての宗教を尊重し、お互いの自由を認め合おう。」ということなのだ。カソリックであろうが、プロテスタントであろうが、仏教徒であろうが、イスラム教徒であろうが、個人が信じているものを「尊重」することの大切さ、その個人の信仰の自由を守ることに一番の重要性を置いている。

キヨシ君と一緒に行ったUUの日曜礼拝(こちらでは”サービス”という)は、私がこれまでに行ったことのある教会(キヨシ君と私が結婚式をしたルーサロンの教会含む)のサービスとはかなり趣が違うものだった。まず、小さい。(笑)そして全然かしこまっていない。集まっている人の柄が違う。(ヒッピーそうなおじさん、おばさん、そしてお年寄り達が多かった。)サービスの内容もなかなか面白く、「それでは、これからUUの一番聖なる儀式、コーヒー・タイムの時間です」というくだけた締め(笑)で1時間ほどのサービスが終わり、皆が席を立ってコーヒーを飲みながらおやつをつまんで立ち話大会に入るまで、この私でも退屈せずに過ごすことが出来た。

クリスチャンというのはたいてい保守的なものなのだが、「ここまでリベラルな教会というのは多分ないだろうね」とキヨシ君が帰りすがら言って笑った。きっとそうだろう。でも私はこんな宗派が出来てきてもおかしくない頃だ、とも思う。宗教の違いから私達が起こしてきた数々の戦争、「信じるもの」の違いだけで、これだけの人が死んできた歴史を振り返り、「もうこんなことはやめよう、いったい誰が”これが正しくてこれが正しくない”と言いきれるのか、お互いの信仰を尊重し、個人の自由を守って平和に暮らすことはできないのか」と疑問を持つ人は少なくないはずだ。

UUの日曜礼拝では、キリスト教だけではなく世界中の様々な宗教の教えから色々と学ぼう、私達の知らない異国の宗教の理解を深めよう、という企画が多く、今月末にはチベットからの僧を招き、話を聞くというスケジュールが組まれているらしい。キヨシ君がそれを聞いて喜んだのは言うまでもない。(笑)UUを「怪しげなヒッピー達の集まり」と言うクリスチャンは多いだろうが、少なくともキヨシ君と私にはUUの教えの方が他の宗派の教えよりもずっと「まとも」に思えるのだった。


10/1/05

昨日は私の31歳の誕生日だった。31か。響きがもう「若くない」。いいんだけどさ。キヨシ君から素敵なカードとバースデープレゼントとしてPDA(手のひらサイズのコンピューター。前々から欲しかったのだ!医学辞典や治療薬マニュアルなんかをインストールして、職場でささっと調べ物が出来るという優れもの!)をもらい、外で食事をご馳走になった後は、一緒に地元のちょっといいコーヒーハウスでブラックベリーパイとチョコレートチェリーパイを一つづつ頼んでわけあって食べた。これがまた天にも昇るほどの美味しさ。(笑)2人で地元で美味しいものを食べ、のんびり一緒に過ごせた素敵な誕生日だった。

夜遅くに帰宅してから、次の日は朝7時から勤務だというのに待ちきれずにPDAの箱を開け、あーでもない、こーでもない、と四苦八苦しながらようやく私が治療薬マニュアルのフリーソフトをネット上からPDAにダウンロードし終えたのが夜中の2時。キヨシ君にすっかり呆れられてしまったが、これがとにかく、すごい!現在アメリカで使用されている治療薬すべての最新の情報が、いちいちナースステーションに戻って分厚い本を開いて調べたり薬局に電話で問い合わせたりしなくても、ポケットからささっと取り出したこの小さなPDAでさくさくっと検索できるんですから。(興味のある医療従事者の方はこちらのウェブサイトを参照→http://www2.epocrates.com/index.html#content)作用、副作用なんかはもちろんのこと、コストまで一発でわかるという優れもの。今後はこのソフトウェアの他にも医学辞典や臨床検査辞典なんかもインストールして職場でバリバリ活用する予定。キヨシ君が買ってくれたPDAは PalmOne シリーズの Zire72 なのだが、カレンダー、アドレス帳、デジカメ、ボイスレコーダー(!)、その他もろもろすごい機能が満載。この私に使いこなせるようになるまではかなりの時間を要するものと思われるが(笑)、大切に使わせてもらいます!ありがとう、キヨシ君!


9/28/05

そろそろ来るかとは思ってましたが。とうとう今日初雪が降りました。フェアバンクスの長〜い冬の始まりです。

日本にいた頃は「うわー!初雪だー!綺麗だな〜!」と毎年喜んでいた私も、さすがにフェアバンクス生活5年にもなると「とうとう来てしまったか・・・」というがっくり感の方が強く。だって寒いしー!そして暗いしー!・・・しかしこうして嘆いてばかりいても仕方ないので、「ま、いっか。オーロラ見れるし」と自分を励ましつつ、腰を据えてアラスカの厳しい冬を迎えるしかないのだろう。

さて、9月も残す所29日(キヨシ君と私が付き合い始めた記念日)、そして30日(私の31回目のお誕生日)を残すのみとなり、あちこちのお店ですでにハロウィーン用の飾り付けやコスチュームが売り出されるようになった。数日前、スーパーでキヨシ君と食料品の買出しをしている時に「ひょっとしてそろそろ・・・」と野菜売り場をチェックしてみると・・・。やっぱりありました!「日本のカボチャ」が!こちらでは普段オレンジ色の巨大なカボチャか、黄色の小さな瓜のようなものしか手に入らないのだけれど、ハロウィーンシーズンのみ、珍しいカボチャを色とりどり、形もさまざまなものをそろえて店頭に並べるスーパーが多いのだ。私が言う「日本のカボチャ」は、Buttercup Squash として売られていた。そうです、外が緑で、中がオレンジの、まさしく「日本のカボチャ」!例年の様に丸ごとひとつ買い、さっそく今日、1年ぶりに「かぼちゃの煮つけ」を作って食べる。やっぱり日本のカボチャはおいしいなぁ。


9/24/05

今日は土曜日。キヨシ君は仕事がお休みだが、私は今日も出勤。うちの病院ではカルテも看護記録もすべてコンピューター化されているのだが、出勤して2時間ほどした頃にそのコンピューターシステムがダウン。検査結果も見られないし、記録も出来ないし、検査のオーダーもままならない。ドクターはいつもならコンピューターを見れば一発でわかる患者の容態を、いちいち担当看護師を見つけて口頭でレポートを受けているような状態で。(今朝の血圧はどうだった?とか昨日の対診の結果はどうだった?とか。)こういうことを言うと年寄りくさい、時代遅れだと言われそうだけど、実際にこういうことが起こるから、コンピューター化は嫌なんだよな〜。今日は2〜3時間ほどでシステムが無事復旧したので良かったようなものの。手書きのカルテや看護記録が恋しい私です。

さて。キヨシ君とキヨシ父は、今「日本の軽トラ(農家でよく使われる、スズキなんかの白い軽トラック)」に夢中。北海道の親戚の家に滞在した際、キヨシ君が「こ、これは!なんて小さくて効率が良さそうなトラックなんだ!こんなのアメリカでは見た事がない!」とひそかに感動し、ビデオをとりまくってきて、キヨシ父に見せたのが始まりなのだが。アメリカ人の浪費癖、環境を配慮しない資源の無駄遣いを常に嘆いているキヨシ父は、案の定「Neat!!こんなefficientそうなトラックを作るなんてさすが日本人だ、タフで石油をバンバン使うだけのトラックを乗り回すアメリカ人にはない発想だ!」と大感激。やっぱり親子。日本では何かとバカにされている「軽トラ」も、キヨシ君とキヨシ父にかかれば「欲しくても手に入らない、外国の素敵なトラック」なのだ。どうでしょう、スズキ、軽トラ、アメリカで売り出してみては。(笑)


9/20/05

キヨシ君は今「仏教」に夢中で、なにやら小難しそうな「仏教の教え」を説く本を大量に図書館から借りてきて黙々と読んでいる。元々大学では哲学専攻だし、東洋哲学に興味を持っていたキヨシ君なので仏教については私よりもずーっと知識が深かったのだが。(だいぶ前に「座禅」に夢中になっていたキヨシ君のことをここで書いたので、覚えていらっしゃる方も多いだろう。)産まれた時から、敬虔なクリスチャンであるキヨシ母にクリスチャンとして育てられたキヨシ君が、なんでまた「仏教」。やっぱり彼の前世は「僧侶」だったに違いない。

そう考えると、何もかも説明がつく。彼は小さな虫でさえ絶対に殺せないし(道を歩いていて小さな毛虫を道路の真ん中に見つけたりすると、「車に轢かれたりしたら大変だ」とそれを拾って道端の草むらまでの横断を「お手伝い」したりしている。)、どんな食べ物でも捨てられないし、(食べ物だけじゃなく何でも捨てられない、という話もあるが。)、肉は食べられるけど好きじゃないし、痩せているし、頭髪がすでにヤバイぐらい薄い。(←いや、これはちょっと違うかもしれないけど。僧侶達はハゲじゃないもんね。あれは剃っているのよね。)

そして彼は何があっても「切れる」ということがない。生まれてこの方「ケンカ」らしいケンカをしたことがない、というし、私も彼が本気で怒ったのを一度も見た事がない。言い争いさえしない。なんで?と聞くと、「ケンカや言い争いでは物事を改善することができないから。」などと言う。お前は長老か!

そんなキヨシ君がこんな短気な嫁と気分屋の犬と暮らすことになるとは、運命って本当に不思議。


9/18/05

今日も雨。せっかくキヨシ君と一緒のお休みなのに雨。こんな雨の中、彼は私達の土地に境界線のマーカーをつける、とトラックで出かけて行きました。今ごろびしょびしょだろうなぁ〜。

というわけでイニューと私はお留守番。ベーコンと根菜のスープをコトコト煮こみながら、平和な日曜日を過ごしている親分です。実は昨日、土曜日もキヨシ君と一緒のお休みだったのだけれど(週末2人一緒のお休みってなかなかめずらしいのだ。)、なんと金曜の夜10時ごろ就寝した2人が起きたのは土曜日の午後2時半。寝過ぎだ・・・。いい訳をさせてもらうが、私は朝9時半にちゃんと目を覚ましたのだ!そして簡単な朝食(オートミール)を作り、それをひとりで食べて、なかなか起きてこないキヨシ君を「朝ご飯できたよー」と起こしに行った。そしてそれでも頑固にグーグー寝ているキヨシ君の背中にくっついて、私もいつのまにか二度寝してしまったというわけ。ようやく起きて着替えをしているキヨシ君に、ベッドの上から「今何時〜?」と聞いて「午後2時半」と答えが返ってきた時は驚愕したね。せっかくの一緒のお休みをただ寝て過ごすとは!!!

別にお休みなのでどのように過ごそうといいのだけれども。なんとなく損をした気分の私は、「夜遊び」しよう、と嫌がるキヨシ君と喜ぶイニューを連れだし(イニューは車に乗るのが大好きなのだ)、車で24時間営業のスーパーへ行き、ドーナツを買い、雑誌を立ち読みした後、閉店間際のカフェでお茶をしながら(キヨシ君が「親分、カフェインはダメ!」と言うので、まずいハーブティーを飲んだ。)本を読み、そしてピザを買って来て夜中に自宅でテレビを見ながら食べたのだった。私達の「夜遊び」ってこんな程度・・・。


9/16/05

「今日は日記のネタがないよ。何を書いたらいいかな?」と聞いた私に、キヨシ君が「私の夫は世界で一番良い夫です、と書いたらいいよ。」と言うので、こうして書きました。


9/15/05

こ、腰が痛いのです・・・。お腹が出てきて姿勢が悪くなってきているせいだとは思うけど・・・。昨日、Nangoさんがだいぶ前に私に貸してくれたマタニティーベルトを試しにつけてみたら、すごく楽なことに気付く。もっと早くに付けはじめるんだった!!つわりがようやくなくなったと思ったら今度は「胸焼け」に悩まされ、夜は足がつって痛い。妊婦って。


9/11/05

今日でちょうど妊娠満27週。とうとうThird Trimester(妊娠後期)に入って1週間が経つ。最近、お腹の上からでも胎動がしっかり感じられるようになったので、キヨシ君も喜んで私のお腹を触っている。そしてこの間アンカレジのホテルでくつろいでいる時、あまりに赤ん坊がアクティブなので2人でじーっと私のお腹を見つめていたら、お腹の一部がむにーっとか、ぼこっ、と動くのが触らずともわかって、2人で「今の見たー?!動いてるよー!」と大興奮したり。(笑)そんなこんなで赤ん坊は順調に育っているようだ。明日は健診なので、いつものように夫連れで行って参ります。(キヨシ君はこれまでに一度も私の健診をミスしたことがない。偉いぞ、お父さん。)

話は変わるが、近くのビデオ屋さんに「風の谷のナウシカ」のDVDが新しく入ったのでさっそく借りてきてキヨシ君と見た。私は宮崎作品のなかではこのナウシカが一番のお気に入りなので、見終わった後にキヨシ君に「どうだった?良かったでしょ?」と聞いてみたのだが、彼は「うん、良かったけど、僕やっぱりトトロの方が好きだな。」と言ったのだった。「天空の城、ラピュタ」を見たときにもたしか同じ事言ってなかったっけ???「キヨシ君がそんなにトトロのファンだったとは知らなかったよ。」と笑うと、彼は「うん、トトロはCOOLだからね。」と色々「となりのトトロ」の劇中シーンを思い出しているらしく、ニヤニヤ笑っていた。トトロは果たして「クール」なのだろうか。カワイイとは思うけど・・・。


9/9/05

忘れないうちにここで旅日記を。

9月2日
早朝にイニューをケネルに預けた後、ニニルチックを目指して12時間ドライブ開始。天気は快晴。後部座席に昼食(サンドウィッチ)、おやつ、スナック、果物、飲み物類をつめ込んで楽しいドライブは始まった。途中、めずらしくくっきり見えているデナリ(マッキンリー山)をバックに写真を撮ったり、ビデオを撮ったり、と行楽気分を満喫する2人。しかし夕方になってくるとさすがに疲れてきて物も言わずにただただ、運転。(私はひたすら寝る。)夜の9時半、ようやくニニルチックのキヨシ君の実家に到着〜!キヨシ父、母、そして老猫の「ソックス」と久々の再会を喜びつつも、疲れきったキヨシ君と私はさっさとシャワーを浴びて就寝。

9月3日
あいにくの雨。キヨシ母が、私達のベイビー用に、と大きなダンボール1箱分のベイビー用品(衣類、毛布、おもちゃなど)をくれる。なんとこれらはぜ〜んぶ「キヨシ君が赤ちゃんの時に使った」もの。手編みのカーディガンや、帽子や、靴下、その他もろもろ、大切な思い出がいっぱいいっぱい詰まっているだろうに、それを大切に保管していて私達のベイビー用にくれるとは、と胸がいっぱいに。なかにはキヨシ君が病院で産まれて、退院する時に着ていた服、とか、その時にキヨシ君をくるんだ毛布、とかがあって、実際に「ほら、これだよ!」と写真で見せてもらった。キヨシ母、ありがとう。大切に使わせてもらいます。

午後からはキヨシ君の両親とキヨシ君と4人でホーマーにドライブへ。ここはニニルチックから車で2時間??ぐらいの所で、とにかく海と山がすご〜く綺麗。いつも行くチャイニーズレストランで遅い昼食をとった後は、キヨシ父とキヨシ君お気に入りの古本屋さんへ。異常なほどに本好きな2人を本屋に残し、キヨシ母と私は本屋の中にあるカフェでお茶をしながらまったりと他の客の飼い犬を撫でたりして過ごす。

9月4日
遅く起きた後はキヨシ母のお友達のお宅訪問。キヨシ父がどうやら風邪を引いたらしく微熱があるようなので彼だけはお留守番。キヨシ母、キヨシ君、そして私、という面子でお邪魔する。このお友達家族はかなりヒッピー度が高く、お父さんはアーティスト、お母さんは主婦、そして子供(16歳?この男の子のオタク度がキヨシ君に激似なのだ!笑。もさーっとしており、背が高く、めがねっ子で、とても純。)は学校には行かずホーム・スクールしているという、とても面白い一家。案の定この男の子とキヨシ君はオタクな話題(変わったパズルや、動物や、植物、などなど)で静かに盛り上がっていた。

その後は私とキヨシ君だけで、雨の中ニニルチックビーチを散策。キヨシ君は、雨だろうと、雪だろうと、真冬でも実家に帰ると必ずビーチを歩きたがるのだ。仕方ないので私も同行。1時間ほど誰もいない海岸沿いを2人でうろうろしたあと、すっかり冷たくなって家に帰ると美味しいご飯が待っていた。素敵。

夕飯後は、テレビでやっていたブラッド・ピットの「トロイ」をなんとなく皆で観る。ちなみに私はブラッド・ピットの良さが全くわからない。・・・ので、時折画面にちらりと現れる彼の尻にも全然ときめくことなく2時間半は終了。明日の朝のドライブに備えて、キヨシ君と私は早めに就寝。

9月5日
キヨシ父、母、そしてソックスに別れを告げ、アンカレジへ向け雨の中4時間のドライブ開始。帰りはニニルチック〜フェアバンクス間12時間ドライブはさすがにつらいだろう、ということで途中のアンカレジで1泊することにしたのだ。アンカレジ到着後は、私はマタニティー服のショッピングを楽しみ、キヨシ君はアンカレジ一大きな古本屋さんでショッピングを楽しむ。しかしいつものことながら、一旦本屋さんで自分の興味分野の本を探し始めると止まらないキヨシ君は、そこで3時間半を過ごしたのであった。なんとかイライラせずにそんな彼を気長に待つことが出来た自分に我ながら驚く。

9月6日
アンカレジでのホテル1泊後。キヨシ君がまた昨日の本屋さんに戻りたい、というので仕方なくついて行く。しかしなんと彼はそこでさらに2時間以上も時間を過ごし、さすがに堪忍袋の尾が切れた私に「いいかげんにしろ」と力ずくで本屋を引きずり出され、叱られ、泣かれたのであった。「妊婦を(昨日の分と合わせて)本屋で5時間半も待たせるか!」と憤慨した私は、帰りの8時間ドライブのほぼ半分を一切彼と口をきかずに過ごす。

夜8時、フェアバンクスの自宅到着〜。やっぱり自宅はええのぅ〜、とゴロゴロしつつ、アンカレジのオリエンタルスーパーマーケットで買ってきたカップ麺をすすって旅の思い出を語る。

そんなこんなで、嫌な終わり方ではあったけれども(笑)全体的にはなかなか楽しい休暇となりました。皆さん、長々とした旅日記にお付き合いいただいでありがとうございました。


9/7/05

ただいま〜!というわけで、昨日の夜無事にニニルチック里帰りの旅から戻りました。とりあえずPHOTOページだけアップしましたが、これからケネルに預けていた娘(イニュー)をお迎えに行かなくてはならないので旅日記は後ほど。


9/1/05

もう9月?!どうりで今朝の気温が0℃だったわけだ。朝起きて仕事に出ようとしたら車に霜が降りていた。しかし日中はさわやかな秋晴れで、紅葉が映えて本当に綺麗なこの季節のフェアバンクスなのだ。

さてさて、私達の新居に新しい家具が加わった!それは、「もらったテーブル」と「古いパイプ椅子ニ脚」!いや〜、すばらしいね、テーブルと椅子って。テーブルについて夕飯(じゃがいもと玉ねぎととろろ昆布の味噌汁、ゆかりご飯、磯納豆、というなんとも質素なメニュー)をとりながら「うわ〜、おうち、って感じ〜。」と喜ぶ貧乏夫婦。

お知らせ:最近引越しのドタバタで更新が滞りがちなこのページなのですが、実は明日から6日まで留守にします。キヨシ君の実家があるキーナイ半島に行ってくる予定。出来ればデジカメで色々写真を撮ってきてここにも載せられたら、と思っていますが、旅行の間はたぶんここの更新も出来ないと思いますので、6日か7日以降にまた。では、行ってきま〜す。



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